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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山スバル
第八幕 君は本当にルーシ・レイノルズ?

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ものすごく臭うらしい

「では、風呂へ案内してくれ」

「あァ? 風呂屋なんてそこら辺にあるだろ」

「マスター、この見た目で国営風俗は無理があるぞ?」

「そうじゃねェよ!! おれが言っているのは健全な風呂屋だ!!」


 このガキ(ただし見た目はほとんど一緒)、天然記念物ものの煽りセンスを持っているらしい。ルーシは舌打ちして携帯電話を取り出す。


「ほら、近くにあるだろ? ELA市のスターリング・ストリート0112だ」

「マスターの街ではないか」

「……あ?」

「ああ、記憶を失っているのか。ならいまの言葉は忘れてくれ」

「てめッ……仮にもおれのスレイブなんだろ? だったらそれらしく振る舞えや!!」

「私とマスターは反目だ。こうして会話していることが奇跡なほどにな」

「だいたい、ヒューマノイドのクローンが反逆起こすって映画じゃねェんだぞ? その理由くらい教えろよ」


 その汚れたレイノルズちゃんはニヤリと笑い、ルーシに一歩ずつ歩みを進めていく。


「“理由”? それはきっと、音楽性の違いと差異はないだろうな。私たちはマスターの望むものを手にするためにつくられた模造品だ。だが腑抜けたオリジナルはその目的すら忘れてしまっている。ならば私たちの魂はどうなると言うのだ?」


 ルーシはその態度に圧され、なにも言い返せなかった。


「私たちとマスターは計画に則って、『暴力によって秩序の保たれた世界』を組み立てようとしたのではないのか? その思いはいまでも変わっていないのか? オリジナル……!!」


 そのレイノルズちゃんはルーシとキスできるほど顔を近づけ、ルーシの望んでいたものを暴露した。

『暴力によって秩序の保たれた世界』という壮大過ぎる野望を聞かされたルーシ。彼女の言うことはすでに決まっている。


「オマエ。最近歯磨きしていねェだろ?」

「……は?」

「それに見た目通りドブに落ちた犬みてーな匂いがする。オマエそれでもおれのクローンなのか? 衛生管理ができねェヤツは大嫌いだ」


 口を左手で塞いで右腕の匂いを嗅ぐレイノルズちゃん。まさかこんな返事をされるとは思ってもいなかったかのような態度である。


「た、たしかに若干臭うのは否めないが──」

「若干じゃねェよ。ものすごく、だ」

「……。風呂入って歯磨きします。あとフロスも」

「納得してくれたようでなによりだ。さて、風呂行くぞ」


 *


 前世いた日本のスーパー銭湯を思い出す外観をした風呂屋。隣にいるレイノルズちゃんが言ったように、この街はルーシの街なのだろう。


「ああ? この場合男湯と女湯どちらに入れば良いんだ?」

「……。早く決めてくれ」恥じらいを覚えたらしい。

「まあ見た目が女だし女湯か。身体清めるぞ」


 魂が男なのに女湯に入る背徳感。思わずにやけてしまいそうだが、ルーシの魂は何千回と女体を見てきているので冷静を装える。

 病院服をさっさと脱ぎ捨て、銭湯の中へ入っていくルーシとレイノルズちゃん。


「知り合いとかいねェかな。どうせ覚えていねェけど」

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