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【書籍化・コミカライズ3巻発売中】ハズレ姫は意外と愛されている?  作者: gacchi(がっち)


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「そのことですが、一部の変更をお願いできないでしょうか?」


「一部の変更?」



前回、私は話し合いに立ち会っていないけれど、クリスから細かい報告を受けている。

アーレンス国の価値観を壊し、多少の犠牲を払ってでも、

正しい認識をさせてからユーギニスに戻りたいと話していたはずだ。


以前にユーギニスに戻る時の際の条件は説明してある。

今までの優遇を無くすだけで他の領地と同じ条件だと。

それなのに、一部の変更?

さすがにヘルマン王子のような甘いことは言わないとは思うが…。



「今、国境騎士団はミレッカー侯爵領地にいますよね。」


「ええ。アーレンスに戻すのには少し時間がかかると思うけど。」


アーレンスがユーギニスに戻ったからと言って、

今すぐに国境騎士団をアーレンスに戻すことはできない。


ミレッカー侯爵領に移動させてからもう二年近くになる。

その間にミレッカー領地での新しい取り組みを始めてしまっているので、

すべての騎士をアーレンスに移すわけにはいかない。

ミレッカー侯爵領の取り組みを維持するために騎士を残さなければいけないのだが、

誰を移動させるかを決めるだけでも時間がかかる。



「国境騎士団はそのままミレッカー侯爵領にいてもらうことはできませんか?」


「え?アーレンスには動かさずにってこと?」


チュルニアとの国境はアーレンスに移るのに、国境騎士団を動かさない?


「はい…国境騎士団を国境の領地に置く理由は、

 チュルニアから攻めてこられた時のためですよね。

 今の時点でチュルニアにはアーレンスを攻める理由がないと思うのです。

 ミレッカー侯爵領ほど豊かな土地であればチュルニアも欲しいと思うでしょう。

 ですので、アーレンスではなく、

 ミレッカーに置くだけで対チュルニアの効果はあると思います。」


「…それはそうかもしれないけれど…いいの?」


たしかにアーレンスを攻めて落としたところでチュルニアに利益はない。

その先にミレッカー侯爵領があるのならば攻める価値はあるかもしれないが、

ミレッカー侯爵領に国境騎士団が配置されているとわかっていれば攻めてこない。

…でも、それって。アーレンスはいらないって認めることになるんだけど。


「大丈夫です。アーレンス国になっても一度も攻めてこなかったんです。

 独立して戦力が落ちたこの時期こそ、攻めるのなら行動していたはずです。

 ユーギニスに戻ったら攻めにくくなるとわかっていても、

 この二年間何もありませんでした。

 国としての付き合いをするということすらなかったのです。」


「…そうなんだ。」


二年間何もなかったどころか、国としても認めてもらえなかったとは。

チュルニアとしてはアーレンスが独立したところで早々に立ちいかなくなり、

ユーギニスに戻ると予想していたのだろう。

そんな場所を無理に落としたところで何もうまみはない。

…わかるけれど、アーレンスとして受け入れられることなんだろうか。


「今後も必要のない土地をわざわざ苦労して攻めてくることはないでしょう。

 国境騎士団を戻してしまうと、アーレンスでは維持費を払えません。

 それに、また国境騎士団に魔獣を討伐させようと言い出すものが出てしまう。

 それでは教育し直した意味がないのです。」


「教育し直した?」


「ええ、全領民に教育し直しました。

 アーレンスではもともと領民が通う学校がありまして、

 十歳から三年間そこで読み書きとアーレンスの地理と歴史、

 魔獣の危険性を学ぶことになっています。

 そこで教えるアーレンスの歴史を正しいものに変えました。

 ついでに、学校を卒業した領民にも歴史だけをもう一度学ばせるために、

 必ず三日間学校に通わせることにしました。」


「全領民に歴史を教え直したってこと?」


「そうです。チュルニアからいらないもの扱いされていたこと、

 ユーギニスでもお荷物扱いだったこと、

 優遇されていたのはアーレンス本家がユーギニスの王弟の子孫だからだと。」


「それを教え直して、反発はなかったの?」


「もちろんありました。

 中でもひどかったのは、チュルニアだった時のほうが良かったという声でした。

 老人たちの昔話を信じているものたちがいたのです。

 その老人たちの妄想があまりにもひどかったので、

 ある程度のお金を渡してチュルニア側に送り出しました。」


「え?」


「そんなにもアーレンスはチュルニアに歓迎されるというのなら、

 チュルニアに行って生活すればよいと。総勢で三十人ほどだったでしょうか。」


あっさりと話すクラウス国王に、驚きすぎて何も返せない。


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