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1035 京丸牡丹
京丸牡丹は伝説の一種です。
静岡県浜松市に伝承があり、京丸は地名で、これは「遠州七不思議」の一つにもなっています。
その昔。
京丸村に迷いこんだ若者が、村の一人の娘と恋に落ちました。
当時、村人はよそ者と結婚してはいけないという掟があり、悲嘆した二人は死んで大きな牡丹に変じました。
その牡丹が咲くと、遠方からでも認めることができるほど花が大きく、落ちた花びらは近くの渓流を流れ下りました。
京丸村の藤原忠教氏は大正二年の頃、この巨大な牡丹の花を見たと証言していますが、付近の住民の間ではシャクナゲと見間違えたのだといわれました。
藤原忠教氏はそれを聞いて悔しがったといいます。
「ほんとシャクナゲなあ」
・シャクナゲなあ=石楠花=癪だなあ
・癪=腹が立つこと
・遠州七不思議=夜泣き石、桜ヶ池の大蛇、池の平の幻の池、子生まれ石、三度栗、京丸牡丹、波小僧、片葉の葦、天狗の火、能満寺のソテツ、無間の鐘、柳井戸、晴明塚
・大正二年=1913年




