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神鳥使いと呼ばれた男  作者: TUN
第一章 グランドルの新米冒険者
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84話 ロマンチストと母なる太陽

「明日で最後か~。長いようで短かったなぁ」

「ねー。あっと言う間だったよ~」

「…私は最初で最後ですね、ナナも手伝ってくれれば早くこちらに来れたのに…」

「ふっふ~ん。ジャンケンが弱いポポがいけないんだよ~。私勝ったも~ん」

「今度覚えておいてくださいね。私だってやられっぱなしは好きじゃありませんので」

「受けてた~つ!」


 俺たちは、中庭のテラスもどきにある椅子に現在座っている。


 …なんで寮に行かないのかというと、ここから見える夕日がキレイだったから…。


 似合わないこと言ってんじゃねーよ。テメーには汚物がお似合いだ! …って思う人いるかもしれないが、私だって偶にはこういうこと考えますよ。

 なんたって…私、巷ではロマンチストの神代って呼ばれてますから。

 知る人ぞ知る隠れ要素ですぜ? 知らない人はメモしてね。


 …まぁ嘘ですけどねー。


 実を言うと、夕日の光に俺の汚い心を洗ってもらってただけなんですよー。

 ホラ…私心汚れきってるでしょ? こりゃマズイと思いましてね…。

 母なる太陽にちょっと手伝ってもらってたんですよ。


 …まぁこれも嘘なんですけどねー。




 結論! 

 特に意味はない、ただの気まぐれだ!


 以上です。

 本当になんとなく座りたくなったからなんです。偶にあるでしょ? 

 意味もなく、意味のない椅子に座りたくなること…あるでしょ?


 …。


 ハイ! 皆さんのご理解が頂けたところで、茶番は終わりにしましょうか。




「…そういえばご主人。昨日の戦い以降ステータスって確認しました?」

「あ~…してない…」


 ポポから不意に言われる。


 バタバタしてたし、すっかり忘れてたな。


「しようよ~」

「…そうだな」


 あんま確認したくね~。

 どうせ分かり切ってるからなぁ…。


「どれどれ…?」




 ◆


【神代 司(???)】


 レベル・・・1896   


 HP・・・・・9580

 攻撃力・・・・9530

 防御力・・・・11456(+1000)

 素早さ・・・・9560(+1000)

 魔力量・・・・14932(+1000)

 魔力強度・・・11771

 運・・・・・・40


【スキル・加護】

 体術 レベルMax

 剣術 レベル4

 槍術 レベル3

 斧術 レベル2


 魔法・火 レベル18

 魔法・水 レベル20

 魔法・風 レベル17

 魔法・土 レベル19

 魔法・光 レベル25

 魔法・闇 レベル23

 魔法・無 レベル32


 成長速度 20倍

 無限成長

 従魔師

 人間の魂(覚醒)

 神の加護


【付与スキル】

 HP自動回復(特大)

 衝撃耐性(特大)

 忍耐力 レベルMax


 ◆




「………」

「どうなってます?」

「?」


 何も喋らない俺を見て、ポポとナナがステータスを覗きこむ。

 そして…


「これは…何かすごいことになってますね…」

「あらま~、急成長だね~」


 二匹は笑い半分、呆れ半分といった感じだ。


 なんか…思ってたよりも凄かった。まさかレベルがこんなに急上昇してるとは…。

 …まぁそうだよな、スキルのせいで…単純に考えてドラゴン80体分の経験値だもんな。むしろこれが普通か。


「えっと…四桁で化物クラスだよね? もうほぼ5桁近いのばっかりだけど…この場合は何ていうんだろうねー?」


 知るか。


 ナナが疑問を口にするが、その答えは俺には分からない。


 化物の次って…なんでしょうね? 

 もしないのであれば、一周回って普通に戻れねぇかな。


「まぁそれもですが、【人間の魂】の横に覚醒ってついてますけど…。これ、何でしょうか?」

「さぁ? …化物として覚醒したって意味じゃね? …てかそれ以前に、俺人間として認識されてねーし」


 ついに人間として見られなくなったのか、種族名が???になっている。


「アハハ! 今更だね~」

「今更とか言うな! 俺が一番思ってんだから」


 ナナがそれを笑う。


 クッ! …もはや何も言うまい。

 グランドルは守られ、私はさらに強くなっただけのこと…それだけのことさ。


 守った代償として私は人ではなくなったが、人々は平和に暮らしましたとさ…。めでたしめでたし。

 あぁ…ナンテイイハナシナンダー(棒)


 こんちくしょうめ。


「まぁ気にしないようにしましょうよ。それに…ご主人が強くなれば私たちもその分強くなれますし、こちらとしては大助かりですけどね」

「む…それは確かにそうだけど…」

「『覚醒』したらどれくらいステータス上がるのかな~?」

「う~ん。ステータスにそれぞれ5000加算されるくらいじゃないか?」

「それだと…遂に私たちもご主人に近いものになってきましたね」


 コイツらを覚醒状態にすることができる『才能暴走(アビリティバースト)』なんだが、これは俺のステータスの半分の数値を一時的にコイツらに付与することができるのだ。

 バカみたいに魔力を使うが、ぶっちゃけ俺たちの場合チート技である。

 一応説明要項を見て効果を確認したが、どうやら発動者のステータスの半分の数値を従魔に付与するらしい。

 だが実際に発動してみたところ、それ以外にも属性付与や活性化といった効果が加わっているらしいので、恐らく【神の加護】の作用があるだろうなと感じているのが正直なところだ。

【神の加護】はこういう時はしっかりと仕事をしているようだ。いつもしっかりと仕事してくださいな。


「それでも俺よりもマシなんだから良いだろ。第一俺がいなきゃ意味ないしな」

「…そうですね。これだと、未来のご主人がご主人に怪我を負わせられたのが当然のことに感じます」


 ご主人ご主人って…ややこしいな。

 まぁ一応分かるけどさ…。


「だな。その時はこんなにも差があるのかとか思ったけど、一週間後でこれだ。そりゃ当然だよな…」


 未来の俺が来た時のことを思い出す。まだそれほど日が経っていないため鮮明に思い出すことができる。

 俺にダメージを与えることができたのは、至極当然だろう。


「…さて、まぁとr「先生!?」


 俺が言葉を続けようとしたところで、後ろから声が掛かる。


 振り向くとそこには俺が良く知っている面子が揃っており、皆一様に驚いた顔をしていた。


「あれ? 今帰りかい、皆さんや」


 俺は驚いている皆に対して声を掛ける。


 そういや…さっきチャイムが鳴ってたな…。授業終わったのか。




 アンリさん、クレアさん、エリック君、メイスン君、アレク君。

 この面子と1日ぶりの再会を俺は果たしたのだった。

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