表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

『見逃した悪意は、必ず戻ってくる』(ブラック・まなパ)

作者: ブラック・まなパ
掲載日:2026/02/15

みなさま、こんばんは……ブラック・まなパです。

(★ω★)<仕事で削られた今日に、”とある方ヘのテーマで”優しい物語は浮かびませんでした。


なので、優しくない話(若いときの実体験をちょっと交えて)を書いてみます。


誰かを救う物語ではありません。

おそらく読後感もよくないでしょう。

救済も、光もなく──真っ黒です。


ただひとつ、私が信じていることは、『見逃した悪意は、消えたりしない』のです。


──この物語は、”その帰り道”を書いたものです。


──四月の朝、電車はすでに混んでいた。


私は吊り革を握りながら、スマートフォンの画面を眺めていた。


目の端で、女子高生がひとり、男に囲まれているのが見えた。


囲む、というほどでもない。


ただ──距離が近い。


揺れる電車の中、肩が触れても、男は退かない。


少女は小さく身を引いた。


気のせいかもしれない。


私はそう思った。


──いや、そう思うことにした。


電車は揺れる。


誰も何も言わない。


男は笑っている。


少女は俯いたまま。


──次の駅で私は降りた。


背中に、何かが刺さるような感覚があったが、振り返らなかった。


その日の夜。


会社のグループチャットに動画が流れてきた。


『これやばくない?』


そんな言葉が付いた動画。


開いた瞬間、心臓が止まった。


朝の電車。


あの少女。


あの男。


盗撮のような角度で、少女の身体をなぞる視線。


周囲の沈黙。


そして――私が映っていた。


真正面に。


はっきりと。


無表情でスマホを見ている自分の顔が。


「周りの大人もグルなんじゃね?」

「これだから日本は」

「助けないとか終わってる」


コメント欄は炎上していた。


動画は拡散され、切り抜かれ、私の顔だけが拡大された。


まとめサイトに転載され、SNSで晒され──翌朝には会社にも連絡が入った。


「これは、──君だよね?」


上司が私に問う。


否定はできなかった。


私は何もしていない。


──あの日、少女は駅員に保護されたらしい。


男は警察に連れていかれた。


けれど私は。


私はただ、見ていただけだ。


見て、判断しなかった。


動かなかった。


声をかけなかった。


(関わりたくなかった)


それだけだ。


上司は言った。


「会社としては、倫理的に問題視せざるを得ない」


──私は異動になった。


事実上の左遷。


事態を知った母から電話が来た。


『あんた、どうして助けなかったの?』


答えられなかった。


震える手で携帯の電源を切った。


夜、布団の中で思う。


あの時、ほんの一言。


「大丈夫ですか?」


それだけで、未来は変わったのだろうか。


──いや、変わったはずだ。


少女の人生も。


男の運命も。


そして、私の今日も。


見逃した悪意は、誰かの人生を壊すだけではない。


巡り巡って、自分のもとへ戻ってくる。


それは罰というより、”因果の回収”だ。


──電車の揺れが、今も体に残っている。


(次に同じ光景を見たら、私は――)


その問いだけが、眠れない夜に何度も襲ってくる。


……時に人は、悪人よりも傍観者に厳しい。


声を上げなかった日。

笑って流した瞬間。

関わりたくないと思った一秒。


それらは小さく見えて、消して消え去ったりしない。

この話に救いが無いのは、現実にも起こり得ることだと想うから──?


ひとつの悪意は、毒のように、広がっていくのかも知れません。


疲れた日に、ブラック・まなパが書いた、ひどい物語でした。


読んでくださって、ありがとうございました。m(__)m<今日は早く寝ますw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ぉぅ…主人公男性でした(完全見落とし とはいえ集団にひとりで向かうのは危険なので,主人公が責められるのは納得いかない(´・ω・`)
現代のリアル… でも「どうして助けなかったの」は残酷すぎますね 男の集団に女性ひとりでなにができるのかな 「声をあげれば周囲が協力してくれる」は幻想です(経験則 撮影,拡散者の悪意はどこへ? と考え…
これ、上司があかんヤツ(;´ᯅ`) 電車にいても他者の動きなんて見ないよ、気にしないよ、声掛けたらこっちが変質者扱いされるから。 そもそも、異常に気付いて動画撮ったやつが動けばいい話じゃんね。 上司は…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ