9話 夢遊猫
前話補足
蜥蜴は探索者のヤクザ組織であって、猛虎伏草とは別の組織となります。西成は蜥蜴とのパイプ役なので、一緒に酷いことをすることもあります。
ここ三日ほど、鈴鹿は体術のスキルレベルを上げるために全力の状態を身体に慣れさせ、雷鳥を使って動きを再現する特訓をこなしていた。雷鳥の攻撃にも慣れはじめたが、体術のスキルレベルが上がることは無かった。
しかし、魔力を馬鹿みたいに消費する聖光衣の扱いにも慣れてきて、徐々に展開できる時間が伸びていた。
四日目の今日は特訓を行わず、次なるエリアボスとの戦闘を配信する予定だ。雷鳥の様に特訓に使えそうなエリアボスかもしれないし、実践を通してスキルが上がるかもしれないからだ。他のギルドの対策のためにもレベルを上げる予定もあったため、ちょうどよい。
準備を済ませ、スマカメを操作して配信を開始する。
「おはようございま~す。狂鬼です」
【わこー!】
【エリアボス!?】
【待ってましたー!】
この三日間は夜の野営の時に、キャンプ飯を作りながらの配信しかしていなかった。仮面を付けながらご飯を食べるのは面倒なのだが、そういう時はスマカメを操作してモンスターやエリアボス、周囲の景色を映して誤魔化している。
そんなダンジョン探索も行わない雑談配信だが、思いのほか視聴者はいるようでコメントは多かった。質問や相談、特訓の様子などを話しているだけだが、誰かと話しながら過ごすダンジョンの夜は時間が早く過ぎるため、鈴鹿も気に入っていた。
そして昨日の配信で、今日はエリアボスと戦う予定だと配信で告げていたのだ。だからこそ、開始と同時にコメントが溢れているのだろう。
「コメントの通り、今日は2層5区のエリアボスと戦います」
【おおお!! どんなエリアボスなんだろ!? 楽しみ!!】
【エリアボスをこんな頻度で倒す配信が見れるのは狂鬼チャンネルだけ!!みんな見てね!!】
【もう狂鬼さんはエリアボス見たの??】
「いや、見てないよ。みんなと一緒で初見チャレンジだね」
5区は広いため、特訓はいつも雷鳥の近くで行っていた。雷鳥以外のエリアボスと会敵しないためだ。下手に他のエリアボスと遭遇してしまえば思わずテンション上がってそのまま戦ってしまいそうなため、配信を意識しての取り組みである。
ダンチューバーを配信してまだ数回だが、基本的には4区5区のモンスターやエリアの紹介がメインの配信だ。それだけではそのうちネタも尽きて配信も辞めてしまいそうなため、確実に配信の枠となるエリアボス戦は毎回配信するつもりでいた。
鈴鹿はダンチューバーで食っていこうと考えていないので、趣味の範囲で無理なく配信するつもりだ。それでもこれだけ視聴者がいてくれるなら、楽しんでほしいとエリアボス戦は告知してみんなに見てもらう所存である。
【次のエリアボスどんなのだろうね】
【前狂鬼が背中に乗ろうとしてたでかい蜥蜴の強化版とか?】
【ミミズみたいな土に潜るモンスターもいたよな。あいつの巨大化とかだと、戦うの大変そう……】
【サボテンのモンスターもいたよね? あれがエリアボスなら手数多くてきつそうじゃない?】
【そこはほら。自己再生さんが働いてくれますから】
エリアボスはエリアに出現するモンスターの強化種が出現するパターンが多い。1層3区では蛇系の頂点として双毒大蛇が出現したようなものだ。一方で、水刃鼬のようにエリアのモンスターと関係のないエリアボスもいるので何とも言えないが。
「サボテンの棘とか防具に刺さって汚れたらクソうざそうだね。これ気に入ってるから汚れない敵がいいなぁ」
【ダンジョンのエリアボスと戦いに行く探索者のセリフとは到底思えないwww】
【狂鬼さんは一度2層3区の泥濘にまみれて戦う通過儀礼を通った方がいい】
【この前降臨してた茶々子たちも泥だらけになりながら毎回探索頑張ってるよ】
「絶対嫌。よかった2層5区が衛生的で」
【2層5区に泥沼のエリアもあったから、エリアボスで泥沼に潜むやつもいるかもよ】
視聴者と次のエリアボスについて予想し合ってると、毛色の違うコメントが読み上げられた。
【狂鬼さんまだエリアボスと戦ってないな!!??】
「うん。これから~」
【間に合ってよかったね】
【もうすぐじゃない?】
【今すぐエリアボスと戦うの止めろ!!いったん俺の話を聞いてくれ!!】
ん? どうしたのだろうか?
まだ午前中であり時間もたっぷりあるため、鈴鹿は歩みを止めてコメントの続きを待つ。
【俺は一級ギルドに所属してるんだが、狂鬼さんが2層5区のエリアボスを順繰りに回るって言うからどんなエリアボスがいるのかギルドの資料室で確認してみたんだよ】
「え、ネタバレは止めてね。怒るよ」
【モンスターの詳細を言うつもりはない。ただ、2層5区には初見殺しのエリアボスがいる。何も対策してないで挑めば次は本当に死ぬことになるぞ】
「初見殺し?」
狡妖猿猴のような存在だろうか。確かに毒の対策もせずに猿猴と戦えば、高確率で死ぬだろう。それを心配してくれているのかもしれない。
「毒なら状態異常耐性のスキルもあるし多分平気よ」
【違う。ギルドの資料にもそのエリアボスとの戦闘は禁止するって書いてあって、詳細はギルドの資料にも載っていなかった。ただ、毒であればそんな書き方はされないから相当ヤバいやつなんだよ】
「そう聞くとどんな奴か見てみたくなるんだけど……」
【だよな、あんたはそういう人だ。それでも止めた方がいい。狂鬼さんが着けている面は兎鬼鉄皮のドロップアイテムだろ?】
1層2区のエリアボスである兎鬼鉄皮からドロップした『兎の鬼面』を鈴鹿は配信時に装備している。身バレ防止のためだ。狂鬼という名前でやっている手前、鬼面は名前的にも合っていると思っている。
【兎鬼も初見殺しのエリアボスだ。特定のスキルが発現してないと1層2区の探索者のレベルじゃ倒すこともできない。そんな低レベルでスキルが揃ってる方が珍しいから、特級探索者になるような奴も発現しているスキルによっては避けるんだ】
【あ~あの序盤の無敵キャラで有名な奴ね】
【あいつだけ難易度おかしいよな。1層2区のエリアボスとは思えない】
「あ~、たしかに。兎鬼めっちゃ硬くて倒すのに苦労したわ」
エリアボス戦では大体死にかけている気がするが、兎鬼との戦闘は脱水症状や魔力切れで本当に死にそうになった。あの時は小鬼に荷物を盗まれて生まれて初めて怒りで脳みその血管が切れそうになったんだっけ。懐かしいな。
【だろ? 狂鬼さんも特殊なスキルが発現していたから挑んだはずだ。2層5区のエリアボスの1体がきっとその手のエリアボスなんだよ。他の4体は普通に強いだけだけど、そいつだけは絶対避けるべきだ】
「いや、それなら大丈夫じゃない?」
【は? だから、特殊なスキルや対策アイテムがないと兎鬼みたいに詰むんだって! 狂鬼さんはエリアボスに有効なスキルが何なのかもわかってないだろ?】
「わからんけど、兎鬼みたいな敵ならむしろスキルが発現するきっかけになっていいんじゃない? 兎鬼を倒すのに必須なスキルが何かは知らないけど、俺は兎鬼と戦って死にかけたときに魔力感知のスキルが発現して倒せたんだよね。きっとその初見殺しの敵も、俺が覚えてないスキルが必須だったら戦ってるうちに覚えるでしょ。ダンジョンってそういうものだと思うし」
【……は?】
疑問がいっぱいのコメントが流れてくる。配信していると鈴鹿と視聴者の間で認識の違いが起きて、度々こういったことが発生する。
【教えてくれ。狂鬼さんは兎鬼と戦った時、兎鬼に有効なスキルを覚えていたから戦ったんじゃないのか? 鎧通しとか怪力が発現してたんだよな?】
「違うよ。そもそも俺は探索者高校にもギルドにも入ってないから、エリアボスの情報なんて全然持ってなかったし。兎鬼についてだってなんかでっかい熊みたいな奴ってことしか知らなかったし」
探索しているときに遠くで兎鬼を見つけたことがあったくらいだ。エリアボスは熊かぁと思っていたら、兎だったからびっくりしたものだ。
【え、ごめん、ちょっと待って。兎鬼について何も調べずに戦ったのか? そうしたら攻撃だって全然通用しなかっただろ?】
「うん。何度も何度も攻撃してもダメージ与えてる手ごたえ無いし、こっちが魔力切れだったり脱水症状になるんじゃないかってくらい戦い続けたときに、スキルが発現して倒せたんだよね。ほら、スキルって求めたら発現するって言うじゃん?」
【いや、ほらって言われても……】
【ちょっと脳筋すぎじゃ……】
【やっぱ狂鬼さんは昔から狂鬼さんだったんだよ】
猿猴の時は死にながらでも抗い続けたから、スキルが成長して倒すことができたんだ。兎鬼の時も同じだ。もう無理だ、逃げよう。そういう弱い気持ちを黙殺し、全てのリソースを倒すことに注ぐことでダンジョンが応えるのだ。
意図してやっていた訳ではないが、鈴鹿が一般的な感性の持ち主でこれはダメだ引こうなんて思っていたら、きっとここまで強くはなれなかっただろう。そもそも一般的な感性を持っていたらソロでダンジョンに挑むことはしないのだろうが。
【すまない。俺が出した例が悪かった。2層5区の初見殺しは、何度も立ち向かえばスキルが発現するような能力じゃないんだ。それこそ毒のように、相手の技にかかったら最後死ぬしかない状況に追い込まれるんだよ】
【おいネタバレか?】
【違う。そもそもうちのギルドもそのエリアボスについては詳細を知らない。歴史のあるギルドなのにだ。ただ、挑めば死ぬ。だから挑むことが禁止されてるんだよ】
【狂鬼さんにそんなの通用するわけないだろ。雷鳥戦から見直してこい】
【ネット一級ギルド民はとっととシコって寝てろ】
「みんなせっかく教えてくれてるのにそんな責めるなよ。この人も別にネタバレにならないように話してくれてるじゃん。まぁノリで言ってるんだろうけど、悪ノリすぎ」
危ないところだった。コメントがひどかったから我に戻ったが、コメントが無ければ俺もネタバレか?お?と嫌みの一つでも言うところだった。
まぁ初見殺しでやられたら即死ってのは、不死の能力が露見する可能性もあるため確かに避けた方が良いのだろう。だが、それこそが一つのリスクとなりえるのではないだろうか。
殺されれば鈴鹿の切り札中の切り札が暴露されてしまう。そうならないために死力を尽くすのは、さぞリスクある行為だろう。
鈴鹿はにんまりする。最近は不死という特性に甘えすぎていると感じていたところだ。最終的に勝っても、それまでに何度も殺されていたり取り返しのつかない損傷を受けていたら、それは勝利と誇れるものだろうか。
今日はスキルレベル1のスキルをレベルアップしたいわけではない。スキルレベル9の体術をレベル10にしたいのだ。ならば、一度も重傷すら負わずに倒して見せなければ格好がつかない。
「コメントありがとう。でも変わらず挑むつもり。初見殺しなんて、初見で破ってみたいと思うのが男の性だろ?」
【その性は理解できないけど、狂鬼さんが決めたことならこれ以上は口を出さないよ。探索者自身が選んだ道に口出すわけにはいかないしな】
【すまんやで自称一級ギルドニキ】
【言い過ぎたんやでネット博識ニキ】
【こいつら何も反省してないだろ】
その後もコメントと初見殺しって何だろうねと話しながら探索を続けると、エリアボスがいそうな場所に辿り着いた。
天然の洞窟になっているそこは、まるで挑戦者を待ち受けるようにぽっかりと口が開いている。洞窟は閉塞感もなく、横幅も縦も10メートルくらいはあるだろう。うねった洞窟は当然暗く、ここで戦うとなると暗視のスキルが必須だろう。
「凄いね。なんか壁面に絵とか描いてあるよ。文明を感じるんだけど」
スマカメは暗視モードも備わっているため、光源が乏しくとも映すことができる。さすが100万円はするだけある。ダンジョンでこういった物は見たことが無かったため、鈴鹿は記録に残す様に壁面をしっかり撮影していく。
コメントはその異様な雰囲気にのまれたのか少なくなり、考察勢っぽい人やギルド所属っぽい人のコメントがここも詳しくなど鈴鹿に指示を出す。こういうのは資料として貴重だろうと、鈴鹿も指示されたところを詳しく撮影してゆく。
鈴鹿はこういったことに疎いためよくわからないが、人とか太陽とか月とか湖とか動物とか、そういった内容は認識できた。そんな洞窟も長くなく、少し進めば陽の光が見え出口が近いことを教えてくれる。
洞窟を抜ければ大きな空間があった。断崖絶壁に囲まれており、頭上には張り出している壁の隙間から陽の光が差し込んでいた。上空から見れば巨大な亀裂の落とし穴のように見えることだろう。
陽の光が入るからか植物もチラホラ自生しており、秘密基地っぽいワクワクする空間だ。ここにも壁面に絵が描いてあるが、こちらは紫外線で劣化したのか色あせている。それに造形物もチラホラ見え、人の手が加えられたような場所であった。
そして洞窟の出口から最も離れた場所に、祭壇があった。2メートルもないほどの高さの階段の先に、ここの主であろう一匹の獣が寝息を立てていた。
夢遊猫:レベル156
猫というにはいささか大きいが、このエリアボスも1層5区のエリアボスと比較すると随分小さい。ライオン程度のサイズはあるが、ガリガリの様にも見える細いシルエットがさらにエリアボスのサイズを小さく見させる。黒いがさついてそうな毛並みに、耳や尻尾などところどころに紫色の差し色が見て取れる。
「夢遊猫だって。レベルは156だからエリアボスだね」
【なんか気味悪い】
【場所の雰囲気も相まって不気味だな】
【さすがだよ狂鬼さん。ほんとあんたは持ってるよ】
鈴鹿が気配遮断を解けば、夢遊猫も反応する。大きなあくびに猫らしくノビをする姿は可愛らしいが、鈴鹿に向けられた顔はとても可愛い顔ではなかった。
生え揃った牙が見えるように人間らしくにんまりと嗤った顔は、動物っぽさのない薄気味悪いものだった。鈴鹿と同じように黄金の瞳が輝いており、供物がやってきたと喜んでいる様であった。
「さて、お前はどんな奴だろうね。強いと嬉しいな」
毒手を発動し、拳同士を打ち付ける。澄んだ金属の様な音を響かせ、鈴鹿は悠々と夢遊猫へと近づいてゆく。
「ニャァ~~~~」
夢遊猫が間延びしたような鳴き声をあげると、頭上におどろおどろしい仮面が出現した。四つの左右非対称に配置された目、乱杭歯の様に不揃いで脆そうな長い歯、靄の様に薄紫の煙が立ち上り、ぼたりぼたりと液体が滴り落ちているが夢遊猫に当たる前に空間に溶けるように消えている。
呪われた仮面。鈴鹿はそう思うと同時に、絶対触れたくないなと嫌悪感に襲われる。
「~~オンッ」
夢遊猫の鳴き声が終わったと同時に、仮面から魔力の揺らぎが感じられた。何かが来る。鈴鹿の高レベルな魔力感知が、仮面を起点に周囲に拡散される魔力波を感じ取ることができた。
これが炎や水なら拳で粉砕もできただろうが、魔力の波は実体を伴っておらず払いのける鈴鹿の拳を貫通し鈴鹿を通り抜けていった。
【何あの仮面……きもすぎ】
【可愛くない猫だな。弱そうなエリアボスじゃね】
【おい!!大丈夫か狂鬼さん!!】
魔力波に襲われた鈴鹿。しかし身体はいたって何も起きていない。何かの攻撃をされたのだろうが、異常は一切見られなかった。
「……? なんだお前。何したんだ?」
わからないことは聞きましょう。鈴鹿は夢遊猫に聞いてみると、夢遊猫も眉根を寄せるようにして首を傾げている。
「ナ~~~ゴッ!!」
再度鳴くと仮面から魔力波が放たれる。先ほどよりも込められた魔力が大きいことがわかるが、魔力波が鈴鹿を通り抜けても先ほどと同じように何も変化が感じられない。
夢遊猫と共に首を傾げる鈴鹿。どうやら夢遊猫の攻撃が鈴鹿に効いていないようだ。
「……あ~、なんかごめんな。お前の攻撃効かないみたい」
【え、攻撃されてたの?】
【あの仮面が何かしてるのか?】
【は? 効かない??】
夢遊猫も効果が無いことを察したのだろう。軽く一鳴きすると、夢遊猫が四体に分身した。尻尾や首周りだけモフモフの毛に覆われた猫や、虎柄の様な縞々の毛並みの猫、片手だけやたら肥大化した猫など夢遊猫と姿が違う猫が現れたが、共通して言えるのは全員可愛くないということだ。
「お前が初見殺しの敵か? その攻撃が効かなかったから、直接叩きに来るってか? かぁーっ、そんなんだから俺に効果が無いんだよ! 諦めんなよ!! 効果がでるまでやり続けてこそ成長するんだろうがッ!!」
ちょっと上手くいかないからすぐに別なことに手を出す。それは効率的なのかもしれないが、成長の阻害とも言える。少なくとも鈴鹿であればムキになって同じ手を使い続けるだろう。
搦め手を使うタイプのエリアボスなのだろうが、それでもエリアボスはエリアボス。四体が散開しながら鈴鹿に襲いかかる速度はさすがの速さで、手数の多さも相まって例え一級探索者であろうとも防ぎきるのは困難を極めるだろう。
「すぐ攻撃の手を変えてあの手この手で攻めてくる奴がよぉ!! 俺に勝てる訳ねぇだろうが三味線野郎!!!」
夢遊猫の攻撃は見事なものだった。しかし鈴鹿には届かない。特訓の成果か、同じエリアボスである雷鳥の攻撃を捌き続けている鈴鹿にとって、例え4体の見事な連携攻撃であろうとも鈴鹿を捉えることはできない。
攻撃特化かつ速度に優れる雷魔法の使い手である雷鳥の方が、圧倒的に攻撃の密度も速さも夢遊猫より上であった。
結果、夢遊猫はろくに鈴鹿に攻撃を入れられることもなく、鈴鹿の攻撃だけを一方的に受け続ける。途中雷鳥のように身体が数倍に膨れ上がって巨大化し、幻術の様な攻撃も織り交ぜてきたが、魔力感知によって実体があるかどうかは一目瞭然で、的が大きくなったと何発か強めに殴られれば、呆気なく巨大な煙へと姿を変えるのであった。
Tips:夢遊猫の攻略方法
対策装備が必須のエリアボスである。なお、対策装備が万全であれば2層5区で最も弱いエリアボスであり、討伐難易度は低い。
夢遊猫は精神干渉を行う魔法を行使するエリアボスである。対策が不完全の場合、初手で精神干渉を受けて確実に詰むため注意する事。また、精神干渉は範囲攻撃のためパーティメンバー全員の対策を準備しておく事。
精神干渉のため精神耐性のスキルが有効だが、精神干渉を行うモンスターは2層5区までには存在しないため精神耐性のスキルレベルが上がることは稀であり、精神耐性に頼って挑むのは危険である。
夢遊猫をスキルで対策する場合、聖魔法における聖域や浄化などの魔法が最も効果を発揮する。他には、状態異常耐性でも若干の抵抗が確認できているが、こちらも精神耐性同様スキルレベル上げが困難なため、低レベルの場合は考慮に入れないこと。
夢遊猫には特攻アイテムが存在するため、これを揃えて挑むことで攻略が可能である。夢遊猫が生息する洞穴の手前に位置するオアシスにて、夜間にのみ出現する夢猫からドロップする『悪夢の目醒め』を装備することで、夢遊猫の精神干渉を完全に防ぐことが可能になる。
この内容は夢遊猫に辿り着く前の洞窟にて図示されており、それに気づき引き返せるかどうかも重要な点であると言える。
精神干渉を防がれた夢遊猫は4匹に分裂し攻撃を仕掛けてくるため、囲まれないよう連携を崩す様に立ち回るのが良い。また、一定以上のダメージを受けると現実世界に干渉する幻術による攻撃が追加され、巨大化して力も増すため注意する事。




