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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山スバル
第十幕 やがていつか、みんなでいっしょに

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どんな〝ルーシ〟を望む?

「る、ルーシ?」


 メントは、ぬいぐるみのように落下してきたルーシを抱っこする。


「なあ……、オマエらはどんな〝ルーシ〟を望むんだ?」

「は?」


 されども意識は途切れていない。それに加え、意味不明なことを口走る始末だった。

 それでも、パーラだけはルーシの言っていることの意味を理解しているようであった。


「私は、ルーちゃんに死んでほしくない。だからここにいる。どんな悪事を働いても、ルーちゃんが私を守ってくれたのは嘘じゃないもん。だから──」


 刹那、ルーシは閉じかけていた目で捉えてしまった。パーラの背後に、未だ息絶えないスオミ・アウローラが立ち上がったという、悪夢を。

 スオミは最初なにも言わなかった。だが、そんなことはどうでも良い。パーラが、あのパーラが、誰も傷つけなかった最愛の恋人が、スルリと刺され、力なく倒れ込む。


「て、てめえ……!!」

「どんなルーシを望む、だぁ……?」


 スオミ・アウローラは、今にも死に絶えそうな顔色で、


「そりゃあ、悲劇という喜劇に飲み込まれ、絶望するおめえの面だよ……!!」


 勝利宣言でもするかのような態度だった。


「ああ、そうかい……」


 ルーシはシャツとベルトの間から拳銃を取り出し、スオミの頭に銃弾を放った。これで完全に絶命したスオミを一瞥し、ルーシはメントへ言う。


「パーラへ死に装束は似合わねェ。メント、私の魔力を使え。もう、ずいぶん失った。もう、生きる意味も見いだせない」


 淡々とした口調の中、まだ現状を把握しきれていないメントだったが、ルーシが手を彼女に差し出してきたことで、ついにすべてを知る。


「……オマエ、死ぬつもりか?」

「ああ……、これがルーシという人間に課せられた原罪だ。いい加減楽にしてくれ。パーラも、ルテニアも、エウロもいねェ世界で生きたいとは思えない」

「ぱ、パーラはまだ死んでねえだろ?」

「オマエだって見たはずだ。あんな攻撃くらって、もう呼吸もまともにできていない。でも、私の魔力があればロスト・エンジェルスまで帰れる。あとは頼んだぞ、メント。うっ……」


 これで何度死んだ? この世界へ来るために死んで、パーラを守るために、愛と平和の守護神の義務を果たすために、これまでだって死んできた。その度に蘇ってやったが、さすがにゲルマニカという異国の地だったら、ルーシの魂だって鎮魂されるはずだ。


 *


「……、」


 D-スペックは、失望をあらわにした。


「なんで、オマエらは根性がねェんだ? 立てよ、カルティエ・ロイヤル」


 地面に横たわるカルティエ・ロイヤルと、呼吸を乱しながらも立っていられるD-スペック。その差は歴然だった。


「もうじき、この帝都も滅ぶ。ロスト・エンジェルスも滅びるだろうさ。ああ、おれはなにがしたかったんだろうな」

「なにがしたかった? ふざけるなよ。アンタの始めた陰謀だろう。ディーさん」


 ジョイントをくわえ、首をゴキゴキ鳴らすジョン・プレイヤーが、眼前に立っていた。


「ハハッ、オマエはどこまでも化け物じみてるな。まだ魔力が切れないのか」


 そして、D-スペックはすべての希望が途切れてしまったかのように、ジョンの矢をくらった。


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