地球の方が
「おいミラー、地球って星どう思う?」
「ああ、あの青くて美しい星だろう!」
「カエリコよりも地球の方が良かったんじゃないかな?!移り住むのに」
「うん、ただ地球では人口が増えすぎちゃって、それに自分達の生活を優先するあまり、自然が大きく壊されてるって話だぜ」
「じゃあ、マックはカエリコ選んで正解だと言うんだ?」
「カエリコは美しい自然がそのまま残ってるからな」
「ならゴリラたちは、カエリコに行けてよかったってことか」
「そういうことだね!」
「そろそろじゃないかな、カエリコの人々が逃げ出して行くのも」
「うん、次はどこにいくと思う?カエリコから」
「おそらく地球だろうな!」
「カエリコを追い出してしまうのはちょっと気の毒な気もするけど・・」
「仕方ないさ、俺たちのジャック星は、もうすぐキングブラックホールの引力圏内に入ってしまうんだから」
「そうだな、その前にこの星を出ないと、星と一緒にお陀仏だ!」
「ミラー、マック、ちょっと来て!」
「どうした?リンサ」
「この映像を見て!ゴリラたちの様子、おかしくない」
「そういえば、いやに穏やかだな。のんびりしてるというか」
「そうでしょう!まるで元のゴリラの生態に戻っちゃったみたい」
「あれ?あそこ、ゴリラと遊んでるぞ!」
「カエリコのやつらなのか?」
「たぶんそうね」
「そんなはずはない!マイクロチップの制御で、ゴリラは凶暴になってるはずだ」
「だけど・・」
「どういうことなんだ、これは・・」
「調べる必要があるな!」
「急がないとヤバイぞ!」
「ええ、大至急!グレンにも知らせておいた方が良さそうね」
「頼む」
一方地球では、シンジによる魔法の特訓が続いていた。
「進、もっと集中するんだ!他のことはいっさい考えるな」
「ジャン、気合いが足りないぞ!」
特訓にはジャンまでお付き合いしていた。
「かなり厳しくやられてるわね」と夏子。
「何に対しても全力!兄さんは昔からそうさ」
「ちょっと見直したかなあシンジさんのこと」
「家庭では違ってたのかい?」
「厳しさもあったけど、どちらかというと優しいパパだったわ!」
「よーし、今日はこのくらいにしておくか」
「まだだ!まだ続ける」
「うん、僕も!」
「体をゆっくり休めるのも修行のうちだ!二人で風呂でも入ってこい」
『進、ジャン、シンジの言う通りだぞ!さあ風呂だ』
「うん」
「どうだい二人は?」
「まだまだだが、根性はありそうだな!二人とも」
「あなたたちの息子ですものね!」
「それはほめてるのか?夏子」
「二人ともすぐにあなたを追い抜くわよ!」
「平じいはどんなやつだと思う?本物のジャック星人って」とジョン。
「さあな、他人の星を侵略しようとするやつらだ、悪のかたまりのようなもんだろう」
「でも、それなりの事情があったりするのかもよ」
「そりゃあそうだろうけどな!」
「しかし、なんでゴリラなんて手の込んだやり方をしたんだろう?かなりの科学力があるなら、もっと簡単に侵略できそうなもんなのに」
「そえね」
「心がまだ通ってるってことかな・・」と平吉。
「噂だと、あのゴリラたち、大きく吠えて威嚇はしてくるけど、決してとどめをさすようなことはなかったって!」
「それって、ジャック星人の心がそうしてるのかしら、それともゴリラたちの心?」
「私は両方だと思いたいね!」
「そうですね!」




