第136話 紫の芋の人 その4
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
トキワいま DStars零期生 事務所発足の切っ掛けになったV
宮古島たると DStars零期生 事務所の絶対的清楚歌姫
【シチュエーション】
ばにらとずんだ、事務所で3D撮影の楽屋待ち。
◇ ◇ ◇ ◇
たると「なるほど! ばにらちゃんは鹿児島出身だったんですね!」
い ま「へぇ」
「出身地公言してないし、綺麗な標準語だから」
「関東出身なのかと思ってた」
「意外と遠いんだね」
ばにら「そうバニなんですよ」
「なので里帰りが大変で」
「まだ上京してから一度も帰れてないバニです」
「だから、紅いもタルトが懐かしくって……!」
「はぁ、故郷の味だぁ!」
たると「鹿児島でも、紅いもたるとは売ってるんだね!」
「ばにらちゃんに喜んでもらえて、私も嬉しいさ!」
ばにら(たると先輩、超絶いい人バニなぁ)
(うちの大事な清楚枠ってことで、絡むの遠慮してたけれど)
(お近づきになれてうれしいバニ……)
い ま「鹿児島と言えば……やっぱりアイスはしろくまなの?」
ばにら「はっはっはっはっは」
「もしそうなら、川崎しろくまでデビューしたバニよ」
「普通にホームランバーのバニラ味が大好物バニ」
たると「分かるなぁ」
「アイスはやっぱりシンプルなのに限るよねぇ……」
「私もホームランバーとか、スーパーカップが好き」
ばにら「たると先輩! 話が分かるバニねぇ!」
「ばにらもスーパーカップが大好きバニよ!」
「あと、モナカと言えば……」
二 人「チョコモナカジャンボ♪」
い ま「すごい! なんでピッタリ合ったの!」
「もしかして裏で練習とかしてた⁉」
ばにら「たまたま、たまたまバニよ」
たると「えへへ……」
「前にばにらちゃんが配信で言ってたの、覚えててよかった(小声)」
ばにら「たると先輩? なにか言ったバニか?」
たると「うぅん! なんでもないよ!」
「そうだ、他にも沖縄のお菓子を持って来たんだけど……」
「よかったら食べる?」
ばにら「食べる食べる食べるバニ!」
「わぁ、ちんすこう! ちんすこうもばにら好きバニよ……!」
い ま「…………」
「……ふむ(何かを察する)」
「あ、そう言えば、私ちょっとBちゃんに話があったんだ」
「スタジオの方に行ってくるね」
たると「えっ⁉ ちょっと、いまちゃん⁉」
ばにら「いま先輩行ってらっしゃいバニよ!」
「ずんだ先輩によろしくバニ~!」
い ま「は~い! それじゃ、お二人ともごゆっくり~!」
ばにら「…………」
「ごゆっくりってどういう意味バニですかね?」
「いま先輩って時々、天然ですよね(ペカー)」
たると「ソ、ソウダネ……」
ばにら「バニ?」
「たると先輩までどうしたバニ?」
「なんか急にかしこまり出しちゃって?」
「もしかして調子が悪いバニですか?」
たると「ナンデモナイ、ナンデモナイヨ……」
ばにら「なんでカタコト」
たると(あぁ、どうしよう)
(なんでここでスタジオに戻るの、いまちゃん)
(ばにらちゃんと控え室に二人っきりだなんて……)
(そんなのカメコ(ばにらのリスナーの愛称)には耐えられないよ!)
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補足 宮古島たるとの正体
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ある時は歌姫! ある時はちょっぴり天然VTuber!
ある時は地理つよつよのゲッサー! そして、またある時は絶対的清楚!
はたして宮古島たるとの正体は――川崎ばにらの大ファン!
紫の芋の人である!!!!
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たると(どうしよう……)
(推しと二人っきりで密室だなんて)
(こんなの私の清楚が清楚じゃなくなっちゃう……!(おめめぐるぐる))
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清楚が清楚じゃなくなるとは?(意味深)
はい、というわけで、ついに満を持して最強の対抗馬が登場。
ずんだと同レベルの重い感情をばにらに向ける、紫の芋の人こと――たると。
はたして彼女は絶対的な清楚枠を守ることができるのか。
氷の女王といい、絶対的清楚といい、お局BBAといい、ほんと女難の相にこと欠かないな――と思った方は、ぜひぜひ応援・評価・フォローでばにらを慰めてあげてください!m(__)m




