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第二話 記憶とともに最強の力を手に入れた

第二話 記憶とともに最強の力を手に入れた


 と言うことは、この体にも聖女の力があるかも知れない。

 早速自分のステータスを鑑定しようと試みる。

 前世で得意だった特殊魔法系列の鑑定魔法はあっさりと成功した。


 名前 セア・シーラム

 職業 シーラム子爵家三女 聖女のタマゴ 熟練聖女 聖女の中の聖女 超聖女

 適性魔法 聖魔法(神強:熟練度∞) 全属性魔法(鬼強:熟練度99999) 特殊魔法(メガ強:熟練度999999)

 スキル 護身術(大強:熟練度999) 格闘術(大強:熟練度999) サバイバル術(大強:熟練度999) 木登り(強:熟練度99) 崖登り(中:熟練度59)


 鑑定は成功した。先ほどの一本背負いは格闘術のスキルのなせる技だったようだ。

 そしてうなだれる私。

 前世の魔法もスキルも健在だ。

 人類の上限とされる熟練度999を大きく上回っている魔法の数々。

 今世で培った木登りスキルがかすむ。


 前世の最後、自由がない人生、恋も結婚も出来なかった私。

 冒険したくても監視が多く、力をつけてからは私の意思と関係なく、回復要員としてあちこちに連行される私。

 このままでは今世でも聖女に認定されるのはほぼ確定だ。なんと言っても聖魔法が神強なのだから……。

 前世のたゆまぬ努力の結果得た魔法やスキルをもれなく引き継いでいるのだ。

 鑑定の儀終了と同時に教会が拉致しに来るのは確定だろう。

 これが公爵家とか侯爵家とかの力ある貴族の令嬢なら、教会の要請を突っぱねることも出来る。

 しかし、私のおうちは子爵家……

 騎士爵や準男爵など一代限りの爵位を除けば、下から二番目の爵位だ。しかも三女。とても教会の要請を断ることは出来ないだろう。

 嫌だ。今世こそ自由が欲しい。私は切実に願う。自由を……


 しかし、現実は非情だ。5日後に誕生日を迎えれば、その1ヶ月後に国中の貴族の5歳児を王都に集めて、王家主催のお披露目パーティーと鑑定の儀が行われる。

 これが平民なら、近所の教会で適当に行うので、最悪仮病でやり過ごすことも出来る。 前世で何度も、この方法を5歳の時に思いつかなかったことを後悔しまくったものだ。

 しかし、貴族の場合は、仮病で休んでも教会鑑定士の方が出張してくる。


 だめだ。このままでは。何とかしないと。考えろ私……







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