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47 しょうけら
しょうけらという妖怪がおります。
庚申待の行事に「しょうけら」の名があり、これは三尸を擬人化した姿といわれています。
ちなみに人間の身体には三尸という虫がいて、これは庚申の夜に天に昇り、人々の罪を天帝に告げて寿命を縮めました。
また三尸は、人が死ねば自由になれるため、常に人の早死にを望んでいるといいます。
その昔。
あるまじめな男の体内に棲むしょうけらは、男がなかなか罪作りなことをしないので、日頃から悔しい思いをしていました。
ある日。
しょうけらは男に罪の罠を仕掛けました。
――今日は胸騒ぎがするな。
男はよくないことが起こりそうで、その日はいっそう気を引き締めました。
虫の知らせがあったのです。
・虫の知らせ=よくないことが起こりそうな予兆。言葉の起源は、6世紀頃、人間の体内には3種類の虫がいるとされる中国の道教の「三虫(三尸=さんし)」
・庚申待の行事=庚申の日に神仏を祀って徹夜をする行事




