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転生ニートの剣と魔法で最強伝説  作者: 時崎 空魔
第2章 冒険者編  ~パーナでの活躍~
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38話 新たな旅の同行者

 俺が部屋に入ると、男は訝しげな表情をする。


 「なんだてめぇ…どっから入りやがった?」


 男はそう言って俺に手を伸ばしてきたが、俺はその腕を掴むと柔道の背負い投げで地面に叩きつけると、男の腕をおもいっきり捻って腕の関節を外す。


 「ぐあああああああ!」


 男は必死に腕を押さえながら悶絶している。そして一度男を蹴り飛ばすと、男は気を失った。

 ちなみに、身体強化は使ってないのにここまで筋力があるのは師匠のお陰である。俺は思わずに苦笑いを浮かべる。

 (師匠って化け物だと思ってたかが…気づかないうちに俺も化け物だったか)


 俺は男から視線を外し、部屋の奥に居るもう1人の男に視線を向ける。

 すると、男はパチパチと拍手しながら、笑顔を浮かべた。


 「すごいね君。ここまで来たってことは上の奴も倒したんだろう?どうだい?雇われてみないかい?」


 と男はにこやかに話しかけてくる。


 「生憎俺には婚約者が居るんでね、彼女に自慢できないようなことはしたくないんだ」


 と俺はすこしかっこつけたように言うと男は腹を抱えて笑い出した。


 「ぷっ…あはははは!面白いね君。そっか…まぁここまで見てしまった以上はいそうですかと帰すわけにはいかない。仲間にならない以上ここで死んでもらおう…君の判断をその婚約者も悲しんでいるだろうね」


 男はそこで指をパチンと鳴らすと、男の後ろから2人のローブを着込んだ男が現れる。男達からあふれる魔力で俺は簡単に魔法師と分かったが、正直に言えば魔法では相手にならないレベルで剣術と体術だけでも勝てるレベルだ。


 「ふふふ。この2人はBBBトリプルビークラスの強さだよ?いくら君でも勝てないだろうね…じゃあ、あとはよろしく」


 と男が最後に笑いながら言うと、2人の男は少し前にでて詠唱を始めた。


 「ライトニングバレット!」


 「ウィンドブレード!」


 と2人の男がそれぞれの魔法を使う。

 どちらも中級魔法で詠唱もかなり短いあたり、やはり手練なのだろう。俺はウィンドブレードをかわしながらナイフを投擲する。

 それは避雷針代わりとなって、ライトニングバレットを防いでいる。


 「ちっ!こいつ化け物かよ!」


 男は若干叫びに近い感じで愚痴をこぼす。

 そしてライトニングバレットからファイヤーアローに切り替えた。

 ファイヤーアローも中級魔法で火弾の1個上の炎矢といったところか…。

 だが、俺はそれを見逃すわけにはいかないので、ナイフを投擲すると、肩に当たった。


 「うがあああ!」


 と男は肩を抑えて、喚くとこっちを恨めしそうに見つめると、ファイヤーアローを放った。

 だが、痛みのせいで照準が十分ではなく、放った10本のうち俺に命中するのは2だけだ。対処できる範囲なのだが…

 外れたファイヤーアローの飛んでった方向に鎖に繋がれて人たちが居た。

 俺は瞬時にその人たちの前に立ち手を突き出す。


 「馬鹿か!お前はそこで死ねええええええ!」


 男は絶叫しながら、もう1人の男は俺に向けてウィンドブレードも放ってきた。

 そして、魔法が衝突する瞬間。

 魔法は消えていた。


 「え…?」


 男はあまりの光景に素っ頓狂な声が出た。

 なんせ、魔法障壁でも使ったわけじゃないのに魔法が消えたのだ。


 そう、俺は敵の魔法を自分の魔力として吸収したのだ。

 これにはルースやリナの手伝いがあってようやく戦闘中にも実行できるぐらいまで上達したのだ。


 「それぐらいか…?」


 と俺は言って思いっきり地面を蹴ると、瞬時に敵の懐まで飛びこんで下から掌底を突き出すと、綺麗に鳩尾に決まってわずかに男が浮き上がる。

 そして瞬時にもう1人の男の近くに飛び込むと、回し蹴りを放つと、綺麗にコメカミにヒットして、壁のほうまで飛んでいって気絶した。


 俺は改めてさっきの男を見ると、顔が恐怖に染まっていた。


 「な、なんなんだ!?なにが欲しい?金か?女か?」


 俺はゆっくりと、男に近づく。

 それに合わせて怯えたように男を後退する。

 そして壁まで追い詰めた。


 「た、頼む!欲しいものならなんでも用意してやるから!」


 「生憎…俺は欲しいものは自分で手に入れる…誰かから貰おうなんて思っていないんでね」


 そして男に右ストレートのパンチを食らわすと、男はあっという間に気を失った。


 そして、俺は鎖に繋がれた人たちの下に戻り、鎖から開放してあげた。


 「あ、あの…ありがとうございます…」


 と捕まっていた人たちのなかで一番若い女性が感謝を告げてきた。

 そして、捕まっていた人たちが突然立ち上がると、麻袋に入っていた魔力結晶を取り出し、涙を流していた…。ある人は父さんとか恋人の名前を呼んでいた奴もいた。


 俺は、魔方陣に近寄ると、どんな感じかと見てみる。

 所々に分からない部分は存在するが、これなら何とかなにりそうだ…。

 魔方陣にも流れと言うものが存在するので、俺はそれを逆にしたものを地面に描いていく。


 「よし、これで準備完了…」


 俺は麻袋からいくつかの魔力結晶を魔方陣の中心置いて、俺は魔方陣に魔力を流す。すると、魔力結晶が一際まばゆく輝いたあと、そこには人が居た。


 「あれ…?俺達生きてる…」

 「私…捕まって…」


 と様々な感じで驚いている。

 そして、久々の肉親との再会に抱き合っている人たちまでいる。

 俺は麻袋にある魔力結晶をあるだけ、とりあえず元の人達に戻しておいた。


 その後、全ての人たちにお礼を述べられた後、俺はその人たちを町まで送り届けたあとあることに気づいた。

 (あ…これ、元に戻してない…)

 俺は手元にあるバロットさんと交換した魔力結晶を戻してないことに気づいた。

 俺は急いであの場所に戻ると、魔力結晶を魔方陣において元に戻るようにする。そして一際輝いた後、現れたのは銀髪の美少女だった。見た目からして俺と年齢的には大差ないだろう (身体的に)


 「…あっ、あれ…ここは…」


 「大丈夫?」


 と俺は声をかけると、少女は驚いた顔になる。


 「えっ…ごめんなさい!ごめんなさい!許してください…暗いとこはもう嫌なんです…孤独はもういやなんです…ごめんなさい!ごめんなさい!」


 「…俺には君になにがあったか知らないけど、大丈夫だよ。君を傷つける人はもういない…俺が守るよ、もう孤独にしない」


 と言って俺は少女にマントをかぶせて抱きしめてあげた。

 実はこの少女は服を着てなかったので精神衛生的に宜しくなかったので、かぶせてあげた。

 そして少女は一時泣いたあと、どうにか平常心を取り戻した。


 「あの…本当ですか?…それに…私の髪…怖くないんですか?」


 と少女の問いかけに少々びっくりする。

 確かに銀髪ってこの世界ではまだこの少女しか見たこと無いが、怖くは無いだろう。というか綺麗に輝いていてめっちゃ撫で撫でしたい。


 「君の髪が怖いわけないじゃないか…とっても綺麗だね」


 そして俺は少女の頭にポンと手を置くと、少女の顔は少しだけ赤くなる。

 このままではいけないと思い、俺は話を切り出す。


 「さてと、君の両親も心配しているだろうから、街に帰ろうか」


 と言うと、少女は暗い顔になる。


 「あの、私には…家族いないんです…」


 「え…じゃあ、教会とか孤児院かな…」


 教会や孤児院には身寄りの無い子供も引き取ってくれる場所がいる。


 「あ、あの!」


 と考え事している間に、少女から声がかかった。


 「私を…一緒に連れてってください!何でもします!」


 「え…?でも、危険だよ?」


 「それでも…お願いします!…私じゃ…やっぱりダメですよね…」


 と突然マイナス思考に入った少女に驚きつつも慰める。


 「えぇっと、ダメじゃないよ…」


 「本当ですか!?」


 「じゃ、じゃあ…大変だけど、諦めないって誓うなら…」


 と言うと、少女も真剣な顔して頷く。


 「誓います!」


 そして俺は新たな旅の同行者を得た。


 「よろしくね…そういえば君の名前は…?」


 「私に…名前はないです」


 という彼女の発言に驚きつつも、じゃあこの際名前をあげるか、と思い立って必死に考える。


 「じゃあ…君の名前は…シィリスだ。気に入らなかったら別にいいんだけど…」


 少女は顔をすこし赤くしながら俯いてシィリスと反芻している。

 そして顔を上げると、満面の笑みで


 「よろしくおねがいします!マスター!」


 そして俺の旅に新たな美少女が参加した。

 誤字脱字等ありましたらお願いします。


 アクセス10万こえて嬉しいけど…4月末まで10万文字…同じ10万でも、こうも印象が違うとは…が、がんばります(震え声)

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