第五話 手招きされました。
小早川秀秋隊が壊滅、最後の時を迎えようとしいた。
「ぜぇーぜぇーはぁはぁ」
(何故だ、昨日までは東軍が勝利するものだと信じていたのに、長政が
わしをたぶらかしたせいだ!そうだあいつが寝返りなど勧めなければ)
「秀秋はいたか!」
「まだ見つかりません!」
(なんとか東軍と合流出来れば、わしも再起できる道もある、どんな手を
使っても生き残ってやる)
鈴鹿山へ逃げた小早川秀秋は身を地面に這わせ。息をころし、
立花隊の追ってをやりすごそうとしていた。
「こっちへ来なされ」
山茂みから現れた農民の一人が
小早川秀秋を手招きした。
「た、助けて頂けるのか?」
「そうじゃ、早く来なされ」
小早川秀秋は農民の馬小屋へ連れてかれた。
「み、水はあるか」
農民は、頷くと裏手に消えた。
「はぁーはぁーはぁー」
(明日、あやつに使いを頼めば、何とかなるかもしれん)
微かな望みではあるが小早川秀明はかけていた。
「今じゃ、やれぇええ!」
「うわぁあああ」
ブッス ブッス ブッス
「がああああああぁああ母さまああああ!」
小早川秀秋は落ち武者狩りにより襲いかかった
農民が四方から竹槍に刺され死亡した。
【落ち武者狩り】
戦場で田畑などめちゃくちゃに焼かれた農民が
負けた武将の武器や防具や着物を略奪して金品や
自分の物にして損害を取り戻した。
また乱取り略奪からの自衛のためでもあった。
◻️◻️◻️
小早川隊が散り散りに敗走していた様子を見ていた。
毛利輝元
「西軍に勢いあり!一気に東軍を攻め、勝負を決する!」
「毛利全軍山を駆け下り!池田、浅野、山内隊へ総攻撃じゃあ!」
「えいえいおーえいえいおーえおえいおー!」
毛利の軍勢15000人がついに動いた。
東軍へ内通していた吉川広家が寝返り。
長束隊へ突如攻撃を開始した。
また長宗我部隊は東堂隊と京極隊と衝突。
一進一退の攻防が続いていた。
立花宗茂は兵をまとめていた。
「山がついに動いたか」
「はっ西軍が全て動き出しました」
「中田殿の援軍にこれより向かう、準備致せ」
「小早川秀秋は追わずによろしいのですか?」
「きっと秀秋殿は豪華な装飾の兜、鎧、刀であろうな。
何処かで落ち武者狩りにでも出会ってるであろうよ」




