第116話 激辛ペヤング早食い対決(おまけ)
【登場人物】
羽曳野あひる Dstars2期生 雑談配信が得意
清水K介 だいさんじ所属VTuber アラフォー独身おじたん
大内山みるく 羽曳野あひるのママ(絵師さん)
【シチュエーション】
数年後。大内山みるくの年納め振り返り配信にて。
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補足: 大内山家
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イラストレーター兼個人勢VTuberの大内山みるく。
彼女がキャラデザを担当した、DStars所属の羽曳野あひる。
そして、なぜだかだいさんじ所属の清水K介。
この三人で構成された、事務所横断型のコラボユニットである。元々は、大内山みるくと羽曳野あひるの、VとVのママのユニットだったのだが――気がつけばK介がレギュレーメンバーと化していた。おそらく、弄りやすい性格のせいと思われる。
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みるく「いやぁ、しかし今年もいろいろあったね。あひる、K介」
あひる「本当に大変だったよ」
「リアルもだけれど、YouTubeのトレンドも随分変わってきて」
「事務所も『これからはアイドル路線で行く!』とか言い出して」
K 介「そっちは大変そうだね」
「今からでもうちに移籍するかい、あひる嬢?」
あひる「いや、もうちょっとDStarsで頑張る」
みるく「お、えらい!」
「流石は自慢の娘だ!」
あひる「かーちゃん? それ本当に思ってる?」
「いつもコラボすると雑に弄ってきてさぁ」
みるく「思ってる思ってる!」
「あひるとK介、そして私で、大内山家」
「私たちは血は繋がらなくても家族だよ――」
「我ら三人、生まれし日、時は違えども、死ぬときは一緒なり!」
K 介「桃園の誓いじゃないっすか!」
「それ義兄弟だから!w」
あひる「おじおじはそもそも家族なの?」
「関係ない近所のおっさんじゃない?」
K 介「あひる! お前、傷つくだろ!」
「せっかくいい感じの空気になってるのにさぁ!」
みるく「けどさぁ、こうして三人で活動できるの」
「本当に嬉しいよね……」
「最近はVも飽和してきて、数字も出なくなってきてさ」
「なのに、そこそこ頑張れてるのはすごいと思うよ」
あひる「今だから言うけどさ……」
「あひる、デビューした当時、すぐやめると思ってたよ」
「たぶん半年くらいで無理ってなるって」
K 介「それ言ったら、僕なんてあひるとコラボした時」
「事務所に辞表出そうと思ってましたよw」
二 人「えっ⁉(迫真)」
K 介「いや、そんな驚きます?」
みるく「驚くよ! なに、そんなに悩んでたのK介くん⁉」
あひる「おじおじ、そんなに悩んでたの?」
K 介「……いやまぁ、いろいろと思う所がありまして」
「思っていたような活動ができないことや」
「チャンネル登録者数が増えない、視聴者数も増えない」
「なにを置いても――おっさんのVTuberに需要がない」
「『あ、これ無理かも』って思ったんです」
あひる「K介……」
みるく「まぁ、たしかにK介くんは異色だったもんね」
K 介「そんな中ね、あひるから激辛ペヤング対決に誘われて」
「それがご縁で、あひるといろいろやるようになって」
「みるくさんからも、大内山家レギュラーとして絡ませてもらい」
「いろいろ世界が広がって……」
「こうして、今もなんとかVTuberをやらせていただいてるな、と」
あひる「なんとかってレベルじゃないだろ!」
「だいさんじの大規模企画で、司会進行やっといてよぉ!」
みるく「ラジオだって頑張ってやってるじゃない!」
「毎週ちゃんと聞いてるんだから!」
K 介「いや、なんでキレるんすかw」
「ここ感動のシーンでしょw」
「まぁ、とにかくね。あひるには感謝してるんです」
「俺にもう一度、VTuberをやる動機を与えてくれて」
「もちろん、そのママのみるくさんにも」
あひる「あひるだって感謝してるよ」
「おじおじと一緒に企画してたから頑張れたんだもん」
みるく「私だって、二人のおかげで……」
「大内山家というユニットをでっちあげて」
「VTuberとして市民権を得られたわ!」
二 人「それはどうなの……(困惑)」
あひる「とにかく、これからもおじおじはあひるの大事な相棒だよ」
「一緒にVTuber界隈を盛り上げていこうぜ!」
K 介「おう! 任せとけ!」
「あひるはDStars! 僕はだいさんじ!」
「それぞれで頑張っていこうな!」
みるく「よっしゃ、それじゃ話もまとまった所だし――」
「K介! 年納めドリクラ(キャバクラギャルゲー)配信すっぞ!」
K 介「なんでそうなるんすか! みるくさん!」
みるく「なんだー! オメー、K介!」
「もしかして、日和ってんのかー!」
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コメント
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:この三人ほんと仲良いな
:企業所属と個人勢でここまで仲良しなのはすごい
:おじおじ関係ないおっさんなのにな
:それがいいんじゃないか……!
:頑張れ大内山家
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ちょうど、僕がVTuberを見だした頃が転換期だったらしく、この後元ネタになった三人は疎遠になっていく訳なんですが――それでも、記念ライブで楽屋で集まったり、挨拶した話なんかを聞いては、本当に仲の良いユニットだなとほっこりしたりします。最近コラボ周りが解禁されてきたので、また折を見て集まってくれるといいな……なんてことを密かに願っております。
まぁ、本作は史実を踏まえた上でのフィクションですので、彼らの関係をどう調理するかはまた追々考えてみようかなと。フィクションの中でくらい、優しい世界が続いていてもいいよね……!
というわけで、今回はみっちりと羽曳野あひるに密着した番外編でした。もし気に入ってくださった方がいらっしゃいましたら、応援・フォロー・評価のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。




