第135話 紫の芋の人 その3
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
トキワいま DStars零期生 事務所発足の切っ掛けになったV
宮古島たると DStars零期生 事務所の絶対的清楚歌姫
【シチュエーション】
ばにらとずんだ、事務所で3D撮影の楽屋待ち。
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら(いま先輩・たると先輩と楽屋待ちなんてはじめてバニ)
(二人とも、黎明期からやってるレジェンドVTuber)
(迂闊なことはできないバニな……)
(ちょっと黙ってよう)
い ま「たるきち、お菓子食べる?」
たると「あ! 今日はおやつを持って来てるんだ!」
「実家から送ってもらった――じゃーん『紅いもタルト』さー!」
ばにら(たるとちゃん、本当に沖縄出身なんだ)
(てっきり事務所の設定だと思ってた)
(紅いもタルトかぁ、懐かしいなぁ)
(地元でも、よくおやつに食べたっけ……)
―――――――
補足 川崎ばにらの故郷
―――――――
鹿児島。仕事で東京に出て以来、まったく帰れてない。
なお、薩摩なまりがないのは、配信するために学生時代から直していたから。
身バレ防止は大事! チェスト!
―――――――
い ま「わぁー、美味しい奴だ」
たると「いっぱい食べて食べて」
「あ! よかったら――ばにらちゃんも紅いもたると食べる?」
ばにら「いいですバニか!」
「ぜひいただきますバニ!」
たると「どうぞどうぞ!」
い ま「紅いもたるとっていうけど、見た目は完璧に紫色だよね」
「なんで紅いもって言うんだろう」
ばにら「ふっふっふ」
「実はですね、いま先輩!」
「紫色をした芋には、紅いもと紫いもという二種類があるバニなんです」
「紅いもタルトは、紅いもを使うから『紅いもタルト』なんですバニ」
い ま「へ~そうなんだ~(もぐもぐ)」
ばにら「少しも興味なさそうバニ!」
「人に尋ねたんだから、興味持って聞いてくださいよ!」
い ま「いやぁ、身体が糖分を欲しててね……」
「それでそれで? 紅いもと紫いもはどう違うの?」
ばにら「……えっと」
い ま「いや、そこは知らんのかーい!(ノリツッコミ)」
たると「それはですね!!!!」
二 人「⁉」
たると「紅いもは正式名称をダイジョと言いましてヤムイモの仲間なんです」
「対して、紫いもはサツマイモの仲間なんですよ(早口)」
「些細な違いと思うかも知れませんが――紅いもは山芋や長芋に似ていて」
「すりおろすと粘り気がでるんです!(早口)」
二 人「お、おぉぅ……」
ばにら(たると先輩めっちゃ語るバニな)
(地元のお土産だから、力が入っちまったバニかね?)
(しかし、この説明の仕方、どこかで聞いたような……?)
い ま「たるきち物知りだね?」
「ていうか急にどうしたの?」
たると「あっ! えっ! そのっ!」
「ばにらちゃんが困ってたから、つい……」
ばにら「たると先輩!」
「今、ばにーらちょっとキュンとしちゃったバニよ!」
「ありがとうございますバニ!」
たると「えっ……」
「えぇっ⁉(迫真&赤面)」
ばにら「そんな驚くバニ?」
たると「わ、私ごときが、ばにらちゃんのお役にたてるだなんて」
「そんなおこがましいというか、あつかましいというか」
「も、もったいないお言葉バニぃ!!!!」
ばにら「どうしちまったバニですか、たると先輩!」
「ばにーらは後輩! 後輩バニですから!」
「そんな謝らなくていいバニですから!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
おわかりいただけただろうか……。(二回目)
沖縄出身。やけに丁寧な口調。説明すると早口になる。
そして、後輩相手にやけに緊張して接するたると先輩。
なにより彼女が持って来た紅いもたるとの色は……。
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