六月十二日:プロセス
コーヒーが気管に入ってむせたので初投稿です
日本の近代化を加速させるためのプロセス………。
それは労働者の権利を踏みにじるようなブラック企業の禁止と、農村部への助成金制度、そして最重要課題である災害対策と軍の統合化などが挙げられた。
まず労働者に関しては大正デモクラシーに共産革命に感化された労働者たちが団結してデモ活動などを行ったことがあるが、戦後に共産主義者によるテロ活動などが横行したことにより私は共産主義や共産革命などは支持しない。故に、そうした過激思想に染まるまえに労働者の生命の安全と適正な賃金の支払い、過剰労働の禁止を定めて労働者の権利を侵害していないか監視する第三者機関の設立を、これらのシステムに組み込む必要があると説明した。
「戦後の共産主義たちは戦前の政府が弾圧したこともあり、そうした弾圧を受けた活動家が過激派となり首都や地方で爆弾事件や発砲事件、大学や空港などを不法占拠したりとやりたい放題に暴れた時代がありました。そうなってしまう前に、働く者たちの権利を守る第三者機関の設立が急務であります。私の時代でもとある大企業の従業員が月にして130時間以上…一日にして5時間以上の残業を強制されて過労で心臓発作を起こして死なせた会社が複数以上報告されて相次いで問題になっておりました。ですが、そうした会社が社会でも大きな地位に占めてしまい、せいぜい裁判所が罰金刑のみで済ませるという事態が横行していました。この明治時代でもそうした罪なき人を踏みにじるような悪徳企業がいるという話を耳にしております」
「うむ………そうした企業への懲罰制度も厳しく行ったほうが良い………という事か?」
「ええ、それもありますが………なにより、そうした悪徳企業が地方での有力者であったりした場合、賄賂を贈って調査に来た監査官への買収や、関係者への口封じや労働時間の改ざんなどの隠蔽工作などを行う行為が横行するかもしれません。なので、第三者機関の設立を早期に実現するべきだと私は考えております」
第三者機関は現代で作られた労働基準監督署よりも権限などを強化し、違反などを行った会社への指導・監査は勿論だが、従業員や社員への身体的暴力や賃金を支払いを行わないなどを行った場合は司法省の法律によって刑事罰を与えるなどの厳罰化が必要なのだ。
そして、次に必要なのは農村部への助成金制度と災害対策だ。
「まず農村部、特に東北地方は周期的に不作に見舞われることが多いです。そうした状況になると農家………特に小作農を営んでいる人にとっては大打撃となります。お金がなくて生活に困窮し身売りを行う人もいるほどです。従来の助成金制度では大地主には助成金制度の恩恵が受けられますが、小作人の殆どは生活に困窮している人が多いです。そうした環境改善の為に助成金制度の導入は必要不可欠です。農業が安定化すれば東北地方の発展も進むでしょう。」
東北が発展すれば日本の基盤も整える事ができるはずだ。
東北よりも朝鮮半島や満洲国への投資が集中した結果、国内の農業や経済が行き詰まり、日本国民の海外移住が加速したという話を聞いたことがある。
満洲国やブラジル、アメリカへの開拓団などもそうした農業をやっていた人が一山あてようと移住していった人達が多かったという。
しかし、そうした人たちは第二次世界大戦時と終戦後に非常に苦労したという。
まず満洲国へ開拓団として移住していった人たちは、内地と比べても比較的安定した生活を送っていたが、終戦間際の8月9日にソ連軍が満洲国への侵攻を開始したことにより、戦火に巻き込まれて混乱の中両親や家族とはぐれてしまい、多くの日本人が命を落とした。
ブラジルやアメリカでは日本人や日系人の人々の涙ぐましい努力によって生活基盤が整いつつあった。
しかし、第二次世界大戦で日本が枢軸陣営として参戦すると、アメリカは日本人並びに日系人を脅威であるとし強制収容所に送ったのである。
ブラジルでもアメリカの政治的圧力によって日本人や日系人の強制移住が起こり、その人達の殆どは戦中から終戦後暫くの間は日本に関する情報が殆ど入ってこない状況であった。
彼らの大半はそうした辛い仕打ちを受けたのだ………話がそれているのでここまでにして、最重要課題である災害対策と軍の統合化についてもしっかり話すべきだろう。
いやまて、あと30分で陛下との謁見が終了する………それまでに災害対策だけでもしっかり話そう。
ちなみに飲んでいたコーヒーは微糖です




