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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山スバル
第七幕 LTASの者たちよ、陰謀のその果てへ

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162/291

『デウス・エクス・マキナ』(*)

クール・レイノルズとポールモールは突如入ってきた情報に耳を疑った。


「NLAが地図上から消滅した? たしか姉弟(きょうだい)が向かってたよな?」

「ええ……。ルーシは学生たちも根こそぎ動員しようと北へ向かったはずですが……」


慌ただしく動く情報。クールはひとまずスターリング工業の持つ偵察機の映像を待つ。

そこには、無慈悲な現実が待ち受けていた。


「…………きれいさっぱり消えてやがるぜ。ポーちゃん」

「ええ……緊急幹部会を開きます。NLAに進出していた子分たちも全滅したと考えるべきですから」


最高幹部及びルーシと親しい無法者の少年リヒト、連邦保安本部に2重スパイとして務めるマーベリック、そしてタイペイ。


「おめェら、緊急事態だ。我らのボス、ルーシがNLAで死んだ可能性が極めて高い」


クールの落ち着き払った態度とは裏腹に、出席者はひとりを除いて全員驚愕に包まれた。


「また、NLAにはおれの妹もいた。アイツも死んでしまっただろう。ポーちゃん」

「ノース・ロスト・エンジェルスの総人口は200万人。これはLTASの5大都市の中で1番の人口です。これだけのヒトを滅多殺しにした、いや、滅多殺しにできる存在といえば……」


幼女になった兄が好んで着ていたグレーの艶ありスーツと赤のシャツ。それを着込んだタイペイが、この動乱の中まったく慌てることなく言う。


「うん、守護天使だね」

「どの守護天使だ?」クールは冷静に訊く。

「クイン・ウォーカー、かな」

「クイン・ウォーカー? 聞いたことねェな」

「うん、かつて神様にもっとも近い存在と言われてたヒトだからね。クールくんが知らないのも無理ない」


その言葉に参加者は固まる。この世界に神とやらが実在するのならば、それに近しい存在の実力は計り知れない。

重苦しい雰囲気の中、されどタイペイはまったく慄いていなかった。


「さて。()()()()()()()()()()()N()L()A()()()()()()()()()()()()()()()()()()。神様の力の片鱗ってヤツだね」


見えざる神が現れ、物語を強制的に終わらせるという演劇装置『デウス・エクス・マキナ』。タイペイが落ち着いていた理由とは、このいんちきじみた法則を使えるからなのであろう。


「DEMを使うのか? リスクだってでかいはずだが?」ポールモールはそう言う。

「うん。でも先に仕掛けたのはあっち。天使だけが使えるご都合主義、いまここで使わなきゃ私たち負けちゃうよ?」


負けてしまえば意味がない。いままで積み重ねてきた悪行も、勝つことで正当化される。だからこそ、負けてはならない。


「……分かった、タイペイ。デウス・エクス・マキナでNLAを蘇らせてくれ」

「りょうかい」


リスクは高いが、リスクを恐れていたら無法者などできない。



「……はッ!?」


ルーシとメリットは再生されたNLAにて目を覚ました。


「やっぱりどうやら生き残れたみたいで。誰かのデウス・エクス・マキナかな」

「アイツがやったみてーだな……」


NLA全体を包み込むほど巨大化した天使がいた。

クーアノンの頭領だとか、守護天使だとか、そんな話はあまり関係ない。


「メリット……」

「なに?」

「無神論国家に天使は必要ねェよな?」

「もちろん」

「なら……やってやろうぜ」


デウス・エクス・マキナは古代ギリシアの演劇で使われていました。物語が収束不可能になると、絶対的な神が一石を投じすべての問題を解決してしまいます。いわば『ご都合主義』です。略して『DEM』でお願いします。

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