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RPGな男子たちの放課後トーク

作者: 彩蓮 遊貴

「な~魔王~~……、おい聞いてんのか?」

 学校の授業が終わった放課後、勇者と魔王の二人は教室でグダグダしていた。

「…………。聞いてる……」

「じゃあ、すぐに返事しろよ!!!」

 勇者は魔王に怒鳴った。

「……。見れば分かるだろ」

 魔王はP〇Pを持っていた。

「俺はゲームをしている……」

 魔王は一度視線を勇者に向けると再びP〇Pに落とした。

「俺は持ってないから暇なんだよーー!」

「…………(魔王)」

 魔王は無視をした。

「…………(勇者)」

 カタカタカタとゲーム機のボタンを押す音だけが教室と言う空間を支配した。


 カタカタカタ


「なあ、魔王様魔王様……」


 カタカタカタ


「じゅっジュースおごりますから僕の話を聞いてください……」

 勇者は若干涙目になりながら言った。勇者は意外と寂しがり屋である。


 カタカタカッ!


 魔王のP〇Pを動かす指が止まった。

 魔王はゆっくりと顔を上げて勇者の方を見る。

「缶コーヒー……、微糖で……」

「えっ! 今からっ!!!」

「喉が渇いた……。聞いてやるから行って来い」

「そうゆーの話の後じゃ駄目かな……?」

「……行って来い」

(今の話、無かったことにされた!)勇者は心の中で叫んだ。

「はいはい! 行って来ればいいんだろ!

 で、何だっけ、おまえが頼んだやつ? 缶ジュース無糖?」

 勇者は少しいじけながら言った。

「そんな飲み物あってたまるか、缶コーヒー微糖だ……」

 魔王は冷静にツッコんだ。

「うぅ……、わっわかったよ! さっさと行ってきますよ!」

 勇者の目は半分怒り、半分泣きそうになっていた。もう一度言おう、勇者は寂しがり屋である。

「こんちきしょーーーーーー!!!」

 勇者は勢いよく教室から飛び出そうとした。

「待て……」

 勇者の動きがピタリと止まった。

 勇者を止めたのは魔王の声だった。

 勇者が魔王の方に振り向く。

「忘れ物だ……」

 魔王はそう言うと、勇者に向かって何かを投げた。

「うぉっと!!」

 あまりに突然だった為、勇者は少し驚いたが何とか魔王が投げたものをキャッチした。

「こっ、これは!! 100G!!」

 そこにあったのは1枚の100Gの硬貨だった。

「この野郎……」

 勇者は硬貨を握り締め魔王を見た。

 魔王はグッと親指を立てていた。

 勇者は再び走り出した。

 走りながら、片手に100Gを握った勇者の顔は喜びという涙で溢れていた。


 数分後……。


「ごめん、100Gじゃあ何も買えんかった!」

「おまえのも使えっっ……!!!」

 再度、缶コーヒー微糖を買いに行く勇者の顔には何故か紫色の痣があった。



続くかもしれませんので、その時はまた見てくれたら幸いです。

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