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第三話 どうごまかすか。精神年齢100歳オーバーの実力を見せろ

第三話 どうごまかすか。精神年齢100歳オーバーの実力を見せろ


 ない知恵をひねっていたらウンウンといううなり声となって声が漏れていたらしく、崖から落ちたショックでどこか悪くなったのかと勘違いされ、兄に負ぶわれて屋敷へと強制送還された。


 お母様から小一時間ほどの説教をされたが、正直なところ心ここにあらずという状況だったため、内容は全く記憶に残っていない。


「セア様、転落した際、どこか痛めたのですか」

 お母様の説教に付き合ってくれたメイドが心配そうに声をかけてくれる。


「いえ、大丈夫よアン、考え事をしていただけよ」

「そうですか?でも、危険な目に遭って疲れているのは確かですよ。

 今日は早めにお休みになられてはいかがですか」

 心配してくれるメイドの言葉に便乗させてもらうことにした。自分の部屋でゆっくりと対策を練ることにしよう。



 部屋に帰った私はじっくり考える。

「ステータスをごまかす方法……」


「そういえば特殊魔法に隠蔽の魔法があったような……」


 前世でそういう魔法があるのは知っていたが、聖女という職業柄、自分で使うことはなかった。

 隠蔽の魔法は特殊魔法に分類される。

 使ったことはないが、特殊魔法の熟練度999999はメガ強……

 この中に分類されている魔法なら行けるかも知れない。


 私は早速隠蔽の魔法を行使して自分のステータスを鑑定する。




 名前 -------

 職業 --------- ------ ---- ------- ---

 適性魔法 ---(--:----) -----(--:--------) ----(---:---------)

 スキル ---(--:------) ---(--:------) ------(--:------) ---(-:-----)




 確かに隠蔽できたのだが、ステータス表示が全て「-」になってしまった。

 これはこれであやしすぎる。


「完全に消せないのかしら……」

 私は「-」表記も消えるように念じながら隠蔽魔法を再度発動する。


 名前

 職業

 適性魔法

 スキル


 成功だ。全部消えた。

 でも……


 これはこれでおかしい。名前すら空欄ではあやしすぎる。


「要は、見せたいところは見せて、見せたくないところは消せればいいのよね」

 私は聖女関連と高すぎる熟練度関係だけを隠蔽するように念じながら、三度みたび隠蔽魔法を発動した。




 名前 セア・シーラム

 職業 シーラム子爵家三女

 適性魔法 特殊魔法(  強:熟練度99    )

 スキル 木登り(強:熟練度99)


 これでいいだろう。魔法は使えるようにしておかないと、万一自分で使っているところを誰かに目撃されたときに言い訳が大変だ。属性魔法と特殊魔法のどちらにしようか悩んだが、いざというときに言い訳しやすそうな特殊魔法を表示させることにした。「メガ」の文字と「9」4つ分が空白になってしまい、なんだか間抜けなことになっているが、これ以上はどうしようもない。

 木登りは今世で取得したスキルなので隠さないことにする。

 この表示でなんとか乗り切ろう。







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