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有名侯爵騎士一族に転生したので実力を隠して親のスネかじって生きていこうとしたら魔法学園へ追放されちゃった  作者: すずと
三章

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第66話 ウルティムの調査開始

 三章開始。ウルティムのことを中心に展開していく章 (になるはず)です!!

 魔法学園に追放されて数ヶ月。今まで散々な目に合ってきた。


 イケメン処女中毒野郎に、幼女嫉妬サイコパス。しまいにゃ知り合いテロリストまで現れたもんだ……。


 なんだ、この濃い学園生活は。


 俺はヘイヴン家のスネをかじりまくって生きていくつもりだったのに、わけわかんないことに巻き込まれすぎだろ。しかも魔法学園関係ないじゃん。まったく関係ないじゃん!!


 ──だけど今はどうだ。


 意味不明な授業ながらも机に向かっているこの姿勢。チンプンカンな魔法のお勉強も、今の俺には最高の子守歌。


 魔法の勉強が終われば外で魔法の実習。


『おい、誰かあのロリを止めろ!!』


『なんであのロリは魔法学園に剣を持って来ているんだ!?』


『ヘイブン家と関わるやつにロクな奴などいない』


 ……ロリっ子が剣をそこら辺で振り回して規格外な魔法をぶっ放していた。


 ま、まぁ……剣だろうが魔法を使っているから良いんだろ。うんうん。


 そして、お楽しみのランチタイムは気心の知れた学友達と共に。


「はい。ご主人様。あーん」


「なんでマグマみたいなグラタンが学園にあるの?」


「それはご主人様への愛です」


「肉体が溶けちまう」


 まぁ美味しいから食べますけども。


「リオンくん。はい、あーん」


「今し方あつあつのグラタンを食べたばかりなのですが」


「アイスもあつあつにしておいたよ」


「だからでろんでろんに溶けてんだね」


「リオンくんへの愛、だね☆」


「濃度濃いなぁ」


 食べますけどね──いや、食べるっつうか飲むだな、これ。


 こんな感じで過ぎていく学園生活。


 色々とツッコミ所はあるが、まさに魔法学園の生徒!!


「ふふ、ふ、ふふふ……これだよ、これ。これが俺の求めていた学園生活☆」


 俺──リオン・ヘイヴンの声が怪しくアルバート魔法学園一年一組の教室に響き渡る。我ながらいやらしい声で痛い奴ということは自負しているので許しておくれ。


「リオンくん。笑い方が超怪しいんだけど」


 左隣の席に座るのは、ピンク色の宝石みたいな長い髪。若干つり目で強気な顔立ちの奥に、慈愛に満ちた育ちの良さが見えるアルバート魔法王国の超有名人、フーラ・アルバート。クラスのアイドルてき存在だけど、その実態は王女様である。


 彼女が俺の不適な笑みに指摘を加えてくる。


 まぁ、随分と怪しかったもんね。


「そう言ってくれるなフーラ。俺は今、猛烈に平和を堪能しているんだから」


「なんか、リオンくんに光が降り注いでいる気がするんだけども、気のせい?」


「しゃいんしゃいん♪ きみにも見えるかい、フーラ王女よ」


「なんかテンション高いね」


 ジトーっと見られてしまうフーラに対し、逆隣、右側の席に座る、プラチナの髪の美少女につんつんされる。


 振り向くと、たれ目気味なのに、顔全体で見るとキュートとクールを良い具合に混ぜた美少女メイドのヴィエルジュの顔が見えた。


 フーラとは双子だが、彼女とは違った美しさがある顔だね。毎日見ても美人って思っちまう。


「ご主人様。しゃいん中に申し訳ありません」


「うむ。しゃいん中だが良かろう」


 フーラの、「なんだよ、しゃいん中って」というツッコミを背に、ヴィエルジュの言葉を待つ。


「そろそろ、ウルティム様の過去を調査なされた方が良いのではないでしょうか」


 ウルティムの調査──。そう。バンベルガさんが世界をめちゃくちゃにしようと企んだ世界最悪の剣、ウルティム。その正体はかわいらしいロリっ子だった。人に危害を与えないと言っているが、過去を知らないため、なにが起こるかわからない。


 ウルティムのことは極一部の人間しか知らない。だから大人達がウルティムについて調査はするといっても進捗はないみたいだ。


 この間のジュノーやエウロパの件の調査も終わっていないもんね。そこからの追加注文+極一部の人間しか調査できないんだから時間はかかりそうだ。


 だから人任せにしていてもウルティムの調査の進捗は期待できない。


 ま、そもそも俺が無理くりに起こしちまったんだ。俺が調べる義務があるよねって話。


「……だな。ヴィエルジュ、フーラ。今日辺り、一緒に調査しても良いか?」


「「はい」」


 流石はロイヤル双子メイド。迷わずに返事をしてくれた。


「ぼくの調査?」


 ぴょこんと俺達のところにやって来たこのロリっ子がウルティムだ。ラベンダー色した長い髪をツインテールにしている。無表情なのは相変わらず。これが世界最悪の剣と呼ばれているなんてな。世界最高のロリの間違いではなかろうか。


「ああ。そろそろお前の過去を調べようと思って」


「良い心掛け。存分に調査したまえ」


「おめぇも来んだよ」


 この世界最悪の剣と呼ばれるロリっ子は、なんでない胸を張ってドヤってんのかね。


「お、なんだぁ? お前ら放課後フォースデートってかぁ? くぅぅ、青春だねぇ」


 チャラい声で近づいてきたのは、俺達の担任の先生であり、アルバート魔法団第二部隊隊長のカンセル・カーライル先生だ。


「フォースデートって……初めて聞きましたが」


「あはは!! 良いじゃん。そっちのがなんかおもろいやん☆」


 相変わらずチャラいな、この先生。語尾に☆なんて付けちゃって。


「でもわりぃな。ウルティムの放課後デートはキャンセルで」


「カンセルなだけに?」


「やっば。リオンってくそつまんないやん。しけるわー」


 しけるとか言われちゃった。今日日聞かないね、しけるって。


「こほん……。先生。それってもしかしてウルティムのことがなにかわかったから本人に話があるとかですか?」


 彼は大樹で剣がぶっ刺さって寝ていたウルティムを見た人間。だからウルティムを知る極一部の人間に該当する。


 そんなカンセル先生が真剣な表情でサングラスをグイッとした。


「んにゃ。なぁんもわかんねぇ」


 あらら……。なんかガチムード出してくるからなにかわかったのかと思ってしまった。


「そもそも、ジュノーの一件も全然調査が進んでないから、ウルティムのことなんて全然よ」


「ミステリアスガール。それがぼく」


「じゃかましいぞー、元凶がっ」


「えっへん」


 この子はドヤる癖でもあんのかね。


「ま、ガチな話、ウルティムの転校の手続きをしないといけないんだわ。この子、事情が複雑だから書類がややこしくてな」


「割とまじでガチな話だった」


「だからウルティムは放課後俺とデートだな☆」


「長い戦いが今、幕を開ける」


「いや、ほんと最近寝不足だから勘弁して」


「キャミングスーン」


 あのロリっ子、無表情なのに陽気だなぁ……。


 ウルティムとカンセル先生が教室を出て行ったあと、チラリとフーラを見た。


「なんかフーラに似てる気がするよな」


「私、リオンくんから見てあんな感じなの?」


「うーん……ちょっとだけだけど。無表情なのはヴィエルジュに似てる気がするけど」


「私はロリですか?」


「いや、ロリじゃないけど……なんとなく?」


 似てる似てない論争は主観の問題だもんな。なんとなく似てる人なんてそこらへんにいるし。気のせいか。


「じゃ、三人でウルティム調査と参りますか」


「「はい」」

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