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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山スバル
第八幕 君は本当にルーシ・レイノルズ?

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感情豊かな幼女

「あ? なにしているんだい?」

「回復させてる。顔だけ“は”可愛いんだから」

「……。確かになにも考えず攻撃したのは悪かったけどよォ、なにも修理する必要はねェんじゃねェの? オマエらだってコイツが来たら身構えていたわけだし」


 そう言い、不機嫌そうにルーシは杖を拾う。しかしどうやら前世で開発された能力はいまだ有効らしく、歩行障害もまったく感じなかったほどだ。また暴れ狂うことができる。そう考えたから、ルーシは笑みを浮かべる。


「感情表現豊かだね」

「そりゃ、オマエらが説明してくれねェからムカついていたわけだけど、考えてみりゃ能力を発生させればこのしょうもねェ杖を使う必要もないし、また暴れられるって思ったわけさ。そりゃ笑顔にもなるだろ?」

「君さ、()()()()()()()()()()覚えてる?」

「あ? なんだ、藪から棒に」

「たくさん殺してたくさん奪うこと、実はほしかったものとは違うんでしょ? それは手段みたいなもので目的ではないはずだ」

「あー……悪りィ。覚えちゃいねェや」


 聖歌隊のような華麗を極める声色で、ルーシはそう言った。


「まあいつか思い出せるかもしれないし、そのときはおれだけでほしかったものを手にしてみるよ。これでも21世紀最大の怪物だぞ?」


 ちょっと悪そうな笑みを浮かべるルーシ。やっぱりルーシはなにかが変わった。それもおそらく良い方向へ。


「とりあえず、レイノルズちゃんと仲直りしておけば?」

「あ? あの虚無僧レイノルズちゃんって言うの?」

「そうだけども」

「なら100パーセントおれのクローンじゃねェか!!」


 ルーシの中でひとつの答えが示された。

 レイノルズという単語は名字だ。父がクール・レイノルズで娘であるルーシはルーシ・レイノルズ。そして、ルーシならば自身でつくったクローンに名字を授けるだろう。記憶を失っても、ルーシはルーシなのだから。


「そっかそっか! おれがつくったんだな、コイツは!」

「コイツ、じゃないんだけどね」

「じゃあなんだよ?」

「コイツら、だよ」


 虚無僧の集団が縦一列に並びながら笛を吹き、ルーシの前で停止する。

 彼女たちはルーシに向かって膝を付く。


「マスター、復活なされたのですね。なんなりとご命令を」

「わーお」


 ぽかんと口を開けるルーシ。しかし違和感がひとつあった。


「なあ、コイツらはおれに尊敬語を使うけど、先ほどのレイノルズちゃんはタメ口だったぞ? 同じ方法でつくられたクローンなのに結構な違いがあるみてーじゃねェか」


 その疑問は虚無僧、基レイノルズちゃんのひとりが明かしてくれた。


「個体差は当然あります。私たちのようにマスターへ絶対服従を誓っている者。すくなくとも自分とマスターは対等な地位にいると捉えている者。果てには、マスターを殺すことで指揮権を簒奪(さんだつ)しようとする者」

「ふーん。記憶なくす前のおれは変なこと考えたんだな~


 やがて警察と救急車が駆けつけてきたが、もはやすでに色々とおそすぎた。

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