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ぼっちデイズ  作者: シュウ
二章
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まくらドッジボール

言葉とは何かと不便なものである。

次世代ロボットのように、手についている端子を繋ぐだけで、情報の並列化ができればいいのにと思う。

そうすれば勉強だって必要なくなるし、テストを受ける必要もない。

そして情報の並列化をすることによって、いろいろな知識の引継ぎを行えるため、素晴らしいまでの時間短縮になる。

何を言いたいかというと、もっと俺は説明するのが上手くなりたいということだ。

一通り木村に話したのだが、途中から飽きてきたのか、マンガを片手に聞いてやがった。

これは俺のカリスマ性うんぬんよりも、木村の飽き性の問題か?


「お前聞いてるのかよ」

「聞いてるって。つまりは渡辺が悪いんでしょ?」

「ホントお前の耳って都合良いように出来てるよな」


渡辺の話だけではなく、木村のことも悪く言ったつもりなんだけど、全く聞こえてなかったらしい。頭に端子繋げてやろうか。


「私は良いのよ。あんたがなんで帰ったのかが知りたかっただけだから。別に渡辺のことなんか聞いたって楽しくないもん」


こんなところでもつまらない男呼ばわりか。哀れなり渡辺。


「だいたい、あの時お前がちゃんと俺のことを離してればよかったんだよ。なのに腕掴んだりするから悪いんだ」

「しょうがないじゃない。まだ話の途中だったんだから。邪魔する渡辺が悪いのよ」

「ちょっとは自分の非も認めなさい」

「はいはい。ごめんなさいねー」


全く詫びる気のない誤り方で謝る木村。その間もマンガから目を離すことはなかった。

こいつは時々めんどくさくなるな。

まぁこんな木村じゃなかったら調子狂って気持ち悪いけどな。


「まぁ説明はしたんだから、そろそろ帰れよ。母さんも帰ってくることだし」

「お母さん!?」

「・・・なんで驚いてんだよ」

「いや、だってその、まだ心の準備が出来てないもん」

「じゃあ帰れよ。別にお前のことなんて紹介したくねぇし」

「酷っ。弟くーん!」

「何?」


木村が大声で呼ぶと、瞬間移動をしたのか、ドアを開けて瞬時に弟が現れた。

スタンバイしてたの?


「弟くーん。こいつが私のこといじめるー」


何甘えちゃってんの? あっ。キャバ嬢か。超似合ってるー。


「お兄ちゃん。紗枝ちゃんをいじめちゃダメでしょ」

「・・・いじめてねぇし」

「そうです! お兄さんはいじめられてるんです!」


でた。このちびっ子はどこまでついてくるんだ。

するすると部屋の中に入ってきて、俺の膝の上にちょこんと座る。


「おい。こいつ家に入れんな。めんどくさい」

「せっかくお兄さんの味方してるのに、その言い方は酷いと思います!」

「俺は味方なんて頼んでない。むしろお前はなんで入ってきたんだよ」

「一応僕の友達」

「幸人くんまで一応って言った! そんなにカレンのことが嫌いなの!?」

「俺は嫌いだ」

「私は大好きですよー(はぁと」


なんか熱烈なラブコールを受けてるんですが。もっと同年代の女子に好かれたいわ。こんな年下で、しかも弟と同い年とか嫌だ。


「ちょっと! あんたもっとそいつのことどけなさいよ!」

「もうちょっと日本語整理してから言ってもらえます?」

「るっさい!」


渾身の枕投擲ー! これがちびっ子の顔面に直撃ー!

いやーこれはどうなんですかね?

幼女に手を出すというのは一部のファンの方から怒られますからねぇ。まずいですよー。

確かにまずいですねぇ。おっと、しかしこれは・・・?

ちびっ子は、枕を手で掴むと、それを木村に向かって投げ返したー!


「んぶっ!」

「こう見えても運動神経はいいんです!」


運動神経なんて神経は存在しません。


「このクソガキ・・・やったなぁ!」


投げつけられた枕をまた投げ返す木村。


「そっちこそ!」


ぶつけられた枕を投げ返すちびっ子。

そして枕を投げては投げ返しての応酬が始まった。

俺は部屋から弟に出ていくように言うと、俺自身も二人に気づかれないように、抜き足差し足で部屋から脱出した。

そしてそのまま部屋のドアを閉めて、弟の部屋へと逃げ込む。


「ふぅ・・・」

「よかったの?」

「いいんだよ。あんな部屋にいたんじゃ身が持たない」

「あ、お兄さん。こっち来たんっスねー」


浩一くんがこっちを見ずにテレビに向かったままで言った。

ちょっと馴れ馴れしいが、あっちの二人に比べたらまだ全然可愛げがある。


「何してんの?」

「あ、マリオっス」

「Wiiのマリオか。いいなぁ」

「一緒にやります?」

「おっ、やるやるー」

「じゃあ僕もやろっと」


そんなわけで三人でWiiマリオをやって楽しんだ。

とても楽しかった。今日一日の中で一番楽しかった出来事かもしれない。

まさか弟の友達と遊んでる時が一番楽しいとか・・・はぁ。



「あっ! ちょっと何するんスか!」

「主役はこのキノコブラザーズなのだよ!」

「えい」

「あっ! この馬鹿! 一人でゴールすんなし!」

「アハハ! キノコブラザーズは無理でしたね!」


ホントに楽しかった。

すごい久しぶりに誰かとゲームやったような気がする。

弟とたまにはゲームでもやってやろうかなぁと思いました。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しい限りです!


ケンカするほどなんとやら。

子ども相手に怒る紗枝ちゃん。


次回もお楽しみに!

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