第129話 りんご裁判 その5
【主人公】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
津軽りんご きまぐれ僕っ娘
秋田ぽめら DStars特待生 みんなのママ
羽曳野あひる DStars2期生 雑談配信が得意
Bちゃん DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当
八丈島うみ DStars3期生 センシティブ委員長
【シチュエーション】
悪戯ばかりしているりんご。ついに裁判にかけられる。(企画)
そんな地獄企画を、いつものように見守るずんだとばにら。
◇ ◇ ◇ ◇
???「聞いてください! 私、りんご先輩に騙されたんです!」
「あの人にされたことを思い出すと、今でもトラウマが……!」
Bちゃ「設定造り込んできてますねぇ」
「これあひるさんの番組なんで」
「事件性のない感じでやっていただけますか?」
???「あ、ハイ、わかりましたー」
Bちゃ「えっと、それでは『ピチピチの17歳JK』さん」
「貴女はいったい、りんごさんになにをされたんですか?」
???「あれはそう、二人でオフコラボをした時のことでした」
「当時の私はまだ右も左も分からない新人VTuberで」
「そんな私を、りんご先輩はやさしくリードしてくれたんです」
Bちゃ「ここまで聞いた限り、事件性は特に感じませんね?」
???「触れあう肩」
「耳に届く息づかい」
「鼻孔をくすぐる女の香り」
「もしかしてりんご先輩――」
「私のことを誘っているのか⁉」
「と、ふと思ってしまいまして」
Bちゃ「100%、うみさんの勘違いですねw」
???「けど、潤んだ瞳でこっちを見てくるんですよ」
『喉渇かない? 飲み物持ってくるよ?』
『室温ちょっと低くない? もう少しだけ、温度上げてもいいよ?』
『寒かったら僕の手をぎゅっとしな?』
「なんて言ってくれるんですよ! しかも配信中に!」
「これって脈ありですよね!!!!」
Bちゃ「ないです!w」
???「いいえあります! これは誘い受け!」
「数々の薄い本を読んできた――委員長には分かるんです!」
Bちゃ「まぁ、脈のありなしは置いておいて」
「それがどう罪に繋がると言うんですか?」
???「その後、無事にオフコラボが終わったんです」
「かなり遅い時間でして」
「これはこのままベッドインかな……と!」
Bちゃ「しないしないしない!w」
「さっきも言いましたけど、これ他人の配信ですからね!」
「センシティブな発言は控えてください!」
???「けどもう、委員長の身体にはスイッチが入っちゃって」
「ベッドのシーツを急いで替えて」
「枕も二つ並べて」
「『先にシャワーいただきますね!』って、お風呂にも入ったんです」
「なのに、いざリビングに戻ったら……!」
Bちゃ「戻ったら?」
???『今日はオフコラボ楽しかったよ。またしようね。チュッ』
「という書き置きを残して、りんご先輩はいなくなっていて……!」
Bちゃ「当たり前ですねぇ」
「ただのオフコラボですから」
???「委員長の火照った身体と、用意した布団はどうなるんですか!!!!」
「あんなに思わせぶりな態度で焚きつけておいて!!!!」
「というわけで、りんご先輩を『委員長誘惑たぶらかし罪』で告訴します」
「いいえ、この言い方ではいけませんね……」
「貴女を『委員長誘惑たぶらかし罪』で訴えます!」
「理由はもちろんおわかりですね!」
「あなたが委員長を甘い言葉でたぶらかし、情緒を破壊したからです!」
◇ ◇ ◇ ◇
三 人「だはははははwww」
あひる「委員長、ノリノリでワザップジョルノすんのやめてもろて」
ぽめら「いやー、清々しいほどいつもの委員長でしたね」
あひる「これについては、りんごさん何か反論はありますか?」
りんご「う~~~~ん」
「うみちゃんが勝手に盛り上がっただけだよね?w」
あひる「はい、これは無罪ですわ」
「追求する必要もなく無罪ですわ」
ぽめら「うみってば、いつもあんなノリだからねぇ」
「むしろあっちの方に犯罪性を感じる」
りんご「これ、逆に僕が訴えたら勝てる奴では?」
「八丈島うみさんを、『瞬間沸騰盛り上がり罪』で逆告訴します!」
二 人「だはははは!wwww」
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「…………うみぃ」
「なにやってるバニか本当に」
ずんだ「こればっかりは、普段からセンシティブネタやってる」
「うみが悪いわ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
全面的にうみが悪い。やはり、普段からセンシティブしてたのがよくなかった。
そんなことしてると、記念ライブの新曲お披露目で、同期生たちから「なにやってんだこいつ……」みたいな目で見られることになるぞ! 気をつけろ八丈島うみ!
もはや有罪にする気があるのか、怪しくなってきた津軽りんご裁判。次でいよいよ、最後の証言となります。はたして、誰が出てくるのか――という所で、気になった方はぜひぜひ応援・評価・フォローよろしくお願いいたします!m(__)m




