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18.後始末

「これはジュリアンナ王女。どうなされましたかな。」


 バルザックがにこやかに微笑みながら、ジュリアンナ王女の手にした扇子を取り上げる。


 その堂々たる出で立ちと、番を得て以前より数倍増した色気にジュリアンナ王女は目を奪われた。


 以前よりずっと素敵じゃない。やっぱり私、欲しいわ。アリアになんかもったいないわ。

 私こそが、この国の王太子妃に相応しいわ。


「バルザック様、私。公妾として赴くつもりだったのですが、妹が行きたいとごねて仕方なく。でも、本日からこの私がご奉仕させていただきますわ。」


 上目遣いでシナを作って媚びるジュリアンナ王女にアリアは唇を噛み締めた。


「そうですか。ご自分から赴いていただけるとは、手間が省けました。」


 艶っぽく笑うバルザックがジュリアンナ王女に手を差し出す。


 婀娜っぽく微笑んだジュリアンナ王女がその手を取った瞬間。


 ガシャン


 差し出されたジュリアンナ王女の手に手枷が嵌められた。



「えっ?」


 何があったかわからないと呆然とするジュリアンナ王女にバルザックが冷酷に告げた。


「我がエスメラルダにレジオンの姫が2人もというのはいささか外聞が悪い。」


「だったら、アリアなんかより本来奉仕すべきである私が公妾としてバルザック殿下に心を込めてお仕えいたしますわ。」


 なおも、食い下がろうとするジュリアンナ王女にバルザックは吐き捨てた。



「もう遅いのですよ、ジュリアンナ王女。今、我が国には公妾が必要無くなりました。

 その代わりと言ってはなんですが、あなたには帝国に行ってもらいましょう。

 帝国のインペリアル修道院で一生を神に心を込めてお仕えするが良い。」


 インペリアル修道院。清貧の思想で世界一厳しい修道院として知られるそこは脱出不可能な切り立った崖に囲まれた難攻不落の修道院だ。


 色狂いのジュリアンナ王女には酷だろうが。

アリアを苦しめた罰だな。


 引っ立てられていくジュリアンナ王女が叫ぶ。


「インペリアル修道院だけは絶対に嫌ー。」



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