余り語られない撮影所のあれこれ(93)「バイプレイヤーズ」vol.2「ナイルなトトメス編」その2「ダメンテ大統領と通訳」テンション「田口浩正」「小浦一優(芋洗坂係長)」
★「バイプレイヤーズ」vol.2
「ナイルなトトメス編」その2「ダメンテ大統領と通訳」テンション「田口浩正」「小浦一優(芋洗坂係長)」
●芸人枠
出演者の配役において、俗にドラマや特撮作品では「○○枠」と呼ばれる配役枠があったりします。
明確にそんな出演枠があった訳ではありませんが、藤子不二雄作品の大半の作品における主人公以外の配役にあるように、ガキ大将枠、その腰巾着枠、マドンナ枠といった一定のお決まり枠が存在し、安定したドラマを作り出していることは確かです。
ですから、作品を作る企画の際にお決まりの配役枠を設ける事で、安定したドラマを作り出したいと思うのも当然なのです。
不思議コメディシリーズには、主人公の芝居をフォローしたり教育役としてのお父さんお母さん役として「役者枠」とか、物語をかき回す「芸人枠」というレギュラー配役が、暗黙的にありましたw
その「芸人枠」がゲスト配役にも及ぶのは、不思議コメディシリーズの不思議コメディシリーズの良いところでしょうww
今回は、「不思議少女ナイルなトトメス」でも準レギュラーの様に前半から後半まで出演された「芸人枠」のバイプレイヤー「テンション」のお二方について語りたいと思います。
尚、例によって情報のほとんどが約30年前ですw
今となっては変わっていることや、無くなっていることもあります。また、記憶の内容が30年の間に美化されたり劣化してしまっているものも存在しますwwその点をご理解の上、あらかじめご了承下さい。
そして、ここでの意見は、あくまでも個人的な意見です。
東映をはじめとした各社や映像業界の直接的な意見ではありません。その点を予めご理解ご了承下さい。
●「テンション」て誰?
芸人「テンション」は、今は活動休止中で、かつて二人のデコボココンビで活躍していました。
田口浩正1967年10月8日 福岡県福岡市出身、
小浦一優1967年12月18日福岡県北九州市出身、
の二人で1989年に結成され、「ロリポップ、ロリポップ、ラァーラ、ロリポップ、ロリポップ!ダダンダンダン…」という曲をブリッジにショートコントを披露するというスタイルで活躍していました。
デビューがバブル期という事もあり、お笑いの番組に数々出演し、更にはメガネドラッグ(1989)、東急観光九州編(1989)、江崎グリコ・ボンバーズ(1990)、等のCMにも出演して行きます。
その中で、テレビドラマの役者としての始めてのオファーが1990年の「ナイルなトトメス」でした。
その後、1993年からは「テンション」としての活動は休止することなります。
こう説明しても、彼らが今ではコンビではなくて、個々人として有名人となっているとは気が付いていない方も多いかと思いますw
それでは、御二方に関しての活動休止前と後をそれぞれ掘り下げてみたいと思います。
●個性派俳優、田口浩正
実は1986年に劇団東京乾電池第1期研究生として在籍していたくらいの、元々は俳優志望だった田口さんは、芸人をステップアップとして俳優になろうとしていたこともあり、「テンション」を活動休止にする前年の1992年には、既に俳優業に専念してしまっていました。
それでは、田口さんの出演履歴です。
■テレビドラマ
○不思議少女ナイルなトトメス(1991 ダメンテ大統領)
○世にも奇妙な物語(1991)
○世にも奇妙な物語 聖夜の特別編(1996)
○まったナシ!(1992)
○土曜ワイド劇場 混浴露天風呂連続殺人11(1992)
○いつか好きだと言って(1993)
○同窓会(1993)
○お金がない!(1994)
○私の運命(1994)
○スウィート・ホーム(1994)
○お見合いの達人(1994)
○古畑任三郎スペシャル「笑うカンガルー」(1995)
○王様のレストラン(1995)
○花嫁は16才!(1995)
○まだ恋は始まらない(1995)
○みにくいアヒルの子(1996)
○素晴らしき家族旅行(1996)
○木曜の怪談 魔法のキモチ(1996)
○連続テレビ小説 ふたりっ子(1996)
○ドラマ30「ふ〜ふ生活」(1996)
○帰ってきたOL三人旅6(1996)
○スチュワーデス刑事4(1996)
○サイコメトラーEIJI(1997)
○ナースのお仕事2(1997)
○お仕事です!(1997)
○お気らく主婦の豪華エステリゾート殺人事件(1998)
○織田信長 天下を取ったバカ(1998)
○板橋マダムス(1998)
○プリティーモンキー(1998)
○月曜ドラマ・イン「スウィートデビル」(1998)
○ゲームの達人(1999)
○松本清張特別企画・顔(1999)
○教習所物語(2000)
○金曜日の恋人たちへ(2000)
○フードファイト(2000)
○ストレートニュース(2000)
○金田一少年の事件簿(2001)
○ビッグウイング(2001)
○Pure Soul〜君が僕を忘れても〜(2001)
○こちら本池上署(2002〜2005)第1シリーズ(2002)〜第5シリーズ(2005)
○ツーハンマン(2002)
○ホーム&アウェイ(2002)
○アルジャーノンに花束を(2002)
○三毛猫ホームズの犯罪学講座 (2002)
○お義母さんといっしょ(2003)
○あなたの人生お運びします!(2003)
○乱歩R 第1話「人間椅子」(2004)
○ドールハウス(2004)
○極限推理コロシアム(2004)
○ワンダフルライフ(2004)
○3年B組金八先生 第7シリーズ(2004 狩野伸介)
○恋におちたら〜僕の成功の秘密〜(2005)
○夢で逢いましょう(2005)
○警視庁捜査一課9係(2006〜2017 矢沢英明) season1(2006)〜season12(2017)
○特捜9 season1(2018〜2021 矢沢英明)
season1(2018)〜season4(2021)
○セーラー服と機関銃(2006)
○たったひとつの恋(2006)
○松本清張ドラマスペシャル 波の塔(2006)
○冗談じゃない!(2007)
○パパとムスメの7日間(2007)
○お・ばんざい!(2007)
○天と地と(2008)
○未来講師めぐる(2008)
○ケータイ捜査官7(2008)
○ROOKIES(2008 国松)
○神の雫(2009)
○子育てプレイ(2009)
○JIN-仁- (2009 山田純庵)
○JIN-仁-完結編(2011 山田純庵)
○古代少女ドグちゃん(2009 五味)
○特上カバチ!!(2010)
必殺仕事人スペシャルドラマ(2010〜2016 結城新之助)
○サザエさん2・4(2010・2013 花沢花子の父)
○なぜ君は絶望と闘えたのか(2010)
○黄金の豚-会計検査庁特別調査課-(2010)
○モリのアサガオ(2010)
○遺恨あり 明治十三年 最後の仇討(2011)
○水曜ミステリー9「嘘の証明 犯罪心理分析官・梶原圭子シリーズ」(2012)
○浪花少年探偵団(2012)
○平清盛(2012 平貞能)
○ドラマ10「サイレント・プア」(2014)
○MOZU Season1〜百舌の叫ぶ夜〜(2014 赤井信輝)
○みをつくし料理帖2(2014)
○きょうは会社休みます。(2014)
○ドラマスペシャル「フラガールと犬のチョコ」(2015)
○ふたがしら(2015)
○時をかける少女(2016)
○地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子(2016)
○地味にスゴイ!DX 校閲ガール・河野悦子(2017)
○連続テレビ小説 とと姉ちゃん(2016)
○おかしな刑事14(2016)
○三匹のおっさん(2017)
○雲霧仁左衛門3(2017)
○月曜名作劇場 信濃のコロンボ5(2017)
○警視庁岡部班(2017)
○時空超越ドラマ&ドキュメント 美子伝説(2018)
○命売ります(2018)
○日経ドラマスペシャル 琥珀の夢(2018)
○Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜(2019)
○ハル〜総合商社の女〜(2019)
○月曜プレミア8 ラストライン 刑事 岩倉剛(2020)
○危険なビーナス(2020)
○連続テレビ小説 エール(2020)
○天国と地獄〜サイコな2人〜(2021)
■映画
○ファンシィダンス(1989大映)
○シコふんじゃった。(1992東宝 田中豊作)
○オールナイトロング(1992大映)
○熱血ゴルフ倶楽部(1994バル企画)
○ファットマンブラザーズ〜百貫探偵〜(1995バンダイビジュアル)
○Shall we ダンス?(1996東宝 田中正浩)
○ガメラ2 レギオン襲来(1996東宝 銭湯の学生)
○ラヂオの時間(1997東宝 辰巳真)
○Lie lie Lie(1997東映)
○BLOOD 狼血(1999日活)
○のど自慢(1999東宝・シネカノン)
○サラリーマン金太郎(1999東宝)
○きみのためにできること(1999日活)
○GTO(1999東映 畑山聡)
○SWING MAN(2000ビデオプランニング)
○ちんちろまい(2000ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)
○みんなのいえ(2001東宝 ゴジラ)
○大混乱 ホンコンの夜(2001大映)
○恋に唄えば♪(2002東映)
○KEEP ON ROCKIN'(2002東映)
○スカイハイ 劇場版(2003東映)
○17才 (2002スローラーナー)
○eiko〈エイコ〉(2003日本シムコ=東京テアトル)
○蟲(2005アルバトロス・フィルム)
○フライ,ダディ,フライ(2005東映)
○妖怪大戦争(2005松竹 一本だたら)
○乱歩地獄「蟲」(2005アルバトロス・フィルム)
○猫目小僧(2006アートポート 藤崎勝)
○大奥(2006東映)
○それでもボクはやってない(2007東宝)
○パッチギ! LOVE&PEACE(2007シネカノン)
○マリッジリング(2007アートポート)
○歌謡曲だよ、人生は「エンディング 東京ラプソティ」(2007ザナドゥー)
○チーム・バチスタの栄光(2008東宝)
○僕の彼女はサイボーグ(2008GAGA 銃を乱射する男)
○花より男子F(2008東宝)
○僕らのワンダフルデイズ(2009角川映画)
○おっぱいバレー(2009ワーナー・ブラザース映画・東映 竜王中学男子バレー部コーチ)
○火天の城(2009ショウゲート 中川左内)
○サラリーマンNEO 劇場版(笑)(2011ショウゲート)
○偉大なる、しゅららぼん(2014東映、アスミック・エース 日出洋介)
○舞妓はレディ(2014東宝 長唄の師匠)
○ジョーカー・ゲーム(2015東宝 矢島中佐)
○超高速!参勤交代 リターンズ(2016松竹)
○本能寺ホテル(2017東宝 大塚)
○空飛ぶタイヤ(2018松竹)
○マスカレード・ホテル(2019東宝 政治評論家)
○おとなの事情 スマホをのぞいたら(2021ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 園山零士)
■舞台
○四谷怪談(2001シアターコクーン)
○ネジと紙幣(2009銀河劇場)
○バブー・オブ・ザ・ベイビー - UNDEAD OR UNALIVE -(2013本多劇場)
■テレビアニメ
○毎日かあさん(2009〜2012 とうさん(鴨原穣))
○HUNTER×HUNTER(2013 マサドルデイーゴ)
■劇場アニメ
○放課後ミッドナイターズ(2012 ゴス)
○BUDDHA2 手塚治虫のブッダ -終わりなき旅-(2014 パセーナディ王)
■ゲーム
○ユーラシアエクスプレス殺人事件(1998エニックス 西倉孝一)
■人形劇
○シャーロック ホームズ(2014NHK バーソロミュー・ショルトー / サディアス・ショルトー)
■ラジオ
京極夏彦ラジオドラマ 『百器徒然袋』(2006ABCラジオ)
■バラエティ
○サラリーマンNEO(2005年〜2011NHK)
○メレンゲの気持ち(日本テレビ)
○世直しバラエティー カンゴロンゴ(2009NHK)
○大人のソナタ(2009テレビ朝日)
■CM
○日本マクドナルド
○大鵬薬品工業「ソルマック」
○西日本旅客鉄道
○トヨタ自動車「スターレット」(1994)
「バイプレイヤー」として、一流の立ち位置を保たれている事が見て取れる経歴ですw
最近の出演では「警視庁捜査一課9係(2006)」から続く人気シリーズのレギュラーとして「矢沢英明」役で御出演され、同じシリーズである「特捜9」(2018〜2021)の最新作でも同役を演じられていますので、一度は目にした方もいらっしゃるかと思います。
30年前では現在よりもふくよかで、「FATMAN BROTHERS」というユニット名で、伊集院光さんや石塚英彦さんと共にアルバムを発売していた位に、他の御二方くらいな体型をなされていましたが、現在では少し痩せられている様です。
それでも少し舌足らずで籠もった様な特徴的な声は健在の様です。
●「ダメンテ大統領」という役
人の良い肥満体の役が定番といった役どころなのだか、傲慢な人物や荒っぽく残忍な役もこなすという文字通りの名バイプレイヤーです。
そんな田口さんが、テレビドラマで同一人物役を複数回演じる事になる「ナイルなトトメス」の「ダメンテ大統領」は、彼にとっては不本意でありながら難しく、何回か演じる内に、ある意味やり甲斐といったモノも感じられる役ではなかったのかとも思います。
「ダメンテ大統領」にはセリフがありましたが、意味のあるセリフはありませんでした。
台本にも毎度毎度「グンチャラ、メンチャラ……」と同じセリフが書かれているだけで、セリフ自体の長さにも内容にも制限がありませんでした。
それを「通訳」役の小浦さんが標準語に翻訳して通訳するという役処でした。
つまり、「ダメンテ大統領」が長ったらしいセリフを喋った後で「通訳」が短いセリフを通訳したり、逆に「ダメンテ大統領」が短いセリフを喋った後で「通訳」が長ったらしいセリフで通訳するといった、お笑いとしてはお約束の展開を毎回繰り広げるといった役処でした。
セリフがあっても意味の無いセリフで、感情表現は身振り手振りも入れた大げさなものから皆無なものまで取り揃えて演じなくてはならなくて、更に相方である小浦さんとのズレが笑いを生む訳ですから、田口さんのセリフが重要となります。
なぜならば、「ダメンテ大統領」が話したセリフに対してどう切り返すかという「通訳」役の小浦さんのセリフ自体は既に台本上に記載されているのですから、その元となる「ダメンテ大統領」のセリフやアクションも用意が必要となる訳です。
更に「通訳」が日本語内容を通訳したセリフを素にしたリアクションとしてのセリフやアクションの吟味は、初めてのテレビドラマの初めてのスタッフの中で演じるには十分すぎるほどの重圧だったのだと思われます。
「ナイルなトトメス」での「ダメンテ大統領」と「通訳」の出番は合計5回に及びますが、私がお仕事をご一緒したのは2回目の出演の際で、セリフのやり取りはお決まりといったものでしたが、それでもどこか「このままで良いのだろうか?変化は必要ないのだろうか?」といった迷いも見て取れる芝居内容でした。
それは、田口さん自身が真面目な方だからこそ悩まれる部分であり、芸人としての笑いの探求という点でも悩まれる部分でもあったことは想像に容易く、「ダメンテ大統領」というキャラクターを作り上げることに必死であったのも想像に難くありませんでした。
●本名よりも有名になった芸名
「テンション」の相方の本名は、小浦一優さんです。
しかし、2008年を境に小浦一優という本名よりもピン芸人の方の芸名が有名になって行きます。
小浦さんの芸名とは「芋洗坂係長」です。
「R-1ぐらんぷり2008」に、かつて舞台の芝居で演じたサラリーマン姿の「芋洗坂係長」として出場し、なだぎ武に僅か2点差で負けて準優勝をします。
肥満体型でありながら、バリバリに動く身体でダンスを難なくこなす姿は、男性版の渡辺直美さんとでも言うべき存在でした。
当時であればお会いして17年の歳月が経っているとはいえ、実際にお会いしてお仕事まで御一緒させて頂いた方ですから、そんなに覚えていない筈はないのです。
それでも私は、気が付きませんでした。
余りにも体型が違い過ぎるのですからww
30年前の私の頭には、スマートで小柄というイメージが、相方の田口さんとの対比からありました。
それが、田口さんよりもふくよか過ぎる程にふくよかな肥満体型になっていたのですから、気の付きようもありませんでしたww
では、「芋洗坂係長」ではなくて、小浦一優さんの出演履歴です。
■テレビドラマ(小浦一優 名義)
○東京ワンダーホテル
○雲と波と少年と
○元祖!でぶや
○ドラマ明日があるさ
○CSテレ朝ナビ!!スペシャル(イモアライザカ係長 役)
○アリバイ崩し承ります 第1話(2020 肉店店主)
○麒麟がくる 第12話 (2020 公家)
■テレビドラマ(芋洗坂係長 名義)
○イタズラなKiss〜Love in TOKYO(2013 入江重樹)
○イタズラなKiss2〜Love in TOKYO(2014〜2015 入江重樹)
○月曜ゴールデン「十津川警部シリーズ53」(2014 住職)
○キャバすか学園(2016)
■テレビドラマ(芋洗坂登郎 名義)
○ドラマ霊能力者 小田霧響子の嘘
○秘密(2010)
○空飛ぶ広報室 第6話(2013 前園)
■テレビ番組(芋洗坂係長 名義)
○「オヤジバトル!」(2012)
○北九州市政広報番組「こちら北九編集部!」(2014〜2016)
○北九州市政広報番組「北九州カフェ」(2016〜2018)
○未来広告ジャパン!(2015 Eテレ)社会科番組
■テレビ番組(芋洗坂登郎 名義)
スター☆ドラフト会議 第3回最強ダンススターGP(日本テレビ、2012年9月4日)
■お笑い番組(芋洗坂係長 名義)
○体操の時間。(2008 火・金曜レギュラー)
○R-1ぐらんぷり2008
○ハピふる!「エンタキテます!」
○エンタの神様
○爆笑レッドカーペット
○お笑いDynamite!
○学校へ行こう!MAX
○ザ・イロモネア(2009)
○銀玉王(2009)
○体育倉庫〜ジムくんとゆかいな仲間たち〜(2009)
○笑点(2010)
■映画(小浦一優 名義)
○劇場版 ひみつ×戦士 ファントミラージュ! 〜映画になってちょーだいします〜(2020)
○がんばれいわ!!ロボコン ウララ〜!恋する汁なしタンタンメン!!の巻(2020 伊東カズオ)
■CM
○UGAパーティーステーション(2008)
○ポッキー(忽那汐里と共演)
○北九州市議会議員選挙投票啓発(2009)
○明日のレモンサワー(サントリースピリッツ 2017)
■舞台
○カーテンズ(2010)
○ZORRO THE MUSICAL (2011 日生劇場 ガルシア軍曹)
○オーシャンズ11(2014 東急シアターオーブ・梅田芸術劇場 ルーベン)
○ライ王のテラス(2016 赤坂ACTシアター)
○三銃士(2016 日生劇場 ルイ13世)
○コインロッカー・ベイビーズ(2016 赤坂ACTシアター、福岡市民会館大ホール、広島文化学園HBGホール、オリックス劇場)
○ドラゴンクエストライブスペクタクルツアー(2016 さいたまスーパーアリーナ、マリンメッセ福岡、日本ガイシホール、大阪城ホール、横浜アリーナ トルネコ)
○世襲戦隊カゾクマン(2014、2017、2019)
■劇場アニメ
○ズートピア(2016 マイケル・狸山)
■オリジナルビデオ
○新まるごし刑事! 鉄拳制裁だ!歌舞伎町!(2009)
○実録マフィアンヤクザVII GROUNDDOCUMENT(2013)
○ボルトマン 俺の汗で世界を救う!(2014 主演・三朗/ボルトマン)
■本
○みならい天使のさんたろう(2009 扶桑社)
■PV
○祭り囃子でゲラゲラポー/キング・クリームソーダ(2014、avex trax)
○はじまるきせつ/さくらしめじ(2015)
○ジョー☆デッキー!!!/はやぶさ(2018 テレビアニメ「デュエル・マスターズ(新)」OP曲)
■振付作品
ま北九州市 認知症支援・介護予防センター「E・G体操」
○島谷ひとみ「うれしいことを探そう!プロジェクト 芋洗坂係長 振り付けバージョン」
○BEYOOOOONDS「こんなハズジャナカッター!」
小浦さんは元来はダンサーで、高校時代からダンスチームを結成して活動していました。卒業後は田原俊彦や中森明菜のバックダンサーを務めるなどといったプロダンサーとして活躍されていました。
それが田口浩正さんとの出会いによって、「テンション」の結成へと方向が変わって行きました。
更に、「テンション」の活動休止に伴い、田口さんは映画俳優を目指し、小浦さんは舞台俳優を目指す事となります。
そして、「芋洗坂係長」としてブレイクするのです。
趣味が似顔絵描きということから、息子さんの為にと絵本も作られる程で、特技のタップダンスは芋洗坂係長としてのダンスに活かされています。
●「通訳」という役
小浦さんも田口さんと同じく真面目な性格な様で、撮影現場でも田口さんと良く段取りを練習する等といった芸人の舞台袖といった光景が見受けられました。
しかし、慣れない撮影現場という緊張の連続の様な状況が、彼らの顔から笑顔を奪ってしまっていた様に感じました。
それに田口さんのビジュアル的なインパクトに比べれば、一般人としてのインパクトしかない小浦さんでしたから、「通訳」という話芸重視の役処での配役となったのだと思いますが、何処まで活かされたのかが悔やまれます。
小浦さんのダンスという特技をもっと活かせる演出もあったのかも知れないと思う事もありますが、話芸の芸人枠としての脚本先行という事もあり、余り活かされなかったのが残念でした。
そんなビジュアルインパクトを得た姿とダンスを全面に打ち出した「芋洗坂係長」の姿は、小浦さんというサナギから生まれ出た「にこやかに微笑む暑苦しい顔で、重い体重に飛び兼ねて地面スレスレでタップダンスを踊る汗ダクの蝶」といった感じで、小浦さんの真骨頂です。
●「浦沢脚本作品」への帰還
小浦さんと云えば、昨年の東映の特撮映画「がんばれいわ!!ロボコン ウララ〜!恋する汁なしタンタンメン!!の巻」で、ロボコンの居候する中華料理店の店主の伊東カズオ役で「浦沢義雄脚本作品」へ帰還された事が、私的には嬉しい出来事でした。
あの「浦沢ワールド」に29年振りに帰還して、小浦さんは撮影現場に楽しめる余裕が出来たのでしょうか?
「不思議コメディシリーズ」が終了してしまったにも関わらず「浦沢脚本」という共通項で復帰出来る世界観があるという奇跡が私には見えて、ピンとなった小浦さんが新たな武器と共にリトライをされたのだろうと信じて止まないのです。
●あとがき
通常の倍以上の文章量の大半が田口さんの出演履歴であることは、彼が如何に名バイプレイヤーであるかという証しとも言えるでしょう。
「ナイルなトトメス」の後に田口さんを認識したのは1995年の「王様のレストラン」へのレギュラー出演でした。
4年前の「ダメンテ大統領」役の表情とは違って、エネルギーが満ちている様に感じてしまいました。
私は、お仕事で御一緒させて頂いた役者さんやスタッフには、それが少しの袖擦れ合う機会であっても愛着が湧いてしまう方なので、テレビドラマのテロップにスタッフの名前を見つけたり、スーツアクターさん達の名前を見つけたり、また、キャストであれば画面にホンの一瞬でも映ろうモノならば、我が旧友の様に嬉しくなってしまいます。
それが、若い頃に苦労されている方なら尚更です。
そして、名前が売れてレギュラー役も着いて、顔を頻繁に観るようになると、目頭が熱くなる感覚すらあるのです。
小浦さんの「芋洗坂係長」としての御出演は、ただただ眼を疑うばかりでしたが……ww




