やるべき事
んで結局、俺はルシウスと同じ部屋で寝ることになった。
やたらじゃんけんの弱かったルビィが家主なのに1人でリビングのソファで寝かされ、ソールとタンポポ、レインとラックが同じ部屋となる。
部屋が決まった後は各々の部屋に荷物を置き、飯食ったり風呂入ったりした後、大人しく部屋へ移動した。
「何が楽しくて野郎2人で同じ部屋に泊まらにゃならんのだ。」
「私は結構楽しいですけどね?」
「何でだよ。」
言葉通りルシウスは俺にイケメンスマイルを向け、俺を落とそうとしている。
この俺がその程度で落ちるわけが無い。
俺達はツインのベッドに横たわりながら話を続けた。
「そういえば幾つかお前に聞きたいことがあったんだった。」
「何ですか?」
「帝都でソールを助ける為に走っている最中、俺は貧民と暗部に脅されただろう?その理由だ。」
「あー……。」
ルシウスは言いづらそうにしているが、俺は引く気は無い。
あの時俺はレインが止めなければ恐らく2人とも殴り飛ばしていたからな。
その意志を悟ったのか、ルシウスは口を開いた。
「出来ればソールには聞かれたくない話ではあるので、小声で話しましょうか。帝都の中、あの城壁の中は皇帝の魔力が満ちているんです。そしてその魔力を長期間吸収した者は皇帝に心酔するようになります。」
「って事は俺らも……?」
「いえ、肌感ではありますが皇帝の魔力は大気の魔力に該当します。ご存知の通りそれ以上の魔力を扱える者にその力は発動しません。一成さんだけはかなり特殊なので分かりませんが、皇帝に心酔している様子が無いですし、期間も1ヶ月程度と短いので大丈夫でしょう。」
「成程な。だからあの時周り全員俺の敵になっていた訳か。」
ルシウスはゆっくりと頷き腕を組む。
「私は強制力の強いあの力は非常に危険だと考えています。正直に言って人間の所業では無いとさえ。ですが彼はソールの父であり皇帝です。私には自分の力を最大限使って民の代わりに戦い続けることしか出来なかった。」
「現にそれで他の人間達が戦闘に駆り出される事はほぼ無かったんだから正解だったんだろうな。俺も皇帝のそのやり方は気に入らねぇ。」
ルシウスは少し笑顔を漏らしながら息を吐き、あぐらをかいて剣の手入れを始めた。
俺もベッドに座り、タバコを手に取って火をつける。
「倒すべきは皇帝1人。しかしそれを阻むものは多いでしょう。それに私達には世界を回り魔源を収める使命もある。」
「全部をいっぺんにじゃなくて良い。1個ずつ片していこう。レインが居るこの世界を色んなもんに好き勝手にされたくねぇからな。」
ルシウスは俺の言葉を聞いてやれやれと首を振り、話題を変えた。
「それより一成さん。この町、どう思いますか?」
「嫌な気配がずっと続いてやがる。常に監視されているような、だが全く近寄ってこない。そんな感じだ。」
「少なくとも良い街ではありませんよね。」
ルシウスがそういったのも束の間、俺とルシウスは立ち上がり、窓を開けて外へ飛び出した。
家の玄関、3人のフードを被った男が武器を持って立っている。
「何もんだテメェら。」
「もう気付かれたのか!?」
「クソ、やるしかねぇ!!」
「一成さん、殺さないでくださいね。」
3人の男は一斉に俺達に襲いかかってくるが、ルシウスが一瞬で2人をみね打ちにより沈め、俺が1人にチョークスリーパーをかけて落とした。
フードをめくり顔を確認する。
3人とも知らない顔ではあったが、耳が長く色白だ。
「コイツら、エルフか。」
「どうやら巫女を狙うベリアル達も動き出してしまったようですね。先を急ぐ必要もありそうです。」
「コイツらはどうする?」
「プライドの高いエルフ族がここまで呆気なく返り討ちにされてまたすぐに襲ってくることも無いでしょうし道に捨てておけば朝には居なくなっているかと。」
「了解。」
俺は3人を持ち上げ、家の敷地から路地の方へぶん投げる。
タバコの火がまだ残っているのを確認して大きく吸い、その火を靴で消した。
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