第三十四話 ぞく・スキル けんしょう と じょうかまち さんさく
遅くなりました_(┐「ε:)_
いちゃこらをどこまで書き込むか悩みどころです。
9/17 11:27 サブタイトル修正しました
結局あの後いくつかのスキルと必殺技を取得した。
結果今のステータスはこんなところだ。
〜ステータス〜
名前:柳藤十郎信晃
レベル:30 (906/3000)
年齢:26
種族:人間
所属:織田家
職業:遊撃隊大将
称号:鬼柳
状態:健康
体力:290/290
気力:290/290
妖力:82(80+1+1)
力 :96(76+20)
頑強:74(70+4)
敏捷:73(71+2)
器用:80(70+10)
知力:70
精神:77(74+3)
幸運:58(52+6)
残スキルポイント:30
技術:剣術Ⅱ、槍術、無手格闘術Ⅱ、忍術(刀)、斧術、体術、弓術、符術、急所突き、投擲術、解体、超集中、隠密、気配察知、夜目、飯綱の法、抵抗、二段跳び
必殺技:
剣術 / 二連撃 ★★★★★、回転斬り ★★★★★、圧し切り ★★★★★、霊切 ★☆☆☆☆
槍術 / 二連突き ★★★★★
無手格闘術 / 正拳突き ★★★★☆、回し蹴り ★★★★★、後回し蹴り★★★★★
忍術 / 鎧貫き ★★★☆☆
斧術 / 兜割り ★★★☆☆
弓術 / 驟雨 ☆☆☆☆☆
符術 / 火炎符 ☆☆☆☆☆、雷電符 ☆☆☆☆☆、氷雪符 ☆☆☆☆☆
複合必殺技 / 火炎斬り ☆☆☆☆☆
〜装備〜
主武器:矢薙ぎ兼近(攻撃力4+2)
副武器:忍刀・無銘(攻撃力2+1)
頭:なし
胴:木綿の小袖/肩衣(頑強+2)
腕:なし
腰:木綿の袴(頑強+1)
脚:木綿の足袋(頑強+1)
装飾品1:市のお守り(幸運+5)
装飾品2:管狐の竹筒(妖力+1)
技術名:剣術Ⅱ
効果 :刀の扱いがより上手くなる。強力な剣術スキルと他スキルとの複合必殺技の習得が可能となる。太刀を装備した時の攻撃力+3
取得特典:力+5、器用+4
必要スキルポイント:5
技術名:符術
効果 :符を使った術式が上手くなる。火・氷・雷の3属性の符の作成が可能になる。符術の攻撃力+1。
習熟特典:妖力+1
必要スキルポイント:3
技術名:無手格闘術Ⅱ
効果 :無手での格闘がより上手くなる。武器を用いない時の攻撃力+3。技術"二段跳び"を得る。
習熟特典:力+3、器用+2
必要スキルポイント:5
技術名:二段跳び
効果 :空中で一度だけ跳躍可能。
習熟特典:敏捷+1
必殺技名:火炎符/氷雪符/雷電符
熟練度 :☆☆☆☆☆ 0/300
消費気力:15
詳細 :符術の固有スキル。符術により発生させた火球/氷柱/雷撃を前方に飛ばす射撃技。
必要スキルポイント:各3
必殺技名:驟雨
熟練度 :☆☆☆☆☆ 5/300
消費気力:20
詳細 :弓術の固有スキル。複数の矢をまとめて放ち、雨の様に降らす射撃技。
必要スキルポイント:3
必殺技名:火炎斬り
熟練度 :☆☆☆☆☆ 0/500
消費気力:36
詳細 :剣術と符術の複合スキル。符術により発生させた炎を刀に纏わせて放つ斬撃技。
必要スキルポイント:5
無手格闘術は戦闘中に蹴りを使う頻度の高さから選んでみたら、まさかの追加スキル付きだった。
いや、符術との組み合わせで手足に炎を纏って、俺のこの手が真っ赤に燃える!(物理)とかを期待してなかったというと嘘になるが、スキル付与とは。
件の"二段跳び"は一回の跳躍につき一度だけとはいえ、空中で方向転換できるのは強すぎやしないか?
跳躍の強弱についてはまだ試してないが、いわゆる着地ズラしも出来るし色々と戦闘中の選択肢が増えそうだ。
符術関連は独立で取るのは難しそうだったので、スキルポイントを惜しむことなく消費して取得した。こればっかりはどうやったら取得できるのか想像もつかない。
これで事前に符を作成しておけば火、氷、雷の3属性を使えることになる。戦場での使い勝手はまだわからないが取っておいて損はないだろう。
複合スキルについては"火炎斬り"のみ取得した。
1種類取っておけば後の2つは発動シークエンスを真似てやればいいだろうと期待している。
その1種類に"火炎斬り"を選んだ理由は、その実用性だ。
雷や氷も使えないことはないが、属性攻撃に耐性がある訳でもないこの世界で付随効果が圧倒的なのはやはり炎だろう。
物を焼ける、燃やせるというのはそれだけで圧倒的なアドバンテージだ。それだけなら符術の方でも賄えるが、斬撃に火炎を乗せられれば単純に切れない物を熱し、柔らかくして切ることだって出来る。
そういった判断から"火炎斬り"を取得したという訳だ。
そして今回の最大の地雷はまさかの弓術スキルの"驟雨"だった。
雨のように矢を降らすって浪漫じゃん?こういうスキルがあると思ったから弓術は楽しみだったし、意気揚々と取った訳よ。でもいざ使ってみたら、降らす本数=打った本数だった。
よくゲームだと1〜数本の矢を撃つと十数本の矢が降ってくるんだけど、あれってどういう原理なんだろうな?MP消費型の場合、矢を魔力で複製してんのかね。
だがここは俺のステータスがぶっ飛んでいるだけで、日本の戦国時代だ。当然魔力で矢を複製なんてある訳もなく1本打ったら1本だけ降ってくる。雨というより水滴だな!
その後まとめて何本打てるか試したが、8本が限界だった。それ以上撃とうとすると全く飛ばないのだ。
複合スキル化しても、元々遠距離同士の物を組み合わせても旨味はあまりない。火炎矢なんて普通の火矢とかわらないしね。使えるとしたら雷電矢くらいか?
そもそもだ。単純に1矢ずつ撃って敵を倒すくらいなら今の俺なら丸太を投げる方が早い。
乱戦で敵を討つなら弓矢の方がいいが、乱戦になる頃には俺がまず最前線にいるからなぁ。
結局今の俺にとって弓矢は火縄銃よりは有効射程が長いが、使いどころがあまりない死に武器となってしまった。
予想外の展開に膝をつき落ち込んでいた俺だったが、気持ちは切り替えなきゃいけない。
当面の問題は符術系、複合必殺技の練習をどうやってやるかだなぁ。
"二段跳び"くらいなら最早「あぁ、柳か」くらいで済まされそうだけど、さすがに何もないところから火や雷を出すのは皆の想像の斜め上すぎるだろう。
どうしたもんかと悩んでいると目の前から市がやってきた。うむ、今日もうちの嫁はかわいい。
「藤十郎!」
「市、今日も帰蝶様のところか?」
「いいえ、義姉上とは昨日たくさんお話ししましたもの。今は藤十郎を探していたのよ?」
「俺を?」
「ええ」
珍しいな。祝言を挙げてからは夜は大体一緒にいる訳だし、あんまり市が俺を探すことってなかった気がするが…
「………だって日の高いうちから藤十郎の身体が空いているのって久しぶりだから、一緒に何かしたいなと思って」
ぐあああっ!尊い!うちの嫁が尊いぃぃぃ!
「………藤十郎?」
「はっ!」
黙って悶え苦しむ俺に、市は不安そうな顔をして覗き込んでくる。
何をやっているんだ、俺は!あんなことがあった後だ。男なら、夫なら妻を楽しませて笑顔にさせるべきだろう!
「よし、なら久しぶりに城下町に出かけるか?昔はよくこっそり出掛けていただろう?あれから清洲はますます発展したしな、市の記憶とは色々と変わっているだろうしな」
「うん、良いわね!でもどうやって抜け出すの…?私も流石にもう塀の穴からとかは抜けられないと思うのだけど…?」
「ふふふ、任せておけ。俺に考えがあるからな」
「ふふ、藤十郎のそういう顔も私は好きよ?」
自信満々に答える俺に、市は楽しそうに笑って踊るような足取りで自室に向かうのであった。
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
俺の考えとは単純なこと、市を抱え上げて、"隠密"スキルで塀を飛び越えるというものだ。
察しの良い人間なら違和感を覚えるかもしれないが、普通の相手なら隠密状態の俺に真正面に立たれてもすぐには気付かれないくらいに存在感を消すことができる。
そしてこのスキルの素晴らしいところは俺が触れているものも同じく気配が消えるのだ。つまり俺が市に触れている限り、市の気配も消えることになる。
これで完全犯罪もとい、完全脱出の完成である。
「あんなに派手に塀を飛び越えたのに、本当に誰も気が付かないのね?」
「そういうもんだ。まぁ誰でもできるわけじゃないし、勝三郎殿や彦右衛門殿(滝川一益)辺りならすぐに気付くと思うよ?」
というかこの織田家で気配を殺すことで出し抜ける人間が果たしているのだろうか?
俺だって一応まだ鍛錬はしてるけど、一向に恒興さんを出し抜ける気がしない。
ふぅん、と納得する市の今日の格好は下町のお嬢スタイルだ。
いつもは長く垂らしている髪は今は一束結びにしてまとめている。
服装もいつもの煌びやかな小袖と打掛ではなく、まつちゃんから借りた、落ち着いた色の小袖を身に纏っている。
だが格好は見事な下町スタイルだが、本人から放たれるオーラは一般庶民ではありえない。
簡単に結われているが、艶やかなその髪は日頃の手入れが伺えるし、日焼けを知らないだろう雪のような肌は地味な小袖とのコントラストでいつもより更にその白さが際立って見える。
これだけの美少女だ。通り過ぎる人々がこちらに視線を送っているのがわかる。
ふふん、どうだうちの嫁はかわいかろう!
その後、顔見知りの店を巡ったり、市にとっては久しぶりの城下町を散策していると、市の額にうっすらと汗が滲んでいた。
「市、茶屋があるし、ちょっと休憩していくか?」
「ええ、そうしましょう」
茶屋の軒先の席に腰を下ろして、店員に団子と茶を2人前頼んだ俺を市が不思議そうな顔で見ている。
「どうした?」
「いえ、何だかとても手慣れていると思って…」
「ん、そうか?町に繰り出す機会の多い者ならこのくらい普通だと思うぞ?」
「ふぅん?」
しばらく他愛もない話をしていると団子とお茶が運ばれてきた。粒餡とよもぎ団子が2本ずつ並べられていて、非常に美味そうである。
「んー、たまには外でこうして団子を食べるのもいいなぁ」
「うん」
「松倉に戻った後もたまには城下の散策はしてみるか」
「うん」
「市?」
どうもさっきから市が上の空だ。中々珍しいなぁ。
一点をみつめてぼーっとしている。
その視線の先を追うと1組の若夫婦らしき男女がいた。
この時代の人間にしては珍しく人目をまったく憚らずいちゃついておられる。
男の方が団子を女性に差し出し、女性が口を開けて待っている。
いわゆる「あーん」というやつだ。
まさかこの時代でこんなわかりやすいバカップルを見ることになるとは。
しかしあれを見て市がぼーっとしているとなると…ふむ……
「市」
「うん」
「いーち」
「うん」
「市さんやーい」
「うん……ふぇ?」
再三の呼びかけにようやくこちらを向いた市がお間抜けな声を上げる。
それもそのはず、向き直った市の目の前には俺が差し出した粒餡団子があったからだ。
「藤十郎…?」
「ん?たまにはこういうのも良いかな、と思ってな。いらなかったか」
「えっ、あぅ、あの………」
「ん?」
目を泳がしながらわたわたとする市もかわいいなぁ。
そんな事を思いながら待っていると覚悟を決めたのか市が口を開けて団子にかぶりつく。
むぐむぐと団子を食べる市の顔は赤く染まっていたが、喜んでいる事は間違いなかった。
「美味いな」
「………うん」
「また来ような」
「………うん!」
そうして久しぶりのデートを終えた俺たちは上機嫌で御館へと帰っていった。
帰ったところで女官からの長いお小言がある事、近い未来に信長からの雷が落ちる(俺限定)事を俺たちはまだ知らない。
信長「てめー、謹慎中に御館を抜け出してデートとは良い度胸だな、あぁん?」
でも市が非常に喜んでいたので最終的には許しちゃう。
弓矢は後でちゃんと活躍の場がありますので、このままフェードアウトはしないです。
さて、ようやく次からまた色々と動き出します。
信晃がいない戦場の話を、閑話で書くべきかダイジェストで書くべきかは悩み中…




