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【二部完結】VTuberなんだけど百合営業することになった。  作者: kattern@GCN文庫さまより5/20新刊発売
番外編 激辛ペヤング早食い対決 ~初期あひると近所のおっさん~
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第116話 激辛ペヤング早食い対決(おまけ)

【登場人物】


羽曳野あひる Dstars2期生 雑談配信が得意

清水K介   だいさんじ所属VTuber アラフォー独身おじたん

大内山みるく 羽曳野あひるのママ(絵師さん)



【シチュエーション】


 数年後。大内山みるくの年納め振り返り配信にて。


◇ ◇ ◇ ◇


―――――――

補足: 大内山家

―――――――


イラストレーター兼個人勢VTuberの大内山みるく。

彼女がキャラデザを担当した、DStars所属の羽曳野あひる。

そして、なぜだかだいさんじ所属の清水K介。


この三人で構成された、事務所横断型のコラボユニットである。元々は、大内山みるくと羽曳野あひるの、VとVのママのユニットだったのだが――気がつけばK介がレギュレーメンバーと化していた。おそらく、弄りやすい性格のせいと思われる。


―――――――



みるく「いやぁ、しかし今年もいろいろあったね。あひる、K介」


あひる「本当に大変だったよ」


   「リアルもだけれど、YouTubeのトレンドも随分変わってきて」


   「事務所も『これからはアイドル路線で行く!』とか言い出して」


K 介「そっちは大変そうだね」


   「今からでもうちに移籍するかい、あひる嬢?」


あひる「いや、もうちょっとDStarsで頑張る」


みるく「お、えらい!」


   「流石は自慢の娘だ!」


あひる「かーちゃん? それ本当に思ってる?」


   「いつもコラボすると雑に弄ってきてさぁ」


みるく「思ってる思ってる!」


   「あひるとK介、そして私で、大内山家」


   「私たちは血は繋がらなくても家族だよ――」



   「我ら三人、生まれし日、時は違えども、死ぬときは一緒なり!」



K 介「桃園の誓いじゃないっすか!」


   「それ義兄弟だから!w」


あひる「おじおじはそもそも家族なの?」


   「関係ない近所のおっさんじゃない?」


K 介「あひる! お前、傷つくだろ!」


   「せっかくいい感じの空気になってるのにさぁ!」


みるく「けどさぁ、こうして三人で活動できるの」


   「本当に嬉しいよね……」


   「最近はVも飽和してきて、数字も出なくなってきてさ」


   「なのに、そこそこ頑張れてるのはすごいと思うよ」


あひる「今だから言うけどさ……」


   「あひる、デビューした当時、すぐやめると思ってたよ」


   「たぶん半年くらいで無理ってなるって」


K 介「それ言ったら、僕なんてあひるとコラボした時」


   「事務所に辞表出そうと思ってましたよw」



二 人「えっ⁉(迫真)」



K 介「いや、そんな驚きます?」


みるく「驚くよ! なに、そんなに悩んでたのK介くん⁉」


あひる「おじおじ、そんなに悩んでたの?」


K 介「……いやまぁ、いろいろと思う所がありまして」



   「思っていたような活動ができないことや」


   「チャンネル登録者数が増えない、視聴者数も増えない」


   「なにを置いても――おっさんのVTuberに需要がない」


   「『あ、これ無理かも』って思ったんです」


あひる「K介……」


みるく「まぁ、たしかにK介くんは異色だったもんね」


K 介「そんな中ね、あひるから激辛ペヤング対決に誘われて」


   「それがご縁で、あひるといろいろやるようになって」


   「みるくさんからも、大内山家レギュラーとして絡ませてもらい」


   「いろいろ世界が広がって……」



   「こうして、今もなんとかVTuberをやらせていただいてるな、と」



あひる「なんとかってレベルじゃないだろ!」


   「だいさんじの大規模企画で、司会進行やっといてよぉ!」


みるく「ラジオだって頑張ってやってるじゃない!」


   「毎週ちゃんと聞いてるんだから!」


K 介「いや、なんでキレるんすかw」


   「ここ感動のシーンでしょw」



   「まぁ、とにかくね。あひるには感謝してるんです」


   「俺にもう一度、VTuberをやる動機を与えてくれて」


   「もちろん、そのママのみるくさんにも」



あひる「あひるだって感謝してるよ」


   「おじおじと一緒に企画してたから頑張れたんだもん」


みるく「私だって、二人のおかげで……」



   「大内山家というユニットをでっちあげて」


   「VTuberとして市民権を得られたわ!」



二 人「それはどうなの……(困惑)」



あひる「とにかく、これからもおじおじはあひるの大事な相棒だよ」


   「一緒にVTuber界隈を盛り上げていこうぜ!」


K 介「おう! 任せとけ!」


   「あひるはDStars! 僕はだいさんじ!」


   「それぞれで頑張っていこうな!」


みるく「よっしゃ、それじゃ話もまとまった所だし――」



   「K介! 年納めドリクラ(キャバクラギャルゲー)配信すっぞ!」



K 介「なんでそうなるんすか! みるくさん!」


みるく「なんだー! オメー、K介!」


   「もしかして、日和ってんのかー!」



―――――――

コメント

―――――――


:この三人ほんと仲良いな


:企業所属と個人勢でここまで仲良しなのはすごい


:おじおじ関係ないおっさんなのにな


:それがいいんじゃないか……!


:頑張れ大内山家


―――――――



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



ちょうど、僕がVTuberを見だした頃が転換期だったらしく、この後元ネタになった三人は疎遠になっていく訳なんですが――それでも、記念ライブで楽屋で集まったり、挨拶した話なんかを聞いては、本当に仲の良いユニットだなとほっこりしたりします。最近コラボ周りが解禁されてきたので、また折を見て集まってくれるといいな……なんてことを密かに願っております。


まぁ、本作は史実を踏まえた上でのフィクションですので、彼らの関係をどう調理するかはまた追々考えてみようかなと。フィクションの中でくらい、優しい世界が続いていてもいいよね……!


というわけで、今回はみっちりと羽曳野あひるに密着した番外編でした。もし気に入ってくださった方がいらっしゃいましたら、応援・フォロー・評価のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。


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