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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山スバル
第九幕 我らの祖国、ロスト・エンジェルスを守れ

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”学生”メリットVS”分体”レイノルズちゃん(*)

「──ホープ!!」


 屋上にいる者は10数人ほどだったが、ふたりを除いて避難したようだった。

 退避した者全員魔術を使えない落ちこぼれだ。しかし退路を用意するために残ったふたりのうちひとりは、6,000万メニーの値打ちを政府から保証されている。

 そんなホープが他の者を守ろうとしたのか、彼女は鋭利な大刀に刺されたかのごとく胴体から血を流し仰向けに倒れ込んでいた。


「おや。いまさら登場か」


 2体のレイノルズちゃんがメリットをあざ笑う。


「オリジナルの情婦はこちらだったようだな? なあ、出来損ない」


 1体はパーラの直ぐ側にいて、拳銃を頭へ向け彼女に脅しをかける。

 パーラはなぜルーシが自分たちを襲うような真似をしているのか、分かっていない様子であった。涙を流し、声すら出せないようだった。


 そんな中、メリットは静かに2本目の興奮剤を打ち込む。


 瞬間、パーラの近くにいたレイノルズちゃんは首を掴まれ、地面に投げつけられた。


「痛てェな。質量を変えやがったか? ずいぶん仲間思いなもので」

「アンタらと違ってね」

「どこまで気がついているんだか……。まあ良いや。後方不注意」


 涙で景色が霞んで見えるパーラでも、もうひとりのルーシらしきものが背中に翼を広げていることを見てしまった。


「メリットちゃん──!!」

「じゃあ私は前方不注意で」


 パーラの手を咄嗟に握り、メリットは旧魔術を用いて空間移動をした。座標は攻撃を仕掛けてきたレイノルズちゃんのさらに後ろに設置し、パーラへ、「キャメルか絶壁、アルビノあたりに連絡取ってすぐ合流して」と伝えた。


 レイノルズちゃんたちも異変に気がついたのか、翼による攻撃は翼で相殺し難を逃れる。彼女たちは即座に背後を振り返るが、そこへはメリットもパーラもいなかった。


「アンタが人間じゃないことは良く知ってる。でも、獅子身中の虫に耐えられるとは思えない」


 旧魔術には文字通り無限大の可能性が秘められている。

 空間移動できるものは人間だけとは限らない。その気になれば人間の体内に鉛玉を撃ち込み、内蔵を破壊することだってできる。

 鉛玉たちがレイノルズちゃんたちの内蔵に埋め込まれ、メリットはその操作を始めた。


「ぐおおおッ!?」

「てめェ!? 体内に石でも打ち込んだのか!? ──ぎゃああッ!!」

「そうだとして、アンタらはどうやって勝ち筋を見つけるの? これでも“強化版”なんでしょ?」


 最前メリットが交戦したレイノルズちゃん然り、コイツらも従来のレイノルズちゃんを更に強化したバージョンらしい。だから手こずった。要領が変わってくるからだ。

 しかし、一度闘ったのならばある程度傾向が掴めてくる。


「クソッ!! どこ行きやがった!? あのアマチュア──ぐわッ!!」

「透明化も重ねているのか!? だったらよォ……!!」


 身体の中を次々破壊されていくレイノルズちゃんたちだが、同時に彼女たちはメリットの選択を理解する。


「おォ!! アマチュア!! てめェの魔力はさほど多くねェよなァ!? 根比べってわけかい!? ならよォ……!!」


 血反吐を吐き散らしたレイノルズちゃんふたりは、なんと自身の胴体に翼を突き刺した。

これもう主人公入れ替わってない?

いつも閲覧・ブックマーク・評価・いいね・感想をしてくださりありがとうございます。この小説は皆様のご厚意によって続いております!!

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