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魔力とエーテルについて教えておこう

 大広間がちょうど良かったので、持久力の回復を待ってから跳躍の使い心地を確かめるべく動き回ってみた。思った通り、この技術は接近と離脱に使える。高く跳んだ後の着地の時も衝撃を軽減してくれるし、結構良い技術だ。


 垂直跳びで僕は精々六十センチ程のはずなんだけど、今試してみたら一メートル近く跳べてた。強化幅は五割前後?


 それからまたしばらく休み、魔力が全快したところで今度は魔力感覚。もちろん魔力三点を込めて発動させた。


 すると自分の中にある何かや剣が……何て言ったら良いか。端的に言えば、感じられるようになった。五感のどれとも違う感覚だけど、何かがあるってわかる。例えば魔力操作で剣を自分の後方へずっと離れるように動かすと、その動きが正確にわかるんだ。移動する速度も位置も形も把握出来る。ついでに僕の中の何かと剣が同種のものである事も。


 これが、魔力の感覚ってわけだね。慣れるまで少しかかるかも……。


 把握出来る範囲は、調べてみればおよそ半径四十メートル。これ、多分自分のだけじゃなくて他人のも感知出来るよね。良い魔術を覚えられたなあ。


『ほう、これはなかなか……。我にもよくわかるぞ』


 ほほー、それは僥倖。索敵が捗るね。


『……ふむ、これならばお主に聞かせておいた方が良いやもしれぬな』


 ん? 何の話?


『魔力とエーテルについて教えておこう。この知識は必ずや、お主の身を助ける』


 魔力とエーテル? 魔力は魔導器や魔術を使うのに必要な力で、エーテルは創造のエネルギーだよね? 何か関係が?


『魔力は魂から生み出される。それは薄々勘付いていたとは思う』


「そう言えばさっき魂が再生して強くなり、その結果として魔力が増加したと聞きましたね。関わりがあったわけですか」


 そこまで深くは考えてなかったね。


『……まあ良い。では肝心の部分を話そう。魂とは、エーテルを生み出すものだ』


「え? という事は、魔力はエーテル?」


『全く同じではない。魔力とはエーテルに個々の権限を付与したものよ。他者が容易には扱えぬよう、生み出した本人にのみ使えるよう権限が定められている。二つの違いは、その一点のみ』


 悪用を避けるため、とかかな。それが無かったら、権力者は他者をエネルギー資源と見做して消費するだろうから。


 そうなったらまさにディストピアだよね。


『全ての生命には魂が宿る。生命は魂から魔力を生み出し、扱い、物を創造する。そうして世界をエーテルで満たし、満ちたエーテルがまた世界をより良く創造してゆく。これもまた、この世界の理だ』


「まるでエーテルが世界を満たしてるみたいですね」


『うむ。弱く、薄くだがな。天に浮かぶ光の領域、人族がソールと呼ぶそこからもエーテルは世界にもたらされている。そしてエーテルを運ぶのは風だ。エーテルの濃い場所から薄い場所へと流れ、世界を維持しておる。……今も変わりが無ければ、だがな』


 外に出られてないからね。わかんないよね。


『うむ、そういう事だ。大丈夫だろうとは、思うておるがのう。我らがここにこうして存在しているのだからな』


「ゲイルも西のトリシアにいるって言ってましたしね」


『お主の友人だな? それならば確信を持てるの』


 ともあれ、エーテルだよ。


 世界を満たしてるなら、その辺にも当然……なんて思った瞬間だ。周辺に何かの存在を感じるようになった。薄いけれど、この大広間中を満たしている。それだけじゃなくて床や天井、壁などからも感じられる。土塊となって崩れたゴーレムの残骸からもだ。


 周りのありとあらゆるものが存在を主張していて、一息に気付かされた。圧迫感は薄いものの確かにあって、まだ慣れない感覚がじりじりと意識を蝕むように感じられた。


「これがエーテルですか……」


 何故いきなり、とは思ったけど。今聞いた話でエーテルを知ったからだよね。認識したから、魔力感覚が捉え始めたんだ。


 何て素敵な情報だろう。これなら確かに、僕の身を助けてくれる。


『やはり、エーテルをも扱うか。お主はまさに我の運命よ。くくく……』


 さ、左様ですか……。


 運命て。……後が怖あい!







 生命力も半分の三点が回復し、四点になった。少ない……。やっぱり、攻撃に当たったら駄目だね僕は。


 でもそろそろログアウトのお時間。結局大広間から移動出来なかったなあ。のんびり進行でやるから良いけどさ。


 壁を壊してブーレイと戦って休憩したら八時間過ぎてた。休憩が長くってね。自動回復が本当に遅いから、半分以上ここでこうして休んでたよ。これならログアウトしちゃっても良かったかもしれない。


 まあ、試す事試せたしいいや。


 そんなわけで大広間の隅へ移動して、潜むようにログアウト。




 ベッドに起き上がると、早速ファリアが飛び出す。そして押し倒された。さらに唇を奪われる。


 ああもう、これで二回目? もう良いけどさ。


 ……あれ? ゲームの外ではまだじゃない? って事は、正真正銘の……初めて……!


 えー……そんないきなり、奪うの……?


 せめて、せめて好きな人と……いやいないけど! 恋愛して、したかったよおおおお!


 どう責任を取っ……なんて言ったら、結果は見えてるね! うん、言わない!


 ああもう、好きにして……。







 放心してたら貞操の危機を迎えてました。死守! そこまではあげないから!


「惜しいのう」


「もう……勘弁して……」


 めくるめく組んず解れつに、危うく飲み込まれるところだったよ……。


 この神様、本当にどスケベだね。今もまだ絡み付いてて離れようとしないし。


「…………えっち」


「ぐはっ」


 何悶えてんのさ。


「さっ、殺傷力が強過ぎるぞお主……」


 殺傷力。


 どういう事よ。




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  名前 ラン

  種族 ハーフエルフ

  性別 男性

  階級  三


  筋力  六

  敏捷 一四

  魔力 一八


 魔導器 属性剣

  魔術 魔力操作   魔力感覚


  技術 看破     軽業

     跳躍


  恩寵 旧神ナルラファリア


  ID 〇二六〇〇〇〇〇〇一

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