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第53話 帰宅

【おしらせ】

連載中ローファンタジーの日間と週間で1位を取れました(*´꒳`*)

これもこの作品を読んでくれた皆様のおかげです。

本当にありがとうございます!



「満足した……」


「キュウ……」


「俺も食べすぎちゃったな。いやあ~本当においしかったよ」


 結局俺とリリスはさらにもう1枚ずつ追加して合計3枚ものクラウドワイバーンのステーキを食べた。ハリーも2枚のステーキを食べたし、身体の大きさの割合で考えると、ハリーが一番食べたみたいだな。


 真っ白なお腹をパンパンにして寝転がっているハリーも可愛いものだ。


「最初のステーキの味と全然違って本当においしかった。いろんな味があっていくらでも食べられる」


「最近のステーキ用のソースはいろんな味があるらしいね。俺も初めて知ったよ」


「キュ!」


 2枚目以降は塩コショウだけでなく、味を変えて食べてみた。


 バーベキュー、ガーリックソース、和風おろしなど、多様な味のソースが販売されていて、味変をするとナイフとフォークが止まらなくなってしまった。このクラウドワイバーンの肉は濃厚なステーキソースの味にまったく負けていなかったな。


「まだたくさんあるからね。家に戻ったら、いろんな料理を作ってみるよ」


 クラウドワイバーンの肉はまだかなりの量があるし、他のいろんな部位もある。家に戻ったらいろんな料理を作ってみたいところだ。


「これで唐揚げを作ってほしい!」


「リリスは唐揚げが好きだね。でも水分量の少ない肉には向かないらしいんだよね。唐揚げと同じ揚げ物のトンカツなんていいかもしれないな」


「トンカツ……どんな料理?」


「キュウ?」


「唐揚げみたいに熱した油に肉を浸すんだけれど、唐揚げとは違ってパンを削った分厚い衣を付けて揚げて、味を事前に付けるんじゃなくて、できあがったら中濃ソースっていう濃いソースを付けて食べるんだ。表面はサクッとして、中には衣で閉じ込められたアツアツの肉汁が飛び出してきて本当においしいんだよ」


「絶対に作って!」


「キュキュウ!」


「了解だよ」


 リリスとハリーが食い気味に詰め寄ってくる。それに料理の説明をしていたら、俺まで食べたくなってしまった。


 うん、豚じゃないからトンカツじゃなくてワイバーンカツか。どんな味がするのか楽しみだ。






 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「小屋が見えてきた」


「本当だ。ようやく帰って来られたなあ」


「キュキュウ!」


 今日は朝から移動をして、予定通り日が暮れる前に湖の小屋が見えてきた。


 帰りは魔力が大丈夫そうだからと、湖に到着した後もマウンテンバイクではなくそのまま飛行魔法で小屋まで移動してもらった。おかげで予定よりも早く帰ってくることができたようだ。


 行きのように巨大なワイバーンと遭遇するような大きいトラブルがなくて本当によかったよ。さすがにあんなのと何度も戦うのは勘弁だ……。


「リリス、本当にお疲れさま。おかげですごく楽しめたよ」


「キュウ、キュキュウ!」


「2人も楽しんでくれたようでよかった」


 無事帰って来られたのも、異世界の街で買い物を楽しむことができたのもリリスのおかげだ。本当に感謝しかないな。


 ……そして俺とハリーはこれからお風呂に入るのだが、リリスはこちらの世界へ来ることができないので、残念ながら入れない。少しだけ罪悪感はあるけれど、この4日間シャワーを浴びていなかったこともあって俺も限界だ。


 道中はリリスの水魔法で身体を拭くことはできたけれど、現代人は数日間シャワーを浴びないだけでも厳しいのである。




「ああ~やっぱりお風呂は気持ちがいいね」


「キュウ~キュウ♪」


 鏡を通って家に帰りお湯を張りつつ、片付けをして洗濯機を回し、晩ご飯の準備をしているとお風呂が沸いたのでハリーと一緒にお風呂へ入る。


 定位置である桶のミニお風呂でくつろいでいるハリーの様子を見ているだけで癒されるなあ。


 お湯に身体を沈めるという行為がこんな気持ちいいとは驚きである。


「いろいろと大変だったけれど、楽しかったな。向こうでしか手に入らない野菜もあったし、またリリスに頼んで連れていってもらおうな」


「キュウ!」


 街までの往復は大変だったけれど、その分こちらの世界ではできなかった体験ができてとても楽しかった。


 今度街へ行く時はトラブルがないよう祈るとしよう。




「……うん、やっぱり野菜はおいしいね。肉の方はまあまあおいしいかな」


「キュウ……」


「このタレの味はとてもおいしい」


 今日の晩ご飯はレジメルの街で購入してきたワイルドボアというイノシシ型の魔物の肉と野菜を焼き肉のタレで炒めたものだ。


 野菜はとてもおいしいので、タレの濃厚な甘辛い味にもまったく負けていない。焼き肉のタレは炒め物にも使えてとても便利である。ただ、肉の方もそこまで悪くはないんだけれど、やはり昨日のクラウドワイバーンの肉に比べてしまうと、味の違いがはっきりと分かってしまう。


 さすがに毎日クラウドワイバーンの肉を食べていたら飽きてしまうと思って今日は違う肉を使ってみたのだが、難しいところだな。2日に1食くらいのペースで食べるのが丁度いいくらいか。


 明日はゆっくりと休んで旅の疲れを癒しつつ、リリスとハリーからリクエストのあったカツを揚げてみるとするかな。


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