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85 コサメ小女郎
コサメ小女郎という妖怪がおります。
和歌山県田辺市に伝承があり、南方熊楠著『南方閑話』に次のような話があります。
これは紀州龍神村の淵に棲む魚が長い歳月を経てなったもので、美女に化身し、男を淵の中に誘い込んで食べていました。
あるとき。
小四郎という男を誘ったとき、「7年間飼った鵜にはかなわない」と漏らしたことから、小四郎が7年間飼った鵜を連れていって水の中を探らせたところ、鵜に目をえぐられた大きな魚の死体が浮かび上がり、腹から7本のナタが出てきました。
この7本のナタは7人の男が誘惑に負け、コサメ小女郎に喰われたことを意味しました。
このコサメ小女郎。
鵜を見るとおもわず声を上げました。
「ウッ!」
・ウッ=うっ=鵜
・ナタ=斧、包丁、鎌、刀剣以外の大型刃物を総称
・南方熊楠(みなかたくまぐす・17867~1941・民俗学者)
・『南方閑話』(みなかたかんわ・随筆)




