284話 『剛腕』
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「――オイ、まさかとは思うが……『神鳥使い』とは貴様のことか?」
「……?」
重い足取りで皆の元へと戻ろうと背後を振り返った矢先、いつの間にか大きな陰りが身体を覆った。その陰りが出来た原因であるものを下から確認していくと、それは類い稀とも言えるほどの巨漢であったらしい。
そこまでを認識したと同時に声をかけられる。
この声、巨漢。お前は……。
「……」
「……どうなんだ? 答えろ」
俺は返答するのも億劫で無視したのだが、コイツには大層俺が腹ただしく映ったのだろう。声には若干の怒気が込められている。
「誰?」
「さぁ?」
俺には見覚えのある存在であっても、ポポとナナには当然それが分からない。本当に初めて相対する人物への、当然の反応を示すばかりだ。
「黒髪に喋る鳥……なるほど。どうやら貴様が例の『神鳥使い』で間違いないようだな? まさか噂そのままの姿だったとはな」
ただ、俺らの特徴を元に、俺がどんな奴かを把握した巨漢はまるで決めつけたような確認をしてくる。
今目の前にいるこの2メートルは軽くありそうなマンモス級の巨体を誇るのは、スキンヘッドのドワーフの男。
全身をこれでもかと言うくらいの逞しい筋肉で包み、贅肉が存在しないのではと思わせる程だ。見た目だけならマッチさんを軽く凌駕している。
両手には分厚くゴツゴツしたグローブを装着しており、一見手甲と見間違えたものだが似ているようで少し違ったらしい。なんにせよ物理特化のファイターであることを窺わせる装備に身を包んでいる。
これもまた、あの時と何一つ変わっていない。
「……っとに次から次へと、嫌なこと思い出させやがって……!」
「なに? 何を言っている?」
黙れ。お前は失せろ……!
コイツが今俺の前に姿を現したこと、一応は初対面であるにも関わらずいきなり敵意を剥き出しにしてぶつけてきていること。
俺は大切だったはずのあの娘を思い出せない苛立ちもあり、今は腸が煮えくりかえりそうだった。
「貴様、いきなりなんだその目は? 随分と舐めた態度だな」
「……」
いきなり出てきておいて何言ってんだ肉塊が。知るかよボケ。
「その口は飾りか? 目上の者に対する礼儀も知らんのか? ……それか言葉を発する余裕もないのか?」
「……」
目上? 笑わせんな。俺もお前も対等な者同士だろうが。同じSランクの階級という……。
礼儀を持ち出すなら名くらい名乗れ。……ま、もう知ってるが。
「無言は肯定と受けとるぞ。……まぁ俺様の『威圧』で喋れんだけかもしれんがな」
「……」
あぁ、相変わらず自分本意の考えしかないうるさい奴だ。
好きにしろよもう……。
「まぁ別に貴様が今どうであろうと知ったことではない。――あの女が惚れたという貴様の実力。異世界人の力……精々見せてもらおうか!」
巨漢は両の拳を俺の頭上で盛大にぶつけ合わせると、ニヤリと嫌な笑みを浮かべて戦意を至近距離でぶつけてくる。グローブが甲高い音と火花を散らし、俺らの間に戦い特有の空気が漂い始めた。
「ちょっとちょっと!? いきなり戦闘を始める気ですか!?」
「ご主人しっかり!? くるよ――っ!?」
奴は開始の合図はいつの間に済ませたのだろうか。ポポとナナの危機迫る声を耳元に感じながら……俺はモロに『剛腕』の拳を頭部に受けた。
◇◇◇
『剛腕』が司に襲い掛かる少し前――。
「なんだぁ? アイツいきなりどうしたってんだ?」
「分からないです。でもツカサさん、すごく張りつめた顔してました……」
ガラスによって遮られてしまい、司のことを追うことも出来ずにいたアンリは途方に暮れていた。そんなアンリを心配し、司のことも気に掛けたシュトルムが疑問をそのまま口にする。
「ちょっと私達ご主人を追います! 行きましょうナナ!」
「う、うん!」
司が飛び出してしまった理由が自身らにも不明だったこともあり、ポポとナナはセシルの肩を離れてその持ち前の機動力を活かして司を追う。ガラスをすり抜けることこそできないが、ロビーを飛び立って闘技場へと出る迂回路を探して姿をこの場から消してしまう。
残されたメンバーは戸惑うしかない。いきなりこんな展開になるなどと誰が予想できただろうか。身内ではないシュレンが一番状況を理解していない顔で立ち尽くしていた。
『……!』
『……!』
「……お前らうるせぇな。分かんないもんはしゃーねぇだろ!?」
ここで、シュトルムが誰に向けてかも分からぬ独り言を放った。
割と大き目な声であったために周囲の者は何事かと一瞬意識を向けるものの、該当する話し相手がいないことに首を傾げる。
一見頭のおかしい奴にしか見えない行動とも言えるが、当然シュトルムにも理由はあった。
というのも、シュトルムは今精霊達に盛大なバッシングを食らっている最中なのである。一応主従の関係を結んだ間柄で、主の内情も理解できていないことが精霊達の不満に繋がったらしい。
また、司はシュトルムやクローディア達とは別の形で精霊に愛されている存在である。それ故に精霊王から作られた宝剣を携えることを可能としているわけだが、この宝剣も宝剣で精霊達からは特別視されている。その宝剣が認めた者の従魔がこの体たらくである現状は癪に障ったようだ。
周りの者には見えていないが、今シュトルムは身体中を精霊達にポカポカと殴られ蹴られの状態だったりする。
閑話休題。
「……貴女は一体何者なの?」
シュトルムとアンリ、そして見えぬ精霊達のやり取りを遠目に、セシルは共にこの場にいたグランドマスターに問いかける。
親善ではなく、警戒の意思を多分に含んだ眼差しをしながらだ。その背後にはヒナギとジーク、そしてシュレンがおり、同じく今の現状を最も知っていそうな人物に目を向けている。
「それは話すと長くなります。彼が戻ってきたときに一緒にお話ししますよ」
「……」
「そう睨まないでください。貴女が私を見て今何を思っているのか……それもお話しさせていただきますので」
「っ! まさかとは思うけど、貴女もしかして――」
グランドマスターは懐疑的な眼差しをいくら向けられようが、淡々とした冷静な表情を狂わせることは微塵もない。セシルは自分だけが感じているであろう違和感の正体……それを聞こうとしたところで――。
「あ゛あ゛ぁ~……相変わらず暑いったらありゃしねぇぜ。空調でも壊れてんのか?」
「ゲッ、なんでこうタイミング悪く出てくるんスかねぇ……」
ズカズカと横暴な足音をたてながら、一人の巨漢が何処からともなく現れる。その姿を捉えたシュレンが、小さくだが眉間にシワを寄せて明らかな嫌悪感と共に愚痴をこぼした。
巨漢は大層自身の身体に自信があるのか、タンクトップのような一枚の服が防具扱いのような風貌をしている。腕部には所々プロテクターのようなものを装着しているようだが、服装だけで特筆するならそれだけだ。ジーク並みの軽装をしていると言えよう。
「「「っ――!」」」
暑いと盛大に不快感を露わにするこの者が現れた瞬間、周囲の者が巨漢が通るであろう道を前もって開けるように動く様は、まるでやむを得ずそうしているようでもあった。大スターがファンに道を開けてもらえないの真逆とも言える光景は、それだけでこの者の人となりをあらわしているようなものだ。
コイツとは極力関わりたくない。そんな意思が自然と誰にも伝わってきそうであった。
「……ん? っ、久しぶりじゃねぇか『鉄壁』……!」
遠目に見ても分かる程の巨漢であるが、メンバーの集っている部分に目を向けるとある人物に対して嫌らしい笑みを突然浮かべる。その視線はヒナギだけを捉えており、他の者は眼中にまるでないようだ。一直線にヒナギの方へと足を進めて近づいていく。
やがてヒナギの傍まですぐに近づくと、誰もが感じた感想としてはなんと圧倒的な対格差だということだろう。ヒナギも身長が高いわけではないために、やや現実離れした巨漢との差が著しく出ている。
「……お久しぶり、ですね」
小さく、だが冷ややかにヒナギは言葉を返す。
ヒナギは威圧的な風貌の巨漢を前にしても臆することは決してなかった。むしろやや反抗的な態度という印象の方が強い反応とさえ思える。
ただ、誰に対しても分け隔てなく接するヒナギが、珍しく素っ気ない反応をすること事体異様ではあった。
「久しぶりだな? もう2年振りとなるか……。その割には随分と素っ気ないが、お前の方はますます女に磨きが掛かったようだな」
「……ありがとうございます」
「――それならば話は早い、お前さっさと俺の女になれ」
「「……は?」」
ヒナギの素っ気ない態度は気にもせず、ただ傲慢にもヒナギへと要求する巨漢。突然すぎる発言には近くのセシルとシュレンは素っ頓狂な声をあげてしまう。
これだけでヒナギが過去にこの者とどんなやり取りを交わしたかが分かりそうなもので、今素っ気なくしている態度も大方予想がつくというものだ。
「申し訳ありませんが、それは以前お断りさせていただいたはずですよ」
「あの時はな。だから再度言っているんだ」
ヒナギは特に表情を変えることもなく淡々と断りを告げるも、それを見せた所で巨漢はまるで意に介さない。あくまで自己中心的な考えを崩すつもりはないようだ。
「お前程の女は俺様にこそ相応s「やめとけアンタ。姉御には既に先約が入ってんだ」……」
そこに、ヒナギの後ろからジークが会話に割り込みを入れた。こちらもまたヒナギ同様に冷ややかな目で。
「あん? 誰だ貴様は。今は俺様と『鉄壁』が話しているのだ。部外者は引っ込んでいろ」
「仲間は部外者に該当しねぇだろ。何の問題があるってんだ?」
ヒナギに卑しい表情を向けていた巨漢の視線がジークへと移り変わる。鋭い目つきはヒナギとの会話を邪魔をされたからのようで、腕組みしながら軽く物言いをしたジークに敵意を向け始める。
「別によ、俺個人としては別に誰が誰と話してようがその会話を邪魔するようなことなんて本来はしねぇさ」
「ならばそのまま引っ込んd「だが明らかに姉御はアンタに用はない顔してんだろうが。俺らはアンタのことなんぞ知らねぇが、会っただけで姉御にここまで面倒くさそうな顔させるとかアンタある意味スゲーぞ。それも分かんねー馬鹿なのか?」
「なんだと……っ!」
「ジーク、一言余計だから」
小馬鹿にするというよりも、呆れからきたジークの遠慮のない発言に巨漢は額に青筋を浮かべる。最後の「馬鹿か?」というこの一言さえなければまだ穏便に済ませることもできた可能性はあるだろうが、そうはならないのがジークらしい部分である。セシルはセシルで、ジークに頭を抱えているようだった。
ジークの俺らという発言はパーティ内の総意でもある。――と言っても、今はセシルとジークのみだが。
別にジークだけがヒナギの心情に気が付いたのではなく、仲間でなくとも誰でも気が付きそうなヒナギの反応に周囲は思い切り頷きたい気持ちでいっぱいだったりする。
それくらい露骨な反応をあのヒナギがしたのだ。ヒナギの人となりというのは世界に轟いているため、今の嫌そうな態度事体が周囲の者達には想像もつかない姿に映っていたのである。
ともかく、ジークと巨漢の両者間にはピリピリとした空気が漂い始めてしまっていた。
「――お二方、騒ぎはそこまでにしてくださいませ」
一触即発。
次何か癇に障る言葉が飛び交った瞬間にはもう手遅れかもしれないという状況の中、凛とした声がこの場を駆け抜けた。全員の視線は否応なしにそちらへと向く。
「『剛腕』、ジュグラン様。貴方には再三に渡って面倒事は起こさないように通達していたはずですが?」
ジークの介入を機にと思ったのかは分からないが、それまでは静観していたグランドマスターもいきなり突拍子もないことを言いだした巨漢に苦言する。
この巨漢は、どうやら問題児と囁かれる『剛腕』の二つ名を持つ者であったらしい。
グランドマスターのお二方という言葉をそのままに捉えるなら、ジークにも多少の戒めを含んでいることになる。……が、本人としては過去にあったであろうことも踏まえ、『剛腕』に向かって言ったというのが一番正しいだろう。
「あ? 騒ぎは起こしてねぇだろうが」
「起こす寸前だったでしょう? もう少し自分というものの存在を理解してくださると助かります。少なくとも私には『鉄壁』様は少々お困りの様に見受けられましたが?」
「だったら別に構わないだろうが。冒険者は自由……それはギルドが決めた公約のはずだぜ。冒険者間の面倒事にはギルドは介入しない……そのはずだったが?」
「その言い方は誤りですよ。『基本介入しない』の間違いです。貴方には例外で特例を言いつけていたはずですが、それをもうお忘れですか?」
「あー忘れた忘れた。どのみち覚えてたところで知ったことではない。俺様は好きなようにやらせてもらうだけだ」
静かに、だが冷静に怒気を含ませたグランドマスターであったが、少しの反省を見せる気もない『剛腕』の横暴さにはお手上げのようだった。
小さくため息を吐き、ヒナギ同様に面倒そうな表情を浮かべている。
「――ジュグラン様」
一時静かになってしまった場を仕切り直すように、ヒナギが『剛腕』の名を静かに呼んだ。
「お? 決心がついたk「申し訳ありませんが、私は既に心に決めた方がいるので丁重にお断りさせていただきます」
「なに?」
そして告げるのは、恐らく『剛腕』に対しては何度目かであろう断りの言葉だった。
満足のいく返答をもらえなかったことで眉間にシワを寄せる『剛腕』をそのままに、ヒナギは続けた。
「先程ジーク様が先約と仰いましたが、私にはもう心に決めた方がいますので。ジュグラン様には申し訳ありませんが、他の方をお探しください」
「……」
カイルの時とは違い、薬の効果は今はない。ヒナギが真に心の奥底から望んで思っている気持ち……それが今吐露されている。
イーリスの一件以来、ヒナギも気持ちを抑え込むことに関して遠慮する考えはなくなった。それはアンリが司に対して自分の気持ちに素直になって接し続ける様を見ていたことも影響しているが、何よりアンリに負けたくないという対抗心の気持ちが強い。ボルカヌに出立する前に司のベッドに忍び込んだのもそれが起因している。
アンリとの仲は良好。お互いに同じ人物を好いた者同士で争いがないのは極めて良いことである。
ただ、やはり自分が一番好かれたい欲求というのは当然あったまでのことである。それが大衆の前で堂々と発言できる結果に繋がっているのである。
「お前が好いた男……その者の名は何という?」
「……カミシロ様です。我々と同じ、『神鳥使い』という二つ名を背負った方です」
『剛腕』の言葉に、自然に堂々とヒナギは答える。
わざわざ嘘をつく理由もない。自分の気持ちを偽る理由も何もない。ましてここで嘘をつこうものなら司に対する想いが中途半端と思われるかもしれない……そんな胸中だった。
すると――。
「『神鳥使い』、カミシロ……。――ハッ、そういうことか……!」
『剛腕』はそれまで作っていた険しい顔から……ふと、あることを思い出したような顔になって少しだけマシになる。
「噂の異世界人とやらか、それならばお前にそう言わせるだけのことはあるかもしれん。……面白い、お前があの時言っていた言葉に値する者、か……!」
「……あの時? それh「ならばその者を打ち破れば俺様はそれ以上の者になるというわけだな?」
「え?」
「「「……?」」」
ヒナギの言葉を最後まで待たず、『剛腕』が自信満々にヒナギへと確認の問いかけをすると、一瞬……皆思考が停止した。
『剛腕』の言っていることがまるで意味が分からない発言だったからである。
「……? ちょっと待て、さっきから展開早すぎてついていけてねぇんだが……なんで今の会話でその流れになるんだ? 流石の俺でも疑問に思うぞ」
ジークの疑問は皆を代表しているようなものだった。
ヒナギと『剛腕』が過去にどんなやり取りを交わしていたかが分からないのでは、今の会話がサッパリ理解できなかったのである。
少し周りの者にも理解できる程度の情報をくれ。そういう意味合いで無意識に言ったジークではあったが……。
「貴様がそれを知る必要はない。それ以前に部外者は黙っていろと言ったはずだ。その細身の身体を跡形もなく粉砕されたくなくばその口は閉じていろ、小僧」
結局、一蹴されるだけであった。
「……ハァ。へーへー、言ってろ言ってろ」
「フンッ、今は別の事の方が先決だ。命拾いしたな」
「(『剛腕』……聞いてはいたが相当駄目だなこりゃ。クソガキ思考、面倒くさい、んで力に溺れた奴。その末路がコレか……救えねぇ。俺も下手すりゃなってたかもしれねぇのか)」
もう何も言うまい……ジークにはそう思うことしかもう出来なかった。ハナから話の通じる相手ではなかったのだ。
こうなることを予想していただけに文句の声こそ出さなかったが、ジークは『剛腕』を見て自分にもあったかもしれない人物像を重ね、そして『剛腕』を哀れに思うのだった。
ジークの内心など知らず、『剛腕』は周囲の者を置いてけぼりに一人息巻く。
「『神鳥使い』……俺様とどちらが上か、精々楽しませてもらおう。それで、そいつは一体何処にいる? まさか貴様ではないだろう?」
「違うな」
「彼なら先程闘技場の方へと向かいましたよ。「ちょっと!?」彼とお相手したいのならどうぞお好きに……今なら誰も使用者はいないはずですから」
「そうか……っ!」
「うくっ……!」
ヒナギ達は司が今何処にいるのか……それをわざわざ教えてやる義理はないつもりであった。しかし、グランドマスターが何故かそれをあっさりと伝えてしまう。
ヒナギの驚きの声を無視して居場所を伝えられた『剛腕』は、一瞬だけその場で姿勢を低くしたかと思うと、その巨体からは想像もつかない速度で闘技場のガラスを突き破り、外へと出て行ってしまった。
風圧と割れたガラスの破片が周囲に飛び散った影響で、ロビー内は一時騒然となる。
「グランドマスター! 何故お伝えしてしまったんですか!? これではカミシロ様に迷惑が……!」
「我々がどうしようが、直らず直せない……そんな単純馬鹿思考の人にはこれでいいんですよ。 」
「……ぇ……今、なんて……?」
グランドマスターの行動をヒナギが問い詰めるも、別段気にした様子はグランドマスターにはない。その態度と考えに怒りたい一心ではあったが、それよりもグランドマスターが小さく最後に呟いた一言にヒナギは意識を全て持っていかれてしまった。
信じられないことを聞いてしまったと……。傍にいたセシルにもその声は届いており、ヒナギと同様の反応だった。
「……ま、別に行かせたところで私達にも、そして彼にも大して問題はないでしょう。どうせ彼の前では赤子同然でしょうから。……相手にすらなりませんよ」
ヒナギとセシルが絶句していることを理解しながら、グランドマスターは涼しい顔をしてただそう告げる。
それから十数秒後――。
闘技場からは、爆撃のような音と衝撃が巻き起こされた。
次回更新は1週間は先です。
※7/1(土) 追記
次回更新は7/3日(月)です。




