月光世界(影) 3
名前、レヴィ
年齢不詳(容姿は二十代前半)
髪色、シアン
髪型、胸元辺りまでのストレートロング
瞳の色、シアン
奥二重
身長160cm体重48kg
虹色の光を放っていた古めの建物へと逃げ込んできた超絶可愛い美少女の姿を借りた超頭の良いアタシ、マノ・ランブルグとレヴィさんは、その建物のリビングで食料を探していた。
「えっと〜……」
ガサゴソと木箱の中身を漁る。
「あ、あった! ありましたよ、レヴィさん!」
木箱からパンや果物を取り出して見せる。
「うん。 じゃあ、これからの事も腹拵えしちゃおっか」
「はい! ジュるり……」
「ふふっ…ヨダレ、出ちゃってるよ?」
「はっ!? ッッッ〜〜!!!」
レヴィさんからの指摘で急いで口元を拭う。
「でも、不思議です」
「不思議?」
「はい。
最初、この木箱に手を入れた時には何も無かったのに、しばらく箱の中で手を動かしていたら、食べ物に触れたんですよ……。
これが、レヴィさんの言ってた転送システムだと思うんですよね?」
「うん、そうだね」
「でも、魔法で転送しているのは分かるんですけど、どうやってこちらを認識しているんでしょうか?」
「う〜ん……そこまで深く考えた事無かったなぁ……。
電気で反応してる……とかじゃないかな?」
「電気……ですか?」
「うん。
人の体って、微弱だけど電気が流れていてね。
その電気に反応して、食べ物が転送される仕組みなんじゃないかな?」
「なるほど! 流石ですね、レヴィさん!」
「憶測だけどね」
その後も談話を続けていた時、、、
バチンッ!!
壁に柔らかな物を勢いよく打ちつけた音。
「なんの音でしょうか……」
「分かんない。 でも、様子を見てきたほうがいいかも……」
そう言って、レヴィさんが玄関の方へと向かって行く。
「き、気をつけてくださいね?!」
「うん。 マノちゃんも、一応、隠れていてね?」
「はい!」
扉を開け、外へと出ていくレヴィさん。
アタシは彼女に従って明るく答えたものの……。
「…………はぁ」
うぅ……。 一緒について行って何かお手伝いをしたいけど、本来の姿に戻れないから戦えないし、ルイさんから貰った腕輪も使いこなせいから自分の身を守ることすらままならない……。
アルハさんに厳しく言われるのも納得してしまう無力さな訳で……。
「アォーン!」
「ヒっ!?」
狼のような遠吠え、犬の魔獣なんでしょうか?
その後に外から放たれる眩い閃光と水の衝撃音。 レヴィさんが聖奥を使ったんだろうけど、、、
「あの聖奥……。
何か……おかしかったような……」
攻防が続いているのか、外からは魔獣の弱った声が聞こえたり、魔獣以外の声も聞こえてきたりしている。
ガチャ、ギィィィ……。
扉が開く。
「っ!」
「はぁ……はぁ……」
ポタポタと落ちる水滴の音。
ドアノブへと寄りかかるように掴んでいたレヴィさんは、全身引っ掻き傷や噛み傷だらけになっていた。
「レヴィさん!!」
「うっ……」
力尽きて倒れそうになったレヴィさんの体を支える。
「マノ……ちゃん…………はぁ……はぁ……と、びら……」
「えっ……?」
「ガウガウ!!」
外からこちらへとやって来る魔獣の群れ。
「っ! ッ〜〜!!」
レヴィさんを部屋の中へと入れて、玄関の扉を閉める。
ドンッ!! ドン! ドン!!!
魔獣達が扉へと体当たりをするも、建物が完全に閉じられたことで虹色の光が、その真価をしっかりと発揮し、どれほど衝撃を受けても破られることは無かった。
「あり……が、とう…………」
「レヴィさん?」
「すぅ……すぅ……」
寝てる……だけ……? 良かったぁ〜…………。
レヴィさんを寝室へと運び、包帯などで応急処置を済ませと後に、傷の治りが良くなるような薬を探し部屋を見て回ったものの……。
「無いッ!!」
うぅ……無い……どこにも無いですぅ……(泣)
もしかしたらと思って傷薬が出てくるようにお祈りしながら木箱をガサゴソしても、出てくるのは食べ物ばかり……。
「いったい、どうすれば……」
「ァ…ゥ……」
「!?」
突然聞こえた呻き声。
声がしたのは玄関の方でしょうか……寝室は玄関から最も離れた場所にあるのでレヴィさんではないでしょうし……。
それに、この虹色の光があれば危険は無いはず…………。
ガタン!
「ッ!?」
何かが落ちる音。
間違いなく声の主はこの建物の中に入ってきている……!
イヤだなぁ……行きたくないなぁ…………でも……。
ヒタ……ヒタ……。
声の主は素足で歩いているのか、肌が触れる音が聞こえてくる。
もし……もし、これが普通の人なら、レヴィさんの傷を治す薬を探す事を手伝って貰えるかもしれない……食べ物との等価交換で!
ヒタ……ヒタ……。
やり方は汚いかもだけど……それでも!
抜き足差し足で玄関へと進んでいく。
「ォ……ォ……」
ヒタ……ヒタ……と、足音とともに声の主もこちらへと近付いてくる。
もう少し……もう少しで……。
ッ!?
背筋に悪寒が走る。
前方……いや、この建物全体から感じる身の毛がよだつような恐ろしい魔力。
これが侵入者の魔力であるなら…………絶対に会話が通じる相手じゃない…!
「っ――!!」
通路の途中にあった洗面所の個室へと身を潜める。
「オ……オ……い……イ…………ル」
「!」
通路を通り過ぎるなかで、鏡に反射した声の主の姿を見てまた体が竦んだ。
茶色と緑を混ぜ合わせたような肌色、瞳は白目を剥き、体からは腐敗臭を漂わせている。
あ……あれって、ゾンビ……?
体格や服装を見ると、アタシと近く、女性だという事は分かるけど……。
この世界にいる人って悪魔の封印を任されているんじゃ……。
ゾンビの女性は通路の途中にある個室に入ろうとはせず、ただ真っすぐ、一番奥にある寝室へと進んで…………ッ!
あのゾンビ、まさかレヴィさんを!?




