第八話 初等部入学
入院していました。本日なんとか退院出来ました。
予定の27日に完結出来なかったことをお詫びします。
第八話 初等部入学
5歳の鑑定の儀が行われてからちょうど1年後の秋、私は国立学園の初等部に入学した。ここで貴族としての常識・良識を勉強し、将来に備えるのだ。
侯爵家や公爵家などの上位貴族は家庭教師を雇って高等部からの入学となる子が多いそうだが、貧乏な伯爵家や、下位の子爵家、男爵家は初等部から入学して知識や作法を叩き込まれる。
といっても、前世聖女になるために平民とは思えないスパルタ教育を受けた私にとっては、ほとんどが簡単すぎて退屈な授業だった。
同級生も当然子供で、かわいいなとは思えても一緒に遊ぼうとはならない。
仮に一緒に遊んだとしても、木登りにしろ崖登りにしろ私が圧勝してしまうだろう。
もちろんままごとなどは興味すらない私だ。
結果、仮病を使った。
救護室のベッドは最近私専用の様相を呈している。
おなかが痛いふりをして救護室で休む。
頭が痛いふりをして救護室で休む。
特殊魔法で代謝を活発にし、体温を上げて風邪のふりをし救護室で休む。
あらゆる手を尽くして救護室で休む。
もちろんおとなしく休んでいる私ではない。
毛布を巻いてベッドに膨らみを作り、頭から布団をかぶって寝ているふりをし、空間接続で遊びに出かける。
最近はまっているのは誰も近づかない高山での一気登山だ。
この山の素晴らしい点は海岸から険しい山肌がそそり立ち、山頂までおもしろいほど急斜面が続くところだ。
木登りはもちろん崖登りに魔物とのふれあいなど、学校にはない刺激的な体験が私を待っている。
そして頂上にいるのは真っ黒いドラゴンさんだ。
最初は住み処を荒らしに来たと勘違いされてブレスをはいてきたが、ブレスをブラックホールに飲み込み、軽く火魔法であぶってから尻尾を持って振り回したら、自分の尻尾を切って逃げ出した。尻尾はそのままステーキにしておいしく頂いた。
しばらく経ってまた行くと、懲りずに再生した尻尾でなぎ払ってきたので、これをつかんで振り回すと、また尻尾を切って逃げた。
3度目、4度目と何度行っても再生した尻尾で殴りかかってくるので、その都度尻尾のステーキをおいしく頂くことが出来る。
しかも、尻尾の分の経験値ももらえる。
これなら討伐してしまうよりも毎回尻尾ステーキが食べられてお得だ。
今や完全に私の昼ご飯材料と化したドラゴンさんと戯れてから保健室に帰り、帰りの会には参加する。
当初は余りにもサボる私の成績を心配していた先生たちも、最初のテストで高得点をたたき出すと、自分で勉強したのね、偉いわねという具合で、黙認してくれるようになった。
さすがに高学年になると貴族のマナーやダンスの授業が高度化し、朝から夕方までサボるわけには行かなかったが、サボれるところはサボり尽くした。
一応、入院中に最終話まで書きましたので、校正が終わったものから投稿していきます。
体調が完全ではありませんので時間がかかるかも知れません。よろしくお願いします。




