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後半! 後半おかしいでしょ!?

 制服のお代は予算の方から支払われるそうで、僕は払わないで済んだ。それとファリアを助けたお礼として、今後服を都合してくれると言われた。でもさすがにそれは悪いからお断りした。


 それなら代わりにと、クリーニングを引き受けてもらえる事に。洗濯はどうしたって生地を傷めるから、専門家の彼女がやってくれるなら最小限で済む。労力も全然大した事無いと言ってくれるので、それでお願いした。


 早速頼むと、喜んで引き受けてくれる。手持ちの物全部洗ってもらっても、出来上がりは翌日との事。早くない?


 急がなくても構わないとは話したけど、特別負担になるわけでもないと言うのでお任せした。


「ちゃんとお似合いの物をお召しですね。安心致しました」


「安心て。どれも自分で見繕った物じゃないので、複雑です」


「ラン様がお選びになるなら、どのような物を?」


「上はシャツか何かゆったりした物で、下はズボンですね」


「やはり私が選ばせていただきますね」


 解せない。


 不服そうに見ると、わざわざ解説してくれた。


「ラン様はお身体の線が素敵でいらっしゃいます。それを隠すなんて大変勿体ない事でございます。華奢で庇護欲を掻き立てる肩、細くすぼまったくびれから広がる腰回りへの魅惑的な谷と山、鷲掴みにしたくなるような形良いお尻、撫で回して頬ずりしたい欲望を抱かせる腿からのおみ足……」


「後半! 後半おかしいでしょ!?」


「あら、失礼致しました」


 この姉妹、似た者同士なんじゃ……。


 身の危険を感じるんだけど、リーフは大丈夫だったんだろうか。


「ですから、仰せのようなお召し物はラン様の魅力を覆い隠して消してしまいます。特にこれから暖かい時期に入りますので、やはりお勧め出来ません」


 夏の季節になるんだっけ。炎狼の月って言ったかな?


 ……悪い予感しかしない。


「夏のお召し物は素敵な物を用意させていただきます。ああ、楽しみで待ち遠しくなりますね」


「何着せるつもりでしょうね……」


 にっこりと笑って何も言わない。不気味だって!







 さて、洗濯を頼んだ服は明日取りに来よう。今日のところは一旦隊舎に戻る。


 貴族地区へは昨日と同じく北門から入る。行けば顔パス……と言うより服で判断されたみたい。従士の制服だかららしい。


「スカートは初めて見ますがね」


 他にいないの!? 僕だけ!? 酷くない!?


「し、支給されたのがこれでして……」


「よくお似合いですよ」


 まあ、似合ってるならいいか。ズボンを頼んでも、きっとくれないし。


 でも今更だけど、ヒールの靴で戦うのはきつくない? レジーナさんはブーツだったのになあ。せめてブーツを……勝手に履き替えれば良いか。


 通りを歩いて領城の敷地を抜け、南側へ出て隊舎へ。何か、滅茶苦茶見られてる。新顔の従士だし、仕方ないか。


「戻りましたー」


 セシルさんの姿が見えたので挨拶。そしたらすごい勢いで来た。


「まあ! 何て可愛らしいの!? フレアのセンスはさすがね!」


 さいで。


 セシルさんはいたく気に入ったようで纏わり付いた上に抱き締めて来た。男性にそうされて喜ぶ趣味は無いけど、この筋肉はなかなか……。


 細くて引き締まった身体は鍛錬が行き届いているようで、僕の理想形に近い。実に羨ましい。ただ、触れ合うならもっと厚い方が好みかな。ゲイルとかバルディア様とか、最近だとアルベルト様とか。あの如何にも肉っていう質感が、心地良いだろうなと見てて思うわけさ。自分でなりたいのは、セシルさんとかホークさんみたいな細身の方。


『筋肉の事となると、お主は案外饒舌よな』


 格好良いじゃない。だから、欲しかったのよ……。


『体質的に付かないと言うておったか。ま、我はお主そのままで良いと思うがな。ヒルダも気に入っておったろうに』


 ヒルダ様はねえ。多分色恋の類いじゃないよ? 可愛いと思うものを愛でてるのと、後は……性欲? そういう感じするもの。


 だから応えようとは思えないんだけど。


『お主は真面目だからの』


 この年ともなると、拗らせてるだけな気がする。まあ、いいんだ。長く生きるんだからさ。いつか誰かと出会うでしょ。


『その時には我も混ざるとしようか』


 何に!? ナニに!? ハードル高っ!


『楽しみだのう。くっくっく……』


 ところで、セシルさんはいつまでこうしてるつもりなんだろ……。


「あの、お仕事大丈夫ですか?」


「もう少し、もう少しランちゃんの成分を頂戴!」


 成分。


 明らかに誰かがそういう言葉の使い方教えてるよね? 誰だ。


 匂いとか大丈夫かな。臭くはないよね?


 セシルさんは男性らしからぬ匂いがするなあ。香水? お花みたいな良い匂い。僕もこういうの、身嗜みの一環として使った方が良いかな。


『気にする必要など無いと思うが。手に入れるのなら、我が選んでやろう。その方が、お主に合う香りを選べるであろう』


 そうかもね。その時はお願いしようかな。


「ところでランちゃん。物書きや計算は得意かしら?」


「人並みには出来ますけど」


「放浪者の人並みは、こちらの人並みと違うのよね。これは期待出来そうだわ」


 あ、これ手伝わされる奴だ。




 案の定そのまま連れ去られて、予算やら人員やら諸々の事務仕事を手伝う羽目に。従士隊の運営に関わる事だけど、こういった仕事にも報酬が支払われるとの事だからまあ、特に問題は無いかな。


 せっかくの日曜の初日を潰す事になっちゃって、それだけは残念だった。


 尚、報酬は銀貨一枚。わりと良い稼ぎかもしれない。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  名前 ラン

  種族 ハーフエルフ

  性別 男性

  階級  三


  筋力  六

  敏捷 一四

  魔力 一八


 魔導器 属性剣

  魔術 魔力操作   魔力感覚


  技術 看破     軽業

     跳躍


  恩寵 旧神ナルラファリア


  ID 〇二六〇〇〇〇〇〇一

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