二十七話
27
前日の雨模様から一転、空には雲一つない晴天が広がっていた。
これほど晴れ晴れしい空を見るのも久しぶりだった。この数日、灰色の空ばかりを見つめていたような気がするのは、自身の目が曇っていたからかもしれない。
言うまでもなく曇りが晴れたのは、キャスウェルのおかげだ。
歩む道が明確になることが、どれだけ心に影響を与えるのかを始めて実感したかもしれない。
「早いな」
振り返ると丁度アーリィが天幕から出てきたところだった。寝ぐせのついた髪を撫でながら、大きな口を開けて欠伸をしている姿は子供じみていて新鮮だった。
「おはようございます」
「あ、ああ。おはよう」
快活な挨拶をしてきたミーシャに、アーリィは目を瞬かせた。昨晩からの変わりように違和感を覚えているようだ。
そんな反応もミーシャにとっては嬉しいものだった。付き合いの短い他人の目から見ても、今の自分は不審に見えている。
それがたまらなく嬉しい。
「これから朝食を作るので、ちょっとだけ待っていてください」
「ああ……頼むよ」
「はい!」
怪しめばいいさ。
あたしは不幸な人間だった。不幸であることが、普通である人間だった。
そんな不幸の塊みたいな人間がこんなにも嬉しそうにはしゃいでいるのがおかしく見えるのだろう。つい数時間前に人生最大の不幸に打ち砕かれたはずの人間が、なんともないように振舞う様子を見て気が触れたとでも思っているのかもしれない。
どうでもいい。思いたいように思えばいいさ。他人になんと思われようがあたしには関係ない。
あたしは幸せになるんだ。幸せになるために歯を食いしばって生きてきたんだ。あたしには幸せになる権利がある。
◇◇◇
短い食事を終えると、終始無言だったアーリィが口を開く。
「さて、仕事の話だが──」
「すみません。あたしからいいですか」
ミーシャに遮られたアーリィは虚をつかれたような顔をした。
「今回の依頼、とり消すことはできませんか」
「……それでいいのか」
「はい。あ、途中まで案内してくれたことへの報酬はちゃんとお支払いします」
「いや、それはいい。私は君の要望に応えられなかったわけだから」
「でも」
「本当にそれはいいんだ。むしろ君を振り回すだけ振り回して、無駄足を踏ませてしまったことを謝りたい」
アーリィは座ったまま佇まいを正す。
「せめてもの償いではないが、君が仲間の元へ帰るまでは行動を共にしよう。安全が確保できる道までは私もついていく」
「いいんですか?」
「私は役立たずだったんだ。それくらいはさせてほしい」
話し方は下手ではあるが、灰色の眼光は鋭く、断られてもこれだけは譲らない、という意思が伝わってくる。
ここでへたに固辞して話が拗れても困るので、素直に好意に甘えておこう。別に不利益があるわけでもなし。
ミーシャが頷くとアーリィはほっとしたような顔をして、それからまた怪訝な目つきになった。
「どうしたんですか?」
「……大丈夫か?」
「え?」
「いやに落ち着いて見えるが」
どくりと心臓が大きく跳ねた。
ミーシャは動揺を悟られないように目を瞑って深呼吸をした後に、声のトーンを落としながら答える。
「……諦めの境地ってやつですかね。色々なことが起こって、なんだか疲れてしまいました。自分の手の届かないところで全てが進んでいて、完結してしまって。なにもかもがどうでもよくなってしまって」
「……そう、か。だが、世界とはそういうものだ。大切なものはいつだって理不尽に奪われる」
「そういう経験が?」
「生きていれば色々あるさ。私から言えることは、今は休めということだけだ。君はこれまで努力を続けてきた。だが、今はその努力の矛先が宙に浮いてしまっている。人は迷うと暗く深い感情の谷に落ちてしまうことがある。底から這いあがるにはとても長い時間が必要だ。君にはその時間が必要なんだと思う。だから、仲間の元へ戻ったらしばらくは休みを貰うといい」
「モデール監督者は万年人不足に悩まされているんです。そんな暇を貰えるとは思えません」
「それでも休むんだ。君のこれからの人生はとても長い。人生を有意義なものにするには、適度に休むことが重要だ。仕事仲間もきっとわかってくれるだろう」
「だといいんですが」
苦笑いを浮かべて溜息をつく。
この程度で誤魔化せるとは思っていないが、とりあえず不自然な応答ではなかったはずだ。
踏み込むべきではないと思ってくれたかどうかはわらかないが、アーリィもそれ以上追及してくることはなかった。
ミーシャは内心で安堵の溜息をつく。少し浮かれすぎたか。ぼろを出してキャスウェルとの約束に感づかれでもしたら面倒だ。
背中に流れる汗を感じながら、ミーシャは静かに警戒心を強くするのだった。
◇◇◇
一応の目的地として、特区を抜けた先のモデール職員専用の移動用道路を目指すことにした。
移動用道路とは、広大なモデール森林公園内で作業する森林保護官用に作られた道だ。普段は迅速かつ効率的に物資の運搬や森林調査を行うために使われている。移動用道路は環境に配慮した舗装がされており、森に設置された七つの観察塔を繋いでいる。
この道路に出てされしまえば、余程のことがない限りは明日中には監督署に戻れるだろう。
晴れた空から差し込む日差しが森の濃い緑と、そのなかにある赤、黄、桜、紫色の草花をの鮮やかさを引き立てている。
綺麗だ。
素直にそう思った。こう思えるのはきっとキャスウェルおかげだ。
濃厚な森の匂いに包まれ、ブーツの裏に伝わる土の感触を噛みしめるように歩く。
もう何度も見た森の風景も、匂いも、感触も始めて経験するような眩しさと高揚感が、絶え間なく体を満たしていくようだった。
先頭を歩くアーリィに視線を送る。太陽の光りを浴び、灰色の髪が星屑を散りばめたような煌めきを放っている。
『信用してはいけないよ』
アーリィの背中を見つめながら昨晩の会話をミーシャは想起していた。
◇◇◇
「その禁技の名は魂移し」
キャスウェルは秘め事を共有する悪友のように声を潜めて言った。
「まず前提としてグリフィスの記憶を強制的に元に戻すということは不可能だ。肉体や精神は時間と共に成長し、劣化し、朽ちていく。その摂理はなにをもってしても決して覆すことはできない。そんなことができるとしたら、それは神と呼ばれる存在だけだ」
「でも、それじゃあ父はあのままじゃないですか」
「まあ話は最後まで聞いて。確かに成長した肉体も精神も時間には逆らえない。一般的に魂と呼ばれるものは、経験を元に積みあげ作られていくものなんだ。肉体と精神という器に収まる個々を証明する本質とでもいうべきか。コップのなかに入っている水をイメージしてもらえばわかりやすいかもしれない。コップは肉体を、水は精神を表している。そしてその光景、つまりコップのなかに水が入っているという事実を認定しているのが魂だ。コップと水と観測するもの。これが揃ってこそ、人間やアシュマンは個として存在している」
「うーん……。難しい」
「まあ。これはあくまでそういうものがあるという認識を持ってくれれば深く理解しようとしなくてもいいよ。ここまでは前座だ。さあ、本題に入るよ。僕がこれからミーシャちゃんに話そうとする禁技魂移し。これはさっき説明した魂を他人のものと入れ替えるという技術だ」
ぞわりと首を獣に舐められるような嫌悪感がミーシャを襲った。おもわず自分の体を抱きしめる。
「なんか、それ……」
「怖い?」
「はい……」
ミーシャは昔読んだ物語を思い出していた。とある寂れた片田舎の村で魔術師が人の魂を抜きとり、全く別の人間に移し替えてしまうという話だ。
魔術師は訪れた村で生まれも育ちも性別も全く違う別人の魂を移しかえると、どうなるかという好奇心でその実験を行った。魂を移し替えられた人間は、記憶と自分の姿との乖離に発狂し、精神に異常をきたしてしまう。
納得のいく結果が残せない魔術師は、村の人々を騙しては実験の材料にしてしまった。幸運にも逃げ出せた一人の村人が、近くの町の教会に助けを求めたことで事件が発覚し、派遣された武闘派神父が魔術師を懲らしめるという物語だった。
まだ幼かったミーシャは、人が壊れていく鮮明で生々しい描写に強い恐怖を覚えた。
だから、キャスウェルの魂移しという言葉に幼いころの記憶を刺激されて敏感になっているのかもしれない。
「具体的にはどういったものなんです? その……魂移しというのは」
「この禁技は元々の肉体と精神を捨て、魂だけを抜き出し、他人の体に移し替えるというものだ」
「ちょっと待ってください。他人に移し替えるって、どういうことですか」
「文字通りさ。グリフィスの魂を別の誰かに移し替える。大丈夫だよ。抜き出した魂は僕の方でちゃんと保存して移行するから。ミーシャちゃんにはその後の対応をお願いしたいんだ。魂を移した後は必ずと言っていいほど拒絶反応を起こしてしまう。拒絶反応は肉体に染みついた記憶や精神の残りかすと、新たに入ってくる魂の記憶との乖離が原因だ。体は後から入ってきた魂を排除しようとする。このときに起こる反応が新たに入ろうとする魂を破壊してしまうんだ。グリフィスの場合、一部壊れた記憶を観測した魂が入ることになるから、拒絶反応を起こすまで時間がかかる。だから、ミーシャちゃんには拒絶反応を起こす前に散らばった記憶を一つずつ集めて繋ぎ合わせて欲しいんだ。なに、やり方は簡単さ。グリフィスとの記憶を、家族の記憶を体が安定するまで語り続けるだけだ。そうすることで、壊れてしまった記憶は元に戻り体は次第に本来の記憶よりも、入ってきた魂を優先するようになる」
あの物語のようだ。
絵本のなかの物語に出てくる魔女の実験がそのまま現実で行われるという事実に背筋がざわつく。
「それは……その人はどうなるんですか? その、入れ替えられた人は」
「そもそもこの禁技はとてもデリケートだ。一本の髪の毛を縦に切断し、糊で張り合わせるような繊細な作業が要求される。僕も君もグリフィスにつきっきりになるだろうから、もう一人の人間には悪いが死んでもらうしかないな」
「そんな! できませんそんなこと!」
「でも、これがもう一度家族と共に、というミーシャちゃんの願いを叶えることができる唯一の手段だ」
「でも!」
拭えない拒絶に任せるままに否定の言葉を口にしようとする。しかし。
「でも、でも、それは……誰かを犠牲にするってことで……」
首を絞められた羊の呻きに似た声を発するのが精一杯だった。
「犠牲のなにが悪いんだい?」
「はあ……?」
「人間は、というかこの世界に生きている全ての生命は誰か、または、なにかの犠牲のもとに成立している存在だよ。何故そんなことを気にするんだい」
「自分の幸せのために誰かを犠牲にするなんて……許されないことです」
「許されないって誰に許されないんだい?」
「それは犠牲になった人の家族とか……」
「別にいいじゃないか。それぐらい」
キャスウェルは吐き捨てるように言う。
「それくらいって……。誰かを不幸せにするってことですよ? 自分の願望のために誰かの幸せを毟るような真似が許されるわけ……」
「誰も彼もが幸せでいられれば、それはとても素晴らしいことだよ。皆が幸せでいれば、争いも不和もない。恵まれた人生を送り、生を終えることができれば、それは誰もが渇望する素晴らしい人生だと言えるかもしれない。だが、実際にそんな人生なんてありえないんだよ。自分が幸せになろうと思えば、誰かに不幸を押しつけることになる。その覚悟のないものに幸せは振り向いてくれない」
冷徹で、残酷で、研がれた刃のような声が、ゆっくりと胸の一点に突き刺さる。
「別に僕の思想の話をしているわけではないよ。これは紛れもない事実なんだ。食物連鎖と似たようなものだよ。世界はずっとこうやって回っている。人間もアシュマンも関係ない。幸せを手に入れるためには大なり小なり、犠牲が必要だ。ミーシャちゃんの幸せにも、誰かの犠牲が必要なだけなんだよ」
必要な犠牲。誰かの幸せを対価に得る幸せ。それが世界の摂理だとキャスウェルは断言した。
「ミーシャちゃんの覚悟次第で、幸せを得ることができる。魂移しならそれが可能だよ」
もしそんなことが本当に可能なのなら、それはとてもとても魅力的な話で、抗いがたい誘惑に満ちている。しかし、どうしても拭えない嫌悪感があるのも事実だった。
心臓が早鐘を打つ。この鼓動は一体なにを意味しているのだろうか。
「ミーシャちゃんは優しいね」
「……どこが」
「自分の幸せと他人の幸せを天秤にかけているんだろう。そして、その天秤はやや他人に傾いている。普通は手を伸ばせば届く距離に幸せがあれば、迷いはしても天秤は基本的に自分に傾くものだよ。そして、そのまま傾き続ける理由を探す。その選択をする正当性を積みあげて、さも自分が被害者で、この選択をする権利があると納得しようとする。確かに権利はあるからその反応は間違いでもなんでもない。正しく正常だよ。でも、どうだろうか。ミーシャちゃんはそうじゃないんだよね」
「そうでしょうか。普通、こんなことを言われたら大抵の人は戸惑うと思います」
「そうかな。毒を飲まされて目の前に治療薬があったら、薬に手を伸ばす人間がほとんどなんじゃないかな。わざわざ飲むか否かなんて考える馬鹿はいないでしょ」
「それは……比喩がおかしいです」
「でも、そこまで間違っているわけでもないんじゃないか。薬が幸せだとして、飲めば幸せ、拒めば不幸せだとしたら、皆迷わずに飲むじゃないか。仮にその場に自分と同じように苦しむ人間がいたとして、一つしかない薬を他人に渡すなんてことは普通しないだろう。だってその他人はきっと自身の手に薬があったら迷わず飲んでしまうから。苦しむミーシャちゃんには目もくれずに、さっさと薬を飲んで別れの言葉も慰めの言葉もなくその場を立ち去るだろう。なかには自分のしたことに罪悪感を覚えて心を痛める人はいるかもしれない。だが、そういった人も、見捨てたという自責の念から自分を救い出すために自身の行いを正当化し、次第に記憶の底へ沈めてしまう。ミーシャちゃんの言うように、確かに犠牲になった人の家族からは批難されるだろうね。でも、仕方がないじゃないか。そうしなければ幸せになれなかったんだから。きっと批難をする家族もいつの間にか忘れてしまっただけで、誰かの幸せを奪って生きてきている。お互い様なんだよ。ただ順番がきたってだけの話だ。責任を負わなければならないなんてことでもない。誰かを犠牲に幸せを勝ちとる。これが真理だ。皆その真理を心のどこかでは受け入れて、そして期待して、虎視眈々と待ち構えているんだ。自分の幸せの生贄はいつやってくるんだとね」
「もし世界中の人がそうだとしても、あたしは……」
「ミーシャちゃんは純粋で、綺麗で、そして幼いね」
「なんですか、急に」
突然の誹謗にいじけたように唇を尖らせて言うと、それが可笑しかったのか、くつくつと笑いが零れ聞こえてきた。
「別に馬鹿にしているわけじゃないんだよ。僕からすればその幼さは眩しくて、羨ましいんだ。長く生きていつの間にか失くしてしまったその純粋さは、僕には毒だよ」
ミーシャが視線をやると、キャスウェルは憐憫を帯びた瞳で夜空を見あげていた。
「でも、その幼さを保ったままでは大人になれない。皆、望むにしろ望まないにしろ大切なものを切り捨てながら大人になっていく。僕は幸せを求めるという行為は、切り捨てたものをとり戻そうとする二律背反だと思っている。子供のころはありとあらゆるものを手にしている。それは純真さであったり、勇気であったり、愛情であったり、心であったり様々だ。人は生まれながらにして幸せを象徴する全てを手にしているんだ。だけど、成長するに過程でそれらは奪われてしまったり、自身で切り捨ててしまう。それ自体は仕方のないことだ。環境は必ずしも平等ではない。百人いれば百人分の環境があり、それらは人生を左右し、限定してしまう。始めは同じぐらいあった幸せも、人によっては多くを切り崩しながら大人になるために成長していき、そして社会的に認められた瞬間に絶望するんだ。僕は幸せをほとんど失ってしまっていた、と」
キャスウェルの『僕』という言葉が嫌に重く耳に響く。
「始めはそんなものだろうと自分を納得させる。周りを見ても皆同じようなものだと。でも、あるときふと気がつくんだ。違う。あの人は友情を持っている。あの人は愛情を持っている。あの人は勇気を持っている。あの人は、家族を持っている、と」
ミーシャは家族という言葉に、まだ村にいたころにある見た光景を思い出していた。
「見ないようにしていた。見ないようにして、考えないようにしていた。でも、そうすると余計に周りのことが気になって、見てしまう。自分が失くしてしまったものを、あの人も、この人も持っているってね。その気づきは抗えない渇望を巻き起こす。一度認めてしまえば、逃れることはできない。喉の渇きに似た欲望を満たすことだけが頭を駆け巡る。でも、一度手から零れ落ちてしまったものというのは中々掴むことが難しい。求めれば求めるほど渇きは強くなり、脳を焼かれるような焦燥感が思考を鈍化させる」
小さい、ようやく言葉を話すようになったといったくらいの子供と、その子供を守るように小さな手を繋いで歩く二つの影。夕日を浴びて幸せそうに去っていく後ろ姿をただただ見つめていた。
あのとき、あたしはその影を見つめながら。
『あたしの場所を奪わないで』と、そう思ったのだ。
「どうしたら幸せを手に入れることができるのか。脳裏をよぎるのはそんな渇きに満ちた慟哭だけ。そして、尽きることのない嫉妬が憎悪に変わったころに、ふと思うんだ。他人が幸せで自分が幸せではないのは、誰かに幸せを奪われているからだ、と」
何故奪わないでと思ったのかはわからない。
「ここまで言われてもきっとミーシャちゃんは他人の幸せを奪うことに拒絶感があるんだろうね。だから優しい。でも、その優しさは場合によっては自身を侵す毒になってしまうということを知らなければならない。そして、その毒の治療法はたった一つだけ。それはね、選択することだ」
ただその光景が。三人の仲睦まじい姿が。
「皆、選択しているんだ。自身が幸せになるために、誰かを蹴落として、踏みにじって、ゴミのように投げ捨てて。そうやって世の人は幸せを手繰り寄せて離さないように、誰にも悟られないようにしているんだ」
失くしてしまった、あるはずだった家族の姿を見つめるだけのあたしは。
「僕はこの十年で色んな人の幸せを見てきたよ」
無力で、恥ずかしくて。どうしようもなく哀れだった。目の前の家族と、あたしがいる場所に一体どれだけの差があるのだろう。想像しようとしても思考に靄がかかってしまって上手く考えることができない。どうして。どうして。どうして。
渓谷の底で見あげるあたしと、頂で見おろすあたし以外。
どれだけ叫ぼうとも、どれだけ手を伸ばそうともこの差は埋められない。
どうしてこんなことになってしまったの。あたしはただ、ささやかな幸せが欲しかっただけなのに。
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