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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山スバル
第七幕 LTASの者たちよ、陰謀のその果てへ

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アークお嬢様?(*)

「アークお坊ちゃま──いえ、()()()。キャメル様が来られておりますが」

「いないってことにしておいて」

「分かりました」

「分かりますのかよ?」


 アーク・ロイヤルとその親友アロマは、その少年だった少女の邸宅にて、紅茶を飲みながら優雅に話し込んでいた。


「どのみちバレる運命だしね。ぼくが女の子になっちゃったことは」

「まあ確かにあたしは引かないけどよぉ……オマエそれで良かったのか?」

「なにが?」

「正直、男でいるほうがメリット多いと思うぞ?」

「そうかな」首を傾げる。

「あざどいなぁ……。娼婦みたいだ」

「だいたい、昔から言ってたでしょ? ぼくは将来、プロゲーマーになるか性転換手術を受けるかのどっちかだって」


 どういう二択問題だよ、とアロマは突っ込みたくなる。しかし、これらはアークがしばしば語っていたところでもあった。


「でもさ、性愛対象は変わるもんなのか?」

「ううん? どっちとも好きだよ」

「そういやバイかもって言ってたな……」


 基本、LTASにおける性愛の話は重く扱われない。プロのスポーツチームや軍隊にも、ゲイやバイ、レズビアンであることを公表しておけば入れる程度の国だ。

 さらに言えば、アークたちの世代におけるマイノリティは至って普遍的な存在なのだ。そんな些細な話では、いじめの理由にもならないのだから。


「アロマはあんまりメイクしないよね」

「してるけど」

「本当に軽くじゃん。元が良いからね~」

「だったらオマエだって元が良いよ。すっぴんでも外出歩けるヤツって珍しいぜ?」

「んー。でもどうせなら、めちゃくちゃ盛ってみたい感はある」

「MIH学園で化粧のうまいヤツかぁ」

「キャメルは論外だし、ゲーム部の誰かに頼んでも良いんだけど……どうしても彼女たちの目つきが忘れられない。目つきだけで頭が痛くなっちゃうレベルだ」


 アークは一応自分の派閥を持っている。名前は『プレイ・ザ・ゲーム』というものだ。その名前が示すとおり、ゲーム好きの男女が集う『ナード』系の部活と言ったところだろうか。

 ただ、この派閥に入っている者は、アーク・ロイヤルという学生魔術師の傘に入っておりいじめられることはありえない。アークと闘うことを選択してまで、誰かをいじめたい者がいるのならば見てみたい。


「しゃーねえだろ。みんなオマエのことが好きなんだよ。一部ずれてるヤツらもいるけどさ」

()()()()()()()は卒業したはずなんだけどなあ」


 アークは女性らしくのびてきた髪の毛をさらりと流し、すこし遠くを見据える。


「まあ良いや。キャメル、入れる?」

「ならあたしは離れたところで見てるけど」

「なんでさ」

「オマエが始めた陰謀だから、オマエがなんとかすべきだろ。一応あのちびっこも共犯者なんだから」

「なら仕方ないな」


 紅茶を飲み終え、アークは玄関口へと向かっていく。

 当然そこへは、キャメル・レイノルズがいるわけだ。いますぐにでも泣き出しそうな表情で。


「罪な存在かもね、ぼくって」


 アークは扉を開けた。


「アーク!!」


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