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第538話 これからのこと(セシル管理者代理代行就任時ステータス)

コミカライズもよろしくお願いします!

 ソフィアを寝かしつけた後、私は一人研究室へとやってきた。

 久し振りに一緒に寝たソフィアはとても穏やかな寝顔をしていたので、ベッドを抜け出すのに結構な罪悪感を感じたけど。まぁ仕方ない。私を待っているのはソフィアだけじゃないのだから。


「我が君……ご帰還、心よりお慶び申し上げます……」

「ジョーカー、泣くことないじゃない」

「……申し訳、ありません」


 仕方ないなぁと思いながら跪く彼の頭に手を置いてあげた。

 ビクリも震えたのが少し可愛くて私の頬も緩む。


「でも、心配かけてごめんね」


 加えて他の眷属たちにも目を向けるとみんな一様に顔を俯かせているか、隠しもせずに目に涙を浮かべていた。

 私は泣くことが出来ないのでちょっと羨ましい。


「ご当主、様……っ!」

「ご主人様……」


 みんなちょっと泣きすぎじゃない?


「いいよ、おいで」


 しばらくの間、私は愛する眷属たちに揉みくちゃにされながら泣きつかれたり、唇を押し付けられたりしていた。


 ほぼ一時間くらい彼等に好きなようにされた後、私は玉座へ腰掛けた。


「失礼しました、セシーリア様」


 代表して頭を下げたのはエース。

 金髪イケメンの謝罪はなかなかに重い。

 男性陣では割と幼い容姿のルージュとシアンは女性陣と一緒に泣きついてきたけど、他の四人はただその場で必死に涙を堪えていただけだったのにね。


「気にしないよ。貴方たちはみんな私の可愛い子どもみたいなものなんだから」


 ちょっとだけ動揺していたことは内緒にして私はただ彼らに微笑みかけた。

 「さて」と前置きして、その微笑みを消すと私は自分のステータスを表示した。


セシーリア•ジュエルエース

年齢:23歳

種族:英人種/女・管理者代理代行

LV:100,000

HP:28,000M

MP:260,000G


スキル

言語理解 MAX

出力制限 MAX

人物鑑定 9

眷属鑑定 MAX

道具鑑定 9

スキル鑑定 MAX

執筆 MAX

料理 6

変身 MAX


ユニークスキル

感覚共有 MAX

吸収攻撃無効 MAX

異常無効 MAX

戦闘解析 MAX

捕獲 2

眷属強化 MAX

錬金術 7

魔道具作成 MAX


レジェンドスキル

神威 1

神技 9

並列存在 1

根源魔法 1

絶剣 MAX

絶槍 1

スキル生成 MAX

擬似生命創造 MAX

極限破綻 -

心絆ス者 -

神ノ指先 -

egg -


オリジンスキル

セシーリア -


神の祝福

経験値1000倍<ロック解除>

DIVA


タレント

管理者代理代行

転移者

転生者

武闘マスタリー

根源ニ至ル者

錬金術士

魔工技師

君主

勇者

魔王


管理者用スキル▼


 ……なんか、レベル上がってるんだけど?

 しかも数字が凄く綺麗になってる。

 まぁわかりやすくなったと思うことにしよう。

 というか、転生ポイントが無くなったのは管理者代理代行になったからかな?

 そこらへんはまた確認しよう。

 とりあえず、新しく手に入れたレジェンドスキル『神威』を使ってみよう。


「「「……っ?!」」」


 ついさっきまで私の前でただ跪いていた十二人の眷属たち。それが神威を使った直後、全身を硬直させて震えながらより深く頭を下げた。


「これならみんなの主らしい威厳がもっと強くなったかな」

「は、は……。恐れ多くも申し上げます……我が君セシーリア•ジュエルエース様は我らにとって神にも等しき御方であると、今までも思っておりました。ですが今この時をもって、貴女様は間違いなく神の一柱となられたことを魔石の芯にまで刻み込まれました」


 代表してジョーカーが答えたけれど、隣にいるエースも付け加えるように口を開く。


「セシーリア様、貴女様は我らが神です。我らは貴女様に生み出されたことを幸福に思います」


 思ったよりも効果がありそうだね。

 今度どこかの王様とかに会う時に使ってみよう。

 いろいろ調べたいことはあるけれど、特に気になるのは三つ。

 一つはオリジンスキルが私の名前になったこと。多分この世界では神と同じかそれ以上の存在になったことでこうなったんだろうね。

 効果は全くわからないけど、多分今までのオリジンスキルが統合したことを思えば弱体化してるとは思えない。

 続いて神の祝福『DIVA』。ナニコレ? 歌姫?

 さすがにアイカに見てもらわないとわからないね。

 最後は。


「管理者用スキル?」


 そう口に出すと、ステータスが表示されているウインドウとは別に背景が黒いウインドウがもう一つ開いた。


「……管理者専用ページ? うわっ?!」


 全部音声入力なのかな。

 今度は数え切れないくらいの項目が表示された。

 地殻や天候といったこの世界のハード面から、生き物について、スキルについて、ダンジョンについてなどソフト面も。

 それが更に枝分かれしていき、項目の数はそれこそ数万程度では足りないかもしれない。

 これに関しては今後運営してる神達とも相談しながら決めなきゃね。

 あとは補助作業者かな。引き継ぎのときに登録するはずだったけど一旦保留にさせてもらった。

 今眠りについている彼女たちがどうなるかわからないし、寿命が短い人を優先的に選ぶかもしれない。これは私の我儘だけど。


「それにしても……これからどうしよっか」


 ある意味、一つの目標に到達したので私も少し一人で考えたいと思っていた。

 もちろんこれからも宝石はたくさん集めるし、宝石(かのじょ)たちをたくさん愛でていくけれど、今までみたいに管理者になるという目標が代理代行という形だけど叶ったわけだし、何か別の目標を作りたいと思う。


「もし我が君が望むのであれば世界でも手に入れますか?」

「世界中の宝石は欲しいけど世界はいらない」


 それだって別に全部欲しいわけじゃないし。

 残念ながら私もたくさん欲しいけど、宝石は他の人からも愛でられるべきだよ。


「それならばお師匠様は今まで忙しすぎましたので、少し自分のためにお時間を使うのはいかがでしょう」

「これまでも自分のやりたいようにやってた気がするんだけど、今まで以上に?」

「恐れながら御当主様、意見させていただきます。デルポイも騎士団もクランも、まだまだ伸びしろはあるかと思います。それらを整理し教育を施してより完璧に仕上げるのはどうでしょう」

「デルポイはコルに任せてるし、クランはソフィアに頼んでる。騎士団はミオラとノルファ、エリーの三人でしっかり運営してるよ」


 なんだかいろいろ言ってくれているのに否定ばっかりして申し訳ない気持ちになってくる。


「うぅん……それならお姉ちゃん思うんだけど、セシルちゃんはもっとソフィアちゃんと時間を取るべきじゃないかしら?」


 ガツン、とユーニャに頭を殴られたくらいの衝撃がきた。

 そうだ。

 何が新しい目標だ。

 それよりまず私がやらなきゃいけないことはさっきまで隣で笑顔を見せてくれていたソフィアをもっと幸せにしてあげることだよ。


「……ありがとうプレリ。その通りだと思う。うん、決めた」


 私は玉座から立ち上がると跪く眷属たちに向かって頭を下げた。


「しばらくの間、ソフィアとの時間を大事にしようと思うの。だからみんな折角頑張って強くなってくれたのに、戦う機会なんてほとんど無くなるかもしれない」


 みんなのことを可愛がって愛でてあげるために作ったのは間違いない。

 でもかなり戦闘能力も高くしたのに、今更戦う余地があまり無いというのは申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


「主殿、顔をお上げくだされ。拙者たちは確かに主殿に作られました。しかしそれは戦うためだけではないはずです。主殿の目的を叶えるための駒、それこそ我らの生きる道」

「そうだよせーちゃん。戦うばっかりしか出来ない眷属なんて僕達の中にはちょっとしかいないんだから」

「セシル様が望むならなんでもする」


 ジェイ、ルージュ、シアンが笑っているけれど、ジェイは少しだけ寂しそうな感じがする。

 彼とノアは本当に戦うことをメインに考えて作ったはずだから尚更だろう。

 そのノアは黙って視線を下げたままだ。


「ありがとうみんな。……でも勘違いしないで欲しいんだけど、私が戦わないってことはみんなは今まで以上に戦ってもらう機会が増えるからね?」

「それは願ってもない。我は貴女様の敵を打ち払う騎士。いつでも刃を磨いて命を待ちましょう」


 獰猛な笑みを浮かべるノアに私は頷き返し、眷属一人一人へと目を向けた。


「それまでは各自いつも通り。時間を見て腕を磨き、デルポイ、騎士団、クランで職務を果たしてほしい」


 全員から「はっ」と返事を貰い、私は研究室を後にした。

 そのまま寝室へと戻っても良かったんだけど、気になることは早めに解決しておきたい。なのでやってきたのはアイカとクドーのいる離れだ。

 ノックをして扉を開けると二人はいつものようにテーブルでグラスを傾けていた。


「いらっしゃい、管理者代理代行殿」

「……もう、やめてよそういうの……」

「あひゃひゃ、そりゃスマンかったな」


 からかうように笑うアイカの隣に座ると私も自分の前にクリスタルで作ったグラスを置く。すぐにクドーが気を利かせてアイカ特製の蒸留酒を注いでくれた。


「んで、こないな夜更けにやってくるっちゅうことはウチの目ぇが目当てやろ?」

「まぁね」


 グラスに手を翳し、カランと心地よい音を立てて氷が落ちる。琥珀色の酒に浮かぶ氷をグラスを傾けながら回してから口をつけた。


「久し振りに飲んだかも」

「最近ではデルポイの酒も評判が良いのだがな……やはりアイカの酒は格別だ」


 クドーがグラスの中身を飲み干すとアイカは嬉しそうに「せやろ」と笑う。なんとも落ち着いていて余裕のある二人だ。

 私と違って大人の風格がある気がしてちょっとだけ寂しい。

 でもそれを素直に告げるのもなんだか恥ずかしくて、誤魔化すためにもう一度グラスに口をつけた。


「ほな、早速やろか」

「共有はどうする?」

「ウチが見てるモンをセシルに見せなアカンし、やっとこか」


 私達は席についたまま三人で手を繋ぐ。


「いくで。『神の眼』発動」

「情報共有」


 何度もやっているアイカの神の祝福である『神の眼』による詳細な鑑定と、それを三人で見れるようにするクドーの『情報共有』。

 今更私達の間に秘密なんて無い。

 無いけど、私は二人のことをどこまで知ってるんだろう。

 それでも私はアイカとクドーを信じている。

 本当は前世からこういう関係に憧れていたのだから。

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