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余り語られない撮影所のあれこれ  作者: 元東△映助
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余り語られない撮影所のあれこれ(134) 「ロケーション現場」Vol.6「秋ヶ瀬公園」

★余り語られない撮影所のあれこれ(134) 「ロケーション現場」Vol.6「秋ヶ瀬公園」


●使用頻度

ロケーション現場として今まで様々な場所を語って来ましたが、どのロケーション現場も画面を観れば「あそこだ!」という特徴的な場所ばかりでした。

今回のロケーション現場も特徴的ですし、特定もし易いのですが、実は様々な顔を持ったロケーション現場なのです。

その名も「秋ヶ瀬公園」。

画面に映し出される背景としては、様々な様相を持っています。

それだけに使用頻度も高いロケーション現場でもありました。

今回は、そんな「秋ヶ瀬公園」の事を語ってみます。


尚、例によって情報のほとんどが約30年前ですw

今となっては変わっていることや、無くなっていることもあります。また、記憶の内容が30年の間に美化されたり劣化してしまっているものも存在しますwwその点をご理解の上、あらかじめご了承下さい。

そして、ここでの意見は、あくまでも個人的な意見です。

東映をはじめとした各社や映像業界の直接的な意見ではありません。その点を予めご理解ご了承下さい。


●毎回顔を変える

私が撮影所に入った当初、ロケ場所が「秋ヶ瀬公園」と香盤表に記入されていた際に、毎回の様に「?」という疑問符が頭に浮かんでいました。

高崎金属(=通称:高金)や寄居採石場などの一見して判るロケ地ならば、何も悩みません。

しかし、「秋ヶ瀬公園」は余りにも広大で、ロケーション先にロケバスで到着すると、毎回違った景色の場所に降ろされるのです。

前回と同じ場所に降ろされたとしても、そこから徒歩で移動して違った場所での撮影といった様に、同じ場所での撮影自体が珍しいロケ地でした。

それは、すなわち「毎回顔を変える」ロケ地と言えると思います。

まあ、台本に書かれたシーンタイトルから大体の場所は想像できるのですが…


●広大な敷地

「毎回顔を変える」程の様々な場所が利用できるロケ地。

それは、ロケ地としての場所が広大であるという事の証明でもあります。

事実、秋ヶ瀬公園はさいたま市の桜区に在りますが、大字栄和、大久保領家、山久保、神田、下大久保、上大久保、町谷、西堀、道場ほか地内(飛地)の荒川左岸と鴨川右岸に挟まれた広域な住所に跨がった場所に位置する荒川第一調節池内にある埼玉県営の都市公園(都市緑地)です。

荒川の河川敷で、秋ヶ瀬橋からその上流約3km、羽根倉橋までの区間に位置する公園でもあります。

100ヘクタール以上の敷地に軟式野球場11面、ソフトボール場6面、サッカー場2面、ラグビー場1面、テニスコート22面のスポーツ施設と、芝生広場、子供の森、ピクニックの森等の緑あふれる自然エリアがあり、炊飯場50区画、駐車場(合計 950台、障害者用27台)があります。


詳しくは、以下の施設が広大な敷地に広がっているのです。


○スポーツ施設ゾーン

野球場

ソフトボール場

サッカー場

ラグビー場

テニスコート


○利用緑地ゾーン

トリム広場

希望の国広場

西洋庭園

子供の森

屋外炊飯場

バーベキューエリア


○自然保護緑地ゾーン

野鳥園

野鳥の森

ピクニックの森


●秋ヶ瀬公園の開設と目的

秋ヶ瀬公園は、昭和41年(1966年)に都市の拡大による公園緑地の不足に対処するため計画され、昭和46年(1971年)に開設されました。


また、秋ヶ瀬公園は荒川第一調節池の範囲に含まれており、荒川が増水した際の遊水地、貯水池として機能します。

2019年10月の令和元年東日本台風により、秋ヶ瀬公園も冠水しました。


公園内の各施設は、一般に向けて有料で貸し出しもされていて、イベントや撮影等にも利用が可能となっています。


●ロケ地として

前途した様に、秋ヶ瀬公園は撮影場所としての貸し出しも行われています。

スチールでの撮影は勿論、映画やテレビドラマでの撮影用のロケ地としても有料で利用が可能なのです。

しかも、使用許可が必要ですが、花火程度の火気も使用可能なのです。

しかし、音、振動、臭気等の周囲に迷惑をかける行為は禁じられています。

勿論、汚したり壊したりといった場合には、原状回復をしなければなりません。

また、土日祝祭日は、有料利用者以外の利用者も多い為に撮影行為としての貸し出しはお断りされます。


東映の撮影所としても撮影場所=ロケ地として利用するには近い為に多くの撮影が行われました。

秋ヶ瀬公園は1971年の開設ですから、東映とすれば「仮面ライダー」シリーズの放送と同じ年となります。

記録としては1975年〜1979年に公開された映画「トラック野郎」シリーズのロケ地というのが残っている様です。


広い芝生広場やスポーツ施設、雑木林や舗装された長い直線道路等など、撮影に利用してくださいと云わんばかりの様々な顔がありますし、花火程度の火気の使用等の火気制限が解除されるというロケ地な為に、銃撃戦程度であれば撮影可能という事から、特撮作品のロケ地としても多く利用されています。


「メタルヒーロー」シリーズや「不思議コメディ」シリーズでもロケ地として利用されていました。

昭和の「仮面ライダー」シリーズでの利用は定かではありませんが、平成以降の「仮面ライダー」シリーズでは全作品で利用されています。

また、「スーパー戦隊」シリーズでも利用されています。


まぁ、料金の兼ね合いから、特に「不思議コメディ」シリーズでは、光が丘の整備が進むとロケ地としては光が丘公園や団地が多くなり、特別な場合を除いては利用されなくなっていきました。

コレは、「不思議コメディ」シリーズ自体がアクションや吊りによる小物や人形の操作が中心であり、銃撃戦等という花火や火気を使用した撮影が稀だった事にも起因しているのかもしれません。


●利用料金

業(営利目的)としての撮影の場合、一般的な利用料金とは異なる料金体系となります。


○スチール撮影

1件当たり(所在地が県内の会社の場合)

半日(4時間以内)2,670円

1日(4時間超~8時間以内)5,340円

8時間を超えて1時間延長ごと660円


○動画撮影

1件当たり(所在地が県内の会社の場合)

半日(4時間以内)18,030円

1日(4時間超~8時間以内)36,060円

8時間を超えて1時間延長ごと4,500円


○物品の販売、興行、その他の営業行為

1㎡当たり(所在地が県内の会社の場合)

半日(4時間以内)12円

1日(4時間超~8時間以内)24円

8時間を超えて1時間延長ごと3円


○競技会、集会、展示会、博覧会、その他これらに類する催し


【希望の国グラウンド】

(所在地が県内の会社の場合)

半日8:30~12:30/13:00~17:00 16,750円

1日8:30~17:00 33,520円

8時間を超えて1時間延長ごと4,190円


【三ツ池グラウンド】

(所在地が県内の会社の場合)

半日8:30~12:30/13:00~17:00 33,520円

1日8:30~17:00 67,050円

8時間を超えて1時間延長ごと8,370円


【トリム広場】

(所在地が県内の会社の場合)

半日8:30~12:30/13:00~17:00 20,950円

1日8:30~17:00 41,900円

8時間を超えて1時間延長ごと5,240円


【管理事務所東側広場】

(所在地が県内の会社の場合)

半日8:30~12:30/13:00~17:00 15,500円

1日8:30~17:00 31,000円

8時間を超えて1時間延長ごと3,870円


【上記以外の場所】

(所在地が県内の会社の場合)

表示面積1㎡当たり

半日(4時間以内)4円

1日(4時間超~8時間以内)8円

8時間を超えて1時間延長ごと1円


営利目的であっても秋ヶ瀬公園が埼玉県の公共施設の為に、県内企業に関しては利用料金は上記の通りですが、県外の方が利用する場合には記載料金の5割増となります。

尚、法人の場合は会社の所在地が適用されます。

映画やテレビドラマ撮影で、東映の様な県外会社の場合は以下の様な料金になります。

1件当たり

半日(4時間以内)27,045円

1日(4時間超~8時間以内)54,090円

8時間を超えて1時間延長ごと6,750円

これだけ広い場所を利用出来る料金としては、コレでも安いくらいです。


●あとがき

私の秋ヶ瀬公園のロケ地としての思い出は、雑木林と公園内道路での撮影でした。


「マスクマン」のピンクマスク=前田夏菜子(旧芸名、前田賀奈子)さん演じる森の女王様や斉藤暁さん、梅垣義明さん、出川哲朗さんが出演された「ナイルなトトメス」のナイルな悪魔3兄弟の潜む森も秋ヶ瀬公園の雑木林でした。

主演の堀川早苗さんが背中を露わにするシャワーカットの撮影の際に泣いたのもこの雑木林でした。


トリム広場だったかどうかは記憶は定かではありませんが、「機動刑事ジバン」で芝生広場で雑木林バックで撮影していたら、翌日に雪が降ってしまい、映像が繋がらないからとスタッフ総出で雪掻きをしたのも秋ヶ瀬公園でした。


「女バトルコップ」の主演の中村あずささんと

山下規介さんが乗るオープンカーの走りを引っ張り撮影で撮ったのも、「BATTLE&BATTLE クローンカプセル」でショッカーO野さんの吹き替えで私がバイクに乗ったのも秋ヶ瀬公園の全長数キロの公園内道路でした。


秋ヶ瀬公園で撮影された映像作品の「作品名」「シーン」「カット」の数は膨大な量にのぼるのは、多くの撮影場所と立地の良さと利便性は、東映京都撮影所の「大覚寺」さんの様に、特に東映東京撮影所としては何ものにも代えがたい場所なのです。

駐車場もあって撮影機材も運びやすく、芝生広場や雑木林といった本来ものすごく奥まった場所にあるロケ地に直ぐに到着する場所という好立地は、撮影のロケ地として最高でした。

だからこそ、これからも多くの映像作品のロケ地として、無数の設定の場所として利用されて行かれるのだと思います。


●アクセス

恒例のアクセスです。


○電車 

JR埼京線「中浦和駅」から徒歩30分(秋ヶ瀬緑道2.2km)

○バス

JR浦和駅西口から志木駅行「さくら草公園」下車徒歩3分

JR浦和駅西口から大久保浄水場行で「道場」又は「下大久保」下車徒歩15分

○車輌

駐車場(合計 950台、障害者用27台)があります。


○詳細につきましては秋ヶ瀬公園管理事務所窓口にてお問合せください。

秋ヶ瀬公園管理事務所(指定管理者)

電話:048-865-7966


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