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クリソプレーズの瞳 ~ルービンシュタイン公爵夫人は懺悔して夫と娘を愛したい!  作者: 星野 満
第5章 エリザベス罠にはまる

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150. エドワード屋敷に帰る!

※2025/6/15 修正済み

※ ※ ※ ※




北の辺境地、セレス領のカルセドニー市からクィーンズ地区まで、馬車で10時間はかかる。

早馬なら6,7時間ぐらいだろうか。


伝書鳩の緊急の知らせを読んだエリザベスの兄のカール、並びに夫のエドワードは急ぎクィーンズ市へ戻る準備ををした。

エドワードは直ちに公爵領本邸ホームハウスへも伝書鳩で『シキユウカエル』と電報をカールに頼んだ。


幸いにしてカルセドニー市近辺の水害被害者支援は、部下に引き継げる迄にだいぶ落ち着いていた。

エドワードの護衛騎士団やカールの部下、王宮騎士団たちも、エリザベス夫人の事件の拘束に一同驚きを隠せなかった。


その夜、カールがエドワードと今後の対策について執務室で相談していた。


『一昨日、私の母親からも、マーガレット王太子妃の懐妊の知らせで、本人とあったそうです。その時のマリーの様子がとてもおかしいとありました。異常に痩せて子供を産む容体ではないと、母から嘆いた手紙をもらったばかりだったんです。そして母がリズに相談しに行ったところ「妹のことは自分がなんとかするから、お母様は心配するな」と云われたとか……』


カールがエドワードに、母のセーラからの手紙の内容を教えた。


『ふむ、それがなぜエリザベスが青い城まで行って、王太子妃に毒を盛ったことになる。なにか滋養のある薬でも飲ませたならわかるが、毒とは……余りにも解せぬ』


『全くです、何がどうなってこんな恐ろしいことになったのやら……』

『仮にエリザベスが、王太子妃に出産を止めるよう会いにいったとしても、毒服など考えられん、またどうしてエリザベスが毒を盛ったとわかるのだ。誰か見ていた者でもいるのだろうか?』


『確かにそうですよね。妹が直接、姉に毒を盛られたと告げたのか、若しくは王太子妃の部屋を誰かが監視していたとかでしょうか?』


『監視?──ふむ、確かに王宮殿ならありうるかもしれんが……』

エドワードは、腕組みをして考え込む。



そういえば、王宮殿には覗き部屋があると昔、ロバート王太子から聞いた事があったな。


『兄の私がいうのもなんですが、2人はマリーが王太子妃になり、たしかに険悪の時期はありましたが、最近ではお茶会に招待して良好だったはず。まったく腑に落ちません』


『自分も同意だ。最近のエリザベスは良く王太子妃の茶会に招待されていた。帰宅後はとても楽しそうに見えた、やはり解せぬな』


カールとエドワードは、頭を抱え込んで途方に暮れた。


いくら協議し合っても、エリザベスが毒殺未遂を犯した動機が全く分からずじまいであった。

その夜、二人ははもう遅いので早朝、馬に騎乗して出発しようと決めて床につくことにした。


だが、エドワードは(しば)しベッドに入っても、なかなか寝付けられなかった。


エドワードは思考をもう一度整理してみた。


──エリザベスがマーガレット様を毒殺しようとしたとする


一体何の為に、何を目的で王太子妃を、妹を殺める意味がある?


いや絶対にありえないだろう──。

どう考えても、妻が自分の妹の王太子妃を殺害する道理が浮かばない。


あるとすれば、エリザベスはなんらかの事情で、何者かに罠に()められたとエドワードは判断した。


あのエリザベスが護送されたなんて信じたくない。


リズ、待っていろ、俺が必ず君を助けてみせる!


いつしかエドワードはそのまま深い眠りについた。






夜が明けて、エドワードはカールと共に馬に騎乗してカルセドニー市を後にした。


途中、白馬の愛馬ルイの休憩の為に、一時だけ休んだものの、後は食事もそこそこに、一刻も早くクィーンズ地区へと駆け抜けていった。


ようやくクイーンズ市街まで辿り着くと来ると、2人は一旦別れた。

カールは王宮騎士団のいる青い城へ。

エドワードは公爵領本邸ホームハウスへ直行した。


エドワードが屋敷へ着いたのは正午過ぎだった。





公爵領本邸ホームハウス 屋敷内のエントランス。


『戻ったぞ、アレク──』


足早にエントランスに入ってきて、すぐにマントを脱ぐエドワード。


『お帰りなさいませ、旦那様』

『ああ、電報は届いたか──?』

『はい、早朝受け取りました』


アレクはマントをエドワードから受け取る。



『その後、エリザベスはどうなった? カール子爵宛への手紙では、王都に護送されるとあったがそれは誠か?』


『はい、昨日、王宮治安部の書状が届いたばかりです』 

とエドワードに書状を見せる。


エドワードは書状を受け取り内容を確認した。


エリザベスが先日取り調べを受けた、犯行現場の古城での状況並びに物的証拠が判明。

王太子妃暗殺未遂で、王都に護送後、王宮治安部が本格的にエリザベスを拘束して取り調べをするとあった。


『馬鹿な、これは何かの間違いに決まっている!』

エドワードは顔を歪めて、クシャッと書状を潰すように握りしめた。


『アレク、国王と王太子妃に連絡の手配はしたのか?』


『はい、緊急を要すると私は判断致しました。勝手な一存でしたが、青い城へ旦那様不在の緊急要請を旦那様の特権である王族申請を国王様と王太子妃様へ依頼しました──そして返答は王太子妃様は、姉のエリザベス様の拘束の理由を聞いて、ショックの余り寝込んでしまって依頼は不可になりました。王太子妃様は、未だに体調が回復せずに王都へ帰省できないとのこと──また国王からの回答ですが、今回の事案は「余りにも真に腑に落ちない案件だが、何分にも証拠がある以上、現時点では王宮治安部からエリザベス様の拘束の解除要請は否決された」との国王からのご通達です』


『なんと──国王の申請すら通らないとは、それほど王宮治安部の権限は強いのか!』


エドワードは愕然とした。


『それから旦那様、奥様から旦那様宛にお手紙を預かっております』


『エリザベスが私に……?』


『はい、拘束される前夜に(したため)めていたようです。もしかしたら奥様は、王宮治安部に拘束されるのを予想してたのではないかと、侍女のサマンサが申してました』


アレクは神妙な顔をしてエドワードに手紙を渡す。


『エリザベスが私に手紙を……』


エドワードは手紙を受け取り、封を開ける。


手紙を読み進めていくエドワード。


その表情はみるみるうちに変わっていった。




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