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24 【魔眼】VS【烈火】

「お前を、燃やし尽くす」


 ウェインガイルが燃えるような瞳で僕をにらみつけた。


 僕は油断なく身構えている。


 ――【吸収の魔眼】は、もう使えない。


 さっき【吸収の魔眼】を使った反動で、魂の定着率というものが危険なレベルまで低下している。


 これ以上の魔力を吸収すれば、僕の魂は『クレスト』の体から剥がれ落ちてしまうかもしれない。


 さらに【石化の魔眼】の効力もかなり落ちていた。


「なら――」


 残された【魔眼】を使うまでだ。


 まずは【呪怨の魔眼】。


 相手の精神を破壊する恐怖の幻覚を見せる力だ。


 僕はウェインガイルをまっすぐに見つめ、その力を発動させた。


「……なんだ、その目は」


 ウェインガイルは眉一つ動かさない。


「気味が悪いな」


 忌々しげにつぶやくものの、幻覚に苦しんでいる様子はない。


「効いていない……!」


 次は【毒殺の魔眼】だ。


 視線を合わせた相手の体内に、致死の猛毒を発生させる――はずだが、これも効果がなかった。


 ウェインガイルは平然と立っている。


「最初の【吸収】で魔力を吸い込みすぎたことが、【魔眼】全体に悪影響をあたえているのか……?」


 魔術師相手に遠距離攻撃手段である【魔眼】を使えないのは、正直言って痛い。


 けれど、ないものねだりをしても仕方がない。


【魔眼】による攻撃を諦め、僕は剣を手にジリジリと間合いを詰めていく。


 その気配を悟ったのか、ウェインガイルはニヤリと口の端を歪めた。


「どうした? 噂の【魔眼】で仕掛けてこないのか?」


 僕は無言でさらに距離を詰める。


「使わないのか? それとも使えないのか?」


 言いながら、ウェインガイルは周囲に数十の火球を生み出した。


 小さな火球が次々に襲い掛かってくる。


「……ちっ」


 僕はそれらを避け、あるいは剣で叩き落としていく。


「使えないのか? それとも俺の裏をかくために、あえて使わないのか? まあ、どちらでもいい」


 ウェインガイルが笑う。


「お前が超絶の剣士だということは知っている。なら、遠い間合いから一方的に焼き殺すだけだ」


 実際、接近戦に持ち込めば、僕が一瞬で勝つだろう。


 ウェインガイルはしょせん魔術師であって戦士や剣士ではない。


 ただ、それは奴も当然理解している。


 僕を近づけさせないため、威力よりも弾数重視で大量の火球を矢継ぎ早に撃ってくる。


 一発一発は致命傷を受けるほどの威力ではないが、かといって、食らえば無視できないダメージを負う。


「く……う……っ」


 結果、僕は火球への防御や回避に追われてウェインガイルには近づけない。


「このままじゃ、じわじわ押し込まれる――」


 何か手を打たなければならない。


 僕は【鑑定の魔眼】を発動した。


 本来は対象の能力を分析するだけの力だ。


 だけど、もしかしたら……この力で彼の攻撃を見切ることはできないだろうか。


 わずかな可能性に賭けてみたが、僕の目に映ったのは、ウェインガイルの能力やステータスを示す文字列だけだった。


「――駄目か」


 攻撃の軌道までは読み取れない。


 落胆した、そのときだった。


「むっ、その目は……」


 ウェインガイルが、僕の【魔眼】に何か気づいたような様子を見せた。


「……噂で聞いたことがあるぞ。ヴァールハイトの皇族が帝都から離れたこのレイガルドで、まるで隠れるように何かを研究していた、と」


 しばらく黙考したウェインガイルが、ハッと気づいたようにつぶやく。


「そうそう、『魂の移植』による不死の探求……だったか?」

「……!」


 その言葉に、僕は思わず動きを止めた。


 魂の移植――。


 それは、僕の身に起きた『転生』そのものだ。


「何をボーッとしている!」


 動きが止まった僕の隙を、ウェインガイルは見逃さなかった。


 無数の火炎弾が、ここぞとばかりに撃ち込まれる。


「しまっ――」


 避けきれず、強烈な爆風に巻き込まれて僕は吹き飛ばされた。


 すさまじい勢いで地面に叩きつけられ、息が詰まる。


「ぐっ……」


 痛みをこらえて立ち上がる僕。


「どうした? 【黒騎士】ともあろうものが、今のを避けられないとは――」


 ウェインガイルは今の話が僕を動揺させていると確信したのか、さらに言葉を続けた。


「話の続きだが――そこでは、多くの実験体が用意されたようだ。用済みとなった器や失敗作は『呪われている』とされ、この地の奥深くに『廃棄』されたというが……」

「実験体……」

「どうした? 今の話が何か気になるのか」


 ウェインガイルがほくそ笑む。


「あるいは――お前もこの実験にかかわっていたのか?」

「だ、黙れ……!」


 僕は叫んだ。


 内心の動揺が鎮まらない。


 もしかしたら僕は、あの研究施設で生まれた『実験体』の一人なのか……?




 ――どくんっ!




 と、そのときだった。


「う、ううううううううううっ……!?」


 目が、熱い。


 眼球が焼けるようだ。


 しゅんっ!

 しゅんっ!

 しゅんっ!


 同時に、周囲に浮かぶ火球を僕の【魔眼】が勝手に吸収を始めた。


「な、なんだ――!?」


 僕の意思とは関係なく、【魔眼】が暴走している――?

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敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


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