冒険者ギルド登録
2話目です。
街に着いた俺達はサリアの借りた部屋があるアパートに向かったのだが‥‥
「ここか?」
「はい、ここです。ここの1階の端っこの方の部屋が今の我が家です」
「ボロくね?」
「うぅ‥‥生活費は家族がくれたのですが、ギリギリで‥‥この部屋を借りる程度のお金しかないので、冒険者となって地道に生活費を稼いでます‥‥魔物が倒せないので薬草採取などの簡単な仕事をやって、ご飯も少し削りながら何とか生活してます。で、でも住み始める前は不安でしたが、住んでみると案外悪く無いですよ?」
おおう‥‥サリアの生活が予想以上にやばい。俺がある程度稼がないとこの子はやばい。
「よし、冒険者ギルドがあるなら問題無い。俺はそれなりに強いからな、魔物と戦って稼ぐぞ」
「だ、大丈夫ですか‥‥?でも、私が世話をするって話だったのに‥?」
「いや、流石にさ?今の状況を見て、君にただ養われる訳にはいかんでしょ。とりあえず俺がある程度稼いだらサリアも魔物と戦えるようにするからな~」
「えっと‥‥ありがとうございます?」
「んじゃ、ギルドの場所を教えてくれるか?」
「分かりました。私も行くので一緒に来てください」
冒険者ギルドはサリアの家からかなり近くにあり、予想以上に大きかった。高さ的には2階までしかない感じだけどかなり広い。
「ギルドあそこから近いしでかくね?」
「近いし大きいですよ?さっき前通った時に気がつかなかったんですか?」
「いや、この近くに武装してる人多いけどなんだろうなぁ‥‥って思ってたわ」
「‥‥‥」
「サリアさん?無言はヤメテ」
「ギルドについて知ってて何で、武装してる人が多い所の近くにギルドがあるって考えなかったんですか?」
やっば、なんも考えてなかった。
「あはは‥‥」
「‥‥‥」
「本当に魔物と戦えるのか?こいつって目で見るのやめよ?ね?大丈夫だから」
「本当に魔物と戦えるんですか?」
「あはは‥‥信用ねぇなぁ‥‥」
「それはそうですよ!貴方とあってから一刻しか経ってないんですよ!」
一刻‥‥確か大体2時間程度だっけ?ま、そりゃ信用出来ないのは当たり前か‥‥大分砕けた態度になってきたからもっと時間経ってる感じしてたわ。
「そうだな。んじゃ、俺もギルドに登録してから持ってる魔石を売り払うか。売れるよね?」
「魔石は売れますが、魔物の素材の方が高くなるらしいですよ。売ってる人を見かける事があるので少しは分かりますよ」
「んー‥‥そうなのか。使わない素材なら売っても良いと思うけど、どれくらいの強さの魔物素材を渡せば良いのか‥‥」
それなりに強い魔物の素材は使い道が多いけど‥‥ストレージの中にそれなりにあるから1つ2つくらいは良いと思うけど目立ちすぎるのは微妙だね。
「何を悩んでるのかは知りませんが、とりあえず入りますよ」
「んー‥‥そうだな。とりあえず登録してから考えるか」
俺達は冒険者ギルドの中に入った。テンプレイベントは起こるかな?起きない方がいいな~面倒だから。
中はとても綺麗でホテルみたい雰囲気がある。本当に冒険者ギルド?って感じだ。しかし、中に居る受付の人以外は武装してるのでそこが冒険者ギルドっぽいかな?って感じだ。
「エナさん。こんにちは~」
サリアは慣れた感じで知り合いらしい受付の人に声を掛けていた。
「あら、サリアちゃん。いらっしゃい。今日はどうしたの?学校は?」
「やる事が無くなっちゃったので帰ってきちゃいました」
「大丈夫なの?」
「はい。実技も今日は無かったので!」
「そう、良かったわ。それで?そちらの方は?彼氏かしら?」
「そう見えます?」
「いえ、ぜんぜん」
「ならなんで言ったんですか‥‥?」
「サリアちゃんの焦ってるかわいい姿が見れるかと思ったのよ?失敗したけど」
なんかめっちゃフレンドリーに話してる‥‥サリアはこの人に気に入られてるんだな‥‥
「予想出来てたので!」
「残念」
「あ、紹介しますね。最近、知り合ったアオイさんです。冒険者になりたいそうなので連れてきました」
「それは嬉しいわね。冒険者になりたい人は最近あんまり居ないから‥‥」
「アオイです。よろしく~」
「よろしくね。アオイくん。冒険者になりたいのよね?登録料金は銀貨1枚よ」
「なるほど‥‥すみません、お金は今持ってないのでここで魔石を買い取って貰ったお金で登録したいんですが」
「なるほど。大丈夫よ。たまに居るのよね~お金を持ってないから薬草や魔物素材を持ってきて換金してから登録する人がね?ちなみにサリアちゃんは沢山の薬草を待ってきのよね~」
「う、思い出させないでください‥‥」
「ちなみに持ってきたのはどんな魔石かしら?」
恐らくここでストレージから素材を取り出したら目立つから魔石を少しだけ持ってきた風に装う。
「はい。これなんですが‥‥」
そういって俺はキラーラビットの魔石とファットバードの魔石を渡す。〈鑑定〉によるとこの2つで銀貨2枚程度の金額になるらしい。
「この2つね?ちょっと待ってて。確認するから」
そう言ってエナさんはモノクルをカウンターのしたから出してきた。〈鑑定〉の付与されている魔道具だろう。
「よろしくお願いします」
結果はすぐに出た。
「うん、キラーラビットとファットバードの魔石ね。キラーラビットはあまり珍しくないから銅貨5枚でファットバードはちょっとレアだから銀貨1枚と銅貨5枚の合計だから銀貨2枚ね。ここから登録代金の銀貨1枚を引いて銀貨1枚のお渡しね」
「ありがとうございます」
「じゃあ、登録代を受け取ったから登録に移らせて貰うわね?冒険者のランク制度は知ってるかしら?」
「いえ、知らないです」
作品によってバラバラだし知ったかぶりを発揮して間違えると恥ずかしい。
「冒険者のランクはGから始まってF、E、D、C、B、A、S、Lになってるわ」
「Sの上がLって‥‥SSとかじゃないんですか?」
「冒険者ギルドに伝わってる話だと創設者がこのランクを決めたと言われてるわ。なんでも、SSとかテンプレ過ぎて面白くないからとかなんとか‥‥テンプレが何かは分からないけど、それが理由でSの上がLになったらしいの」
SSはテンプレで面白くないって‥‥昔にもこの世界に来た人が居るのは予想してたが‥‥ギルド創設に関わっているとは‥‥ん?異世界人が最高ランクをLって決めたって事はLは伝説という意味のLEGENDって事か‥‥まあ、うん。なんとなくカッコいいよね語感が。Lランクって。
「なるほど。ありがとうございます」
「次にスキルを教えられる範囲で教えてくれるかしら?戦闘能力があるかの確認になるわね」
「〈剣技〉と〈水魔法〉と〈魔法剣〉です」
「上位スキルの〈剣技〉と〈魔法剣〉なんて相性の良いスキルを手に入れられるなんて運が良いのね。〈水魔法〉も便利だし‥‥うん、将来有望ね」
「ありがとうございます」
まあ、この程度にして教えておこう。
「最後に。この冒険者カードに魔力を流してくれるかしら?それで登録完了よ」
俺は言われた通りに魔力を流すとカードが軽く光った。すると、俺の名前とランクGと書いてあるカードが出てきた。
「そういえば‥‥このカードの材質は何ですか?」
「不明よ。機能の詳細も不明なの。依頼をこなしてランクが上がるとカードのランク表示が変わるんだけどね?何故そんな事が出来るのかは良く分からないからそんな感じのものだと思ってね」
それで良いのかとは思うが‥‥その謎技術によって冒険者ギルドという施設が成り立ってるんだな。まあ、やろうと思えば解析出来るけどやる気はない。その技術は今のところ覚える必要は無いからな。
「なるほど。ありがとうございます」
「はい。これで今日から貴方も冒険者よ。是非、頑張ってランクを上げてね?」
「あはは‥‥ある程度は頑張ります」
「ちなみに、依頼書はランクに合わせた依頼ボードが2階にあるから確認してみてね?」
「あー‥‥今日は登録だけにしておいてもう帰ります」
「では、またお越しください」
「よし、と。登録終わるまで待っててくれてありがとなサリア」
「一応、冒険者の先輩ですからね!それくらいは待ちますよ~」
「んじゃ、出るか」
「はい」
俺達は用事が終了したのでギルドを出た。
そろそろUSOの続き書かなきゃなぁ‥‥




