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誓約書

「まずは貴様のそのニヤケ面を潰してやる!!」


 アーデルハイトは俺に向けて片腕を手を拳にした状態で伸ばす。

 すると、その手にはめられた指輪の宝石が光だし、俺に向けて小さな発光する球体を飛ばした。

 球体はそれを弾こうとした右腕にヌルリと吸い込まれ、俺の右腕が淡く光だした。


「何だこれ?」


「私の魔法は分散しやすいんでね。分散を避けるための目印みたいなもんだよ。」


 しまったな。

 迂闊に触るんじゃなかった。

 そうなってしまったからには相手が魔法を打つ前に戦闘不能、もしくは戦意喪失状態にするしかない。

 俺はアーデルハイトをとりあえず1発ぶん殴って戦意を削ごうと振りかぶるが、その瞬間右腕に激痛が走る。


「【痛覚】(ペイン)!!」


「関係ないな。」


 激痛が走った状態のまま俺はアーデルハイトをぶん殴った。

 勿論魔力を込めないようにできる限り優しく殴ったつもりだが、アーデルハイトは派手に向こうの壁まで吹き飛んでいく。

 殴った後遅れて俺の右腕に更なる激痛が走る。

 この感覚は……腕の骨が折れた時の感覚だ。

 そしてその状態で殴った時の感覚。

 答え合わせのように、アーデルハイトが殴られた頬を手で抑えながら俺を怒鳴りつけてくる。


「お前の腕には骨が折れた時の痛覚が直接脳へ送り込まれて、完璧に再現されているはずだ!!何故怯まん!?」


「まぁ、痛いけど、もう慣れたよ。」


「な、慣れただと!?」


 アーデルハイトは驚きを隠せないようだ。


「成程な。拷問好きのお前には良くお似合いの魔法って訳か。」


 俺は淡く光る腕を見て、実際に折れていないかブンブン振り回す。

 振る度普通に痛いが、別に耐えられない痛みでは無い。

 その様子を見てアーデルハイトは更に驚愕の表情を浮かべ、自分の目の前にいる人間が普通でないことを悟ったようだった。


「く、くそう!!ならばもう1発!!」


 またアーデルハイトは俺に拳を向け、2発目の光の玉を発射してきた。

 当たってやる義理は無いので足に向けて飛んできた光の玉をひょいとかわすが、ホーミング機能があるのか、かわすために上げた俺の左足を追尾し、ヌルリと吸い込まれていく。


「【痛覚】!!」


 今度は足に握りつぶされたかのような痛みが走る。

 ふくらはぎを四方八方から万力で締めあげられるような痛みだ。

 が、それもまた俺の歩みを止めるには至らなかった。

 俺はアーデルハイトの首をあえて右腕で掴み、左足だけで立って見せた。


「く、くそう、化け物め……。何が望みだ……。金か?女か?なんでも好きなものをくれてやるぞ……。」


「命乞いか。いかにも小悪党らしいな。」


 首を捕まれ息がしづらいアーデルハイトは、途切れ途切れの言葉で俺の聞きたかった台詞を吐く。

 その台詞を言ったと同時に俺はアーデルハイトの首を手放し、事前に用意してあった誓約書をアーデルハイトに見せた。


「丁度いい。これにサインして貰おうか。」


「何だこれは……?」


 そこに書かれていた内容は、現在所有している金銭、土地、奴隷等の物に至るまで全てアーデルハイトが俺に無条件で譲渡する事。

 その代わりアーデルハイトの貴族階級と命だけは助けてやるという主旨の物だった。


「こんなもの承諾出来るわけが無い!!」


「なら今すぐお前を殺すだけだが?」


「くっ!!」


 アーデルハイトは暫く考えた後、突然ニヤリと笑いながら返答した。


「いいだろう。その誓約書にサインしてやる。」


 アーデルハイトが指を鳴らすと、どこからともなく羽根ペンが現れ、それを使いスラスラと名前を書いた。


「これでお前らは帰ってくれるんだな?」


「ああ。こいつを早く役所に届けないと行けないからな。」


「フン。好きにするが良い。」

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