第146話
受付嬢と一言二言の言葉を交わして僕は夏樹の所に戻った。
「兄貴? なんかあった?」
そう尋ねられ僕は正直に話した。メフィストの名前をだしたのか段々と夏樹の顔が険しくなっている気がする。
「……色々とツッコミたいけど、とりあえずおめでとう兄貴」
「あ、ありがとう」
「それで、えっと……神獣召喚士だっけ? どう変わったの?」
僕はステータスを確認する。
主に変わったのは召喚するとき使うMPが三分の一になったのと、フィールドやダンジョンで召喚出来る数が三体になった。それと、魔法が強化されいくつか魔法名も変わっていた。
ファイアーはフレイムに、ウォーターはアクアに、ストーンはロックに、ウィンドはゲイルに変更。
そして、フレイムはクリムゾンに、アクアはハイドロに、ロックはグランドに、ゲイルはサイクロンになっていた。
三体しか召喚出来ないってことは【四神の共鳴】が使えないってことだけど、どの魔法もかなり強化され前よりかは対応できると思う。
「お、ウィルとナツキだ! やっほー」
声がする方に顔を向けるとアルナさんとアイリスさん、アレイヤさんの三人が立っていた。
「ウィリアムさんとナツキさん、こんにちは」
「久しいな二人共」
「こんにちは。あの、今時間大丈夫ですか? 話があって……」
「ああ、ダンジョン攻略の帰りだから問題ない」
「ありがとうございます。ここじゃ話せないので僕達の屋敷に移動しましょう」
僕達はギルドを後にしてハウジングエリアにある屋敷に戻る。
工房で引き籠っているアテムアさんも誘い広間に集まり、僕は妖精の花園で起きたことを四人に話をした。
「いつもいるルキちゃんがいないのはそう言うことだったんですね」
「許せん」
「全くだ……」
「それでウィル達は助けに行くんだよね?」
「はい、来週の三連休に予定しています」
「私も行くからね!わた 私が行けば百人力っしょ!」
「アタイも行く。あの子に用意した服がいっぱいあるんだ」
「え、そうなんですか?」
アテムアさんはインベントリから両手で抱えきれない程の沢山の子供服を渡された。
「気分転換に作っていて気が付いたら、こんなに量になってな」
「そうなんですね。ルキも喜ぶと思います」
「あの! ちょっと予定見てくるんでログアウトしますね!」
そう言い残してアイリスさんはログアウトした。
「私もお供しよ。一人でも多い方がいいだろう」
「アルナさん、アテムアさん、アレイヤさんありがとうございます」
僕は三人に頭を下げてお礼言う。
「戻りました! 私も行けますよウィリアムさん!」
戻ってきたアイリスさんは僕の手を取り顔を近づけて言う。アイリスさんの綺麗な瞳に僕はちょっと頬を赤くする。
「あ、ありがとうございますアイリスさん。頼りにしています」
ごほんとアレイヤさんがわざとらしく咳き込む。アイリスさんは急いで手を離し俯く。
「それで、私達以外で他に居るのか?」
「いえ、まだ皆さんにしか話していないです。ヴェスナー達にはテスト明けに話します」
「そうか……まだ人数には心許ないが、人数の制限あるのか?」
僕は悪魔の招待状を見ると特にそう言った記載はなくそのまま伝えた。
「ならば、出来る限りの人数を揃えた方が良いだろう」
「募集は俺がやるんで任せてください」
「そうか、分かった。募集はナツキに任せよ。ウィルこの後時間はあるか?」
時間的にもまだ行けるな。
「はい、大丈夫です」
「私が知っているクランリーダーに合わせよう。私もフォローはするが、協力してもらえるかどうかはお前の交渉次第だ」
「分かりました。ありがとうございますアレイヤさん」
アレイヤさんは転移結晶のアイテムを取り出し、僕はアレイヤさんと一緒に転移する。




