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第12話 「ある村の伝説 前編」

*この作品には…過度な飲酒描写と喫煙描写が含まれていますので、

苦手な方は ブラウザバックして下さい(震え声)作品中の行為や行動について

よい子の成年は絶対真似しないでください(注意喚起感)

なお、お酒とたばこは20歳になってから…容量・用法を守って

正しく摂取してください(未成年への注意喚起感)

*変態(仲間)が多くなってきたので…今回からキャラ名「」の感じでいくゾォ~コレ!(アレンジ感)


朝焼けがバルハラドの空を染めるころ──

変態、煙女、酔侍、そしてギャンブル中毒が一行となり、新たな旅に出発していた。

ロイド「さーて!次はどこへ行こうか!」

マリス「東か西か、コイントスで決めようぜ。出た目が俺たちの運命──」

ロイド「待って!?地図も相談もなく!?!」

マリスは無慈悲に銀貨を放り投げた。空中でくるりと舞い、カランと鳴って落ちた銀貨は──

マリス「表──東だな」

ロイド「え、そっち砂漠しかなかったような……」

マリス「問題ねぇ。ギャンブルは環境じゃなく、ノリで決まる」

ロイド「名言みたいに言うな!バカか!」

コト「むしろバカだから言ってる気がするでござる……」

リー・アル「東って、確か“地獄の乾燥地帯”とかいうエリアじゃなかったアルか……?」

マリス「つまり穴場ってことだ!勝負師の直感、信じろっての!」

だが、ロイドは気づいていた。旅が変わったのは、この新メンバーのせいだけではない。なぜなら──

ロイド「……ねぇマリス。今日の朝食……すっごく美味しかったよね……」

コト「そうそう。宿のスイートルームの布団、ふかふかだったでござるな……」

リリィ「煙草代も全部出してくださって……もうマリス様には一生ついていきたいですわ……」

ロイド「おいお前ら、口調が全員“愛人候補”みたいになってるぞ!?」

マリスの後ろには、なぜか隊列が三角形に広がっていた。その姿はまるで、貢がれ王を囲う従者の如し。

そう──マリスが実はバルハラドのカジノでとんでもない額を勝ち取り、いまや一行の中で最も財布が分厚い存在になっていたのだ。

マリス「ちょ、やめろお前ら。その目。俺が金持ってるってだけで、なんでそんな“カモ”みたいな目で……!」

リー・アル「マリス様のギャンブルがあれば、資金も安泰アルよ!」

リリィ「旅費も、装備も、煙草代も!ぜーんぶ出してくれる人がいるって最高だな!!」

コト「拙者、マリス殿の財布に忠義を誓うでござる……!」

ロイド「そなたこそが我らが金脈……じゃなくて、希望!」

マリス「やーめーろーーー!!俺はATMじゃねぇぇぇぇ!!残高確認やめろぉぉ!!」

リー・アル「シャッチョサン、現在の貯金高、金貨12,872枚アル!使い放題!」

マリス「リー・アルてめぇGPSだけじゃなく銀行口座も連動してんのかぁ!?」

一行はいつもの調子でギャーギャー言いながら、東の地平線へと歩みを進めた。

新たな冒険、新たな土地、そして新たな災難(主にマリスの財布)を求めて──

変態と奇人と常習者たちの、愉快で破天荒な旅はまだまだ続くのであった。

マリス「……お前ら、本気でどんな旅してきたんだよ……。俺の人生ですらマトモに見えてくるとかどういうことだよ……」


──その夜

砂漠のど真ん中に、突如として出現した豪華なテント。マリスの持参した高級仕様のそれは、まさに“砂上のオアシス”だった。

ふかふかのクッションに、冷えた飲み物、風を防ぐ魔法加工の壁面。完璧な遮音構造と空調魔法。夜空を映し出す天井まで完備されていた。

ロイド「な、なんだこのテント……快適すぎる……!」

コト「……拙者、もう野宿には戻れぬ……」

リリィ「煙がまっすぐ上に抜ける構造……まるで祈りの館ですわ……」

リー・アル「シャッチョサン、これ全部マリス様の私物らしいアル。財力ぱないアル……」

ロイド「うぉおおおマリス様さいこぉぉぉぉ!!」

ロイドはその時…思っていた。

(お金がある旅って……こんなにも快適なんだな……じゃあ…俺たちのいつもの旅って…)

──翌朝。

マリスがトランプを1枚取り出し、銀貨を放る。

マリス「さて、次はどっちに行くか──運命はコイントス任せだ!」

空を舞う銀貨が表を向いた瞬間、彼女はにやりと笑った。

マリス「東だな。……あっちで決まり」

ロイド「またノリで!?地図見ろってばぁ!!」

だが、それはまさに“的中”だった──


──数日後。

一行は果てしない砂漠を越え、東にぽつんと存在する村へとたどり着いた。

しかし──村は静かだった。あまりにも、静かすぎた。

門は半ば崩れかけ、壁には黒い煤のような跡が残り、家々の屋根には大穴が開いている。井戸には蓋がされ、広場の片隅には倒れた荷車と破れた布。

ロイド「……まるで……戦場のあと、みたいだな」

リー・アル「こりゃ……モンスターにやられた感じアルな……」

風が砂埃を巻き上げる中、村の門前で立ち止まるロイドたち。

ロイド「ふぃ~……やっと着いたぁ~……足の裏に砂が定住し始めてる気がする……」

リー・アル「シャッチョサン、ヒールで砂漠は無理あるアルよ……」

ロイド「俺だってわかってんだよぉ!全部お前と会社のせい  だろがぁぁぁぁ……!」

リリィ「それにしても……マリス様との旅、本当に快適でしたわ。タバコは潤沢、ベッドはふかふか、財布はあたたか」

コト「うむ。拙者も久々に、りっぱな宿でどぶろくを味わえた感覚でござる……まさに天国……」

リー・アル「シャッチョサン、旅の快適度がここにきて大幅アップしたアルよ。マリス様こそ我らの宝アル」

ロイド「ちょ、お前ら!どんだけ乗っかる気だよ!?俺の立場どこ!?一応この物語の主役なんだけども…」

そんな会話をしていると、村の門の向こうから数人の住民が駆け寄ってきた。

村人「すみません! 旅のお方! お願いです、助けていただけませんか!」

村人「村が……村がモンスターに襲われて、物資も乏しくて……!」


ロイドたちは顔を見合わせた。

ロイド「よし、出番だな。変態と煙とどぶろくが火を噴くぜ」

マリス「誰が火を噴くって?」

とマリスが目を細めたが、すぐに住民たちの視線がロイドに集中する。

村人「ま、まさか……あなた様は……!」

村人「星空のスカート魔法使い!? あの伝説の変態勇者様では!?」

村人「うわああ!ほんとにいた!スカート短い!網タイツ生で見た!拝んどこ!」

村人「ありがたや……ありがたや……!」

ロイド「えっ!?なんで俺がここで崇められてんの!?変態なのに!?!」

村人「変態だからこそ神聖なのです!!」

ロイド「どういう宗教!?」

村人たちはロイドの両脇を固め、ぞろぞろと村の中へと案内を始めた。

村人「村長様がぜひお会いしたいと! どうか、お力をお貸しくださいませ、星空の変態様!」

ロイド「やめろぉぉぉその称号呼び方ぁぁ!!」

そのままロイドたちは、歓喜に沸く村人たちに囲まれながら、村の中心──

ひときわ大きな石造りの建物、村長の屋敷へと連行……いや、案内されていくのだった。


石造りの村長の屋敷──というには少々ボロボロな建物の広間へと案内されたロイドたち。

天井には穴、床にはヒビ、テーブルも脚が一本足りない。けれど村人たちはどこか希望に満ちた目で彼らを見つめていた。

そこへ現れたのは、立派な髭と丸い腹を揺らしながら歩く、見るからに苦労人の中年男。

それが、この村の村長だった。

村長「……遠路はるばる、ようこそお越しくださいました。旅の方々……」

その表情には、長く眠れぬ夜を越えた者だけが持つ深い疲れと、かすかな希望が宿っていた。

村長「我らの村は……数日前、魔王軍の配下──“灰翼の尖兵”と呼ばれる一団に襲われました。

 彼らは空から舞い降り、何の前触れもなく火を放ち、家々を破壊し、食料と水を奪い去ったのです……」

ロイドたちは、屋根の大穴、黒く焼け焦げた壁、ひび割れた井戸の理由をようやく理解した。

村長「兵を持たぬ我らは、なすすべもなく蹂躙され……。今も村の外れには奴らが陣を張り、再襲撃の時をうかがっております」

リリィ「……ひどい話ですわね」

コト「正面から襲われたら、逃げ場などなかったでござろうな……」

リー・アル「そりゃ村の空気がどんよりしてるわけアル……」

マリスは腕を組みながら、静かに村長を見据えた。

マリス「つまり、今この村は──魔王軍に包囲されてる状態ってわけだな」

村長は無言で頷き、そしてふと、ロイドを見つめた。

その目は、どこか懐かしいものを見るようだった。

村長「……ですが、見た瞬間に思い出しました。貴方の姿──

 そのスカート、その網タイツ、その……隠す気ゼロの自信満々な下半身……!」

ロイド「ちょっと待てやぁぁぁぁぁああああ!!!?」

村長は神妙な顔で、古びた書物を取り出す。

表紙には金色の星と、なぜか網タイツのような模様が刻まれている。

村長「この村には、古くから語り継がれる伝説があるのです……

 『いざというとき、星空より“中年変態勇者”が舞い降り、村を救うであろう』と──!」

ロイド「えええ!?中年!?変態!?勇者!?!?単語全部キツいんですけど!?」

村長「そして、その姿が……これです!」

ページを開いた先には、星のマントを羽織り、網タイツとスカートで仁王立ちする“変態紳士”のイラストが──

リリィ「……あら、これはもうロイド様そのものでは?」

コト「まごうことなき変態……いや、勇者?でござるな」

マリス「風になびくスカート、ポーズまで一致してるぞ……」

リー・アル「再現度100%アル。むしろシャッチョサンがモデルじゃないアルか?」

ロイド「誰か俺の尊厳を取り戻してぇぇぇぇ!!!」

村人たちはひざまずき、涙ぐみながらロイドを拝み始めた。

村人「間違いない!伝説の変態様だ!」

村人「星空のスカート! 網タイツの光! 神々しい!!」

村人「変態こそ正義……!」

ロイド「お前ら全員、価値観どうなってんの!?」

村長「どうか、どうか村を……!

 “変態中年勇者様”──いえ、”星空のスカート魔法使い様”    あなた方が伝説の再来だと、村の皆が信じております……!」

ロイド(……いや、確かにこれはおかしな話だけど──)

ロイド(頼られるって、悪くねぇな)

ロイド「……チッ、しょうがねぇな。見せてやるよ、“変態勇者”の底力ってやつを」

村人たち「おおおおお!!!」

──そして、村長は深々と頭を下げた。

村長「そして……お助けくだされば……我ら村の財、物資、酒、煙草、温泉、布団、そして干し肉と干し芋まで──

 できるかぎりの“お礼”を、必ずいたします!」

その瞬間──

リリィ「タバコ!タバコ無限補給ですのね!?」

コト「酒!?拙者、力がみなぎるでござる!!」

マリス「物資!?ギャンブルに使えるモノもあるか!?!」

リー・アル「財!?金アルか!!金なのかアル!?」

ロイド「ちょ、お前ら!?なんで突然テンション上がった!?報酬に食いつきすぎだろぉ!!?」

マリス「村長、契約書を!」

リリィ「領収書もお付けしますわ!」

コト「この忠義、酒のために!!」

リー・アル「村の金庫ごといただきアル!!」

ロイド「お前ら落ち着けぇぇぇ!!狂気乱舞ってこういうことじゃないからぁぁぁ!!」

村長「……助けてくださると、約束してくださるのですね……?」

ロイド「ま、変態としてのプライドにかけてな。こうなりゃ、最後まで付き合ってやるよ」

マリス「報酬の詳細は後日詰めるとして、まずは敵の情報だな」

リー・アル「拙者、布団と干し芋のためなら命を賭ける覚悟アル……!」

コト「拙者はどぶろくのために!命、惜しくはない!」

リリィ「煙草のために死ねる女、それが私ですわ」

ロイド「なんでみんな動機が俗っぽいんだよ!?」

そんな熱気に包まれる中──

ズズン……と、大地が低く震えた。

村人A「……ッ! あれは……!」

村人B「ひ、飛んでる……黒い、翼……!」

村人たちの視線の先──

砂塵を巻き上げながら、漆黒の翼を持つ異形の兵たちが、村の東門へと迫ってきていた。

先頭には、ひときわ禍々しい鎧に身を包み、異様に長い腕と金属の仮面をつけた魔物が立っている。

???「……村長ォ……聞こえているかァ……?」

その声は金属をひっかくような音とともに、村全体に響き渡った。

ロイド「……あれが、“灰翼の尖兵”……か」

村長はぎり、と歯を噛みしめながら屋敷の扉を開き、広場へと出る。

村長「……また来たか、外道どもめ……!」

???「……さァて……“村の秘宝”、まだ出し渋る気かァ? アレを渡せば、お前たちの命くらいは見逃してやるというのに……」

ロイド「秘宝? なんか話がファンタジーじみてきたな」

村長「この村に代々伝わる“秘宝”──それは村の守り神とも言うべきもの……絶対に渡すわけにはいかん!」

???「……ならば、交渉決裂……。皆殺しにして、瓦礫の中から探し出すまでよォ……!」

バサァッ!!

その合図とともに、灰翼の魔物たちが、一斉に空中から襲いかかってきた!

村人たち「うわああああああああ!!!」

村長「くっ……ロイド殿、皆さん!!」

ロイド「わかってる……ここからが俺たちの出番だ!」

マリス「さあて……賭けに出るか。勝負開始だ」

リリィ「一日三箱の煙草じゃ足りないって言ったでしょうに……全部、灰にして差し上げますわ」

コト「拙者のどぶろくに砂を混ぜた罪……思い知らせてくれる!!」

リー・アル「秘宝は渡さない!シャッチョサン!あとは頼むアルよ!!」

ロイド「いくぞォォォォォ!!星空のスカート旋風、開幕だぁぁぁぁ!!」

──星空のスカートが、風にひらめいた。

変態と奇人と常習者たちによる、史上最もカオスな激戦が今始まる!

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