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ぼっちデイズ  作者: シュウ
一章
22/128

お礼に

大変短いです。

テストが終わり、全てのテストが返却された。

結果はまあまあだ。80点前後ならこれからも平穏無事にすごしていける。高すぎる点数だとリア充達から変な目で見られるからな。だからって点数を調整できるわけじゃないよ? これが俺の全力だ。

授業をキチンと聞いているのだって、テスト期間中にもネトゲをやりたいからだ。ネトゲをやっている半分以上のユーザーは学生を卒業したあとの娯楽でやっている人ばかりだ。だから学生みたいにテストだからログインしないというのはあり得ない。

そういう意味では早く大人になりたい。

そんなわけで返却されたテストだが、隣に座るリア充(自称隠れオタ)が机に伏せているところを見ると、結果はさんざんだったんだと理解できる。

これは見て見ぬ振りをしよう。巻き込まれたらめんどくさい。

そんなこんなで放課後。

今日も速攻で帰っていつものネトゲライフを堪能しようと席から立ち上がったときに腕を掴まれた。


「・・・離してもらえます?」

「ちょっと付き合って」

「お断りします」

「いいから」


そう言われて廊下へと連行される俺。もちろん手の主は木村だ。

最近思うんだ。こいつ隠す気無くなってきてね?

連行されるまま廊下を突き進むと、人気のないところで壁と木村に挟まれた状態になる。

木村は俺の両肩に手を置いて俯いている。

あー嫌な予感しかしない。帰りたい。念じるだけで帰れるなら今すぐにでも帰りたい。


「あんた・・・」


なんでそんなに怖いんですか? 俺最近なにもしてないよね?

そして顔を上げて木村が言う。


「なんであんなにわかりやすいノート作れるのよ! おかげで今までのテストの中で一番良かったわよ!」

「ごめんなさ・・・は?」


てっきり怒られると思っていた俺は、謝る準備をしていたのだが、まさかのお褒めの言葉でした。


「今回のテスト、全部60点以上だったのよ! 全部あのノートのおかげよ! ありがとっ!」

「ちょ、近っ・・・」


これでもかと言わんばかりの嬉しそうな顔で詰め寄ってくる。

俺は壁をしょっているので、後ずさりできないので、少しでも離れようと背伸びをして上へと逃げた。こうかはいまひとつのようだ。

ってゆーか60点で過去最高って・・・やばいだろ。よく受験合格出来たな。


「だから何かお礼したいんだけど何がいい?」

「俺に付きまとわないでくれ」

「何がいい!?」


こいつの耳には都合の良いことしか聞こえないようだ。便利な機能だ。


「お礼って言われてもなぁ・・・」


特にしてもらいたいことはない。もしもこれが超好きな女の子からの申し出ならば、デートの一つでもお願いするところなんだけど、相手が木村だとそういう気にもならない。


「・・・特に無い」

「じゃあ私がどっか連れていってあげようか!?」

「いや、俺インドア派だし。弟の面倒も見ないといけないから」

「大丈夫! 絶対損はさせないから!」

「お前何言ってるの?」

「じゃあ明日の土曜日ね! 札幌駅で11時に集合ね! じゃあまた明日ねー!」

「えっ? ちょ・・・」


行ってしまった。満面の笑みを浮かべながら楽しそうに手を振りながら去っていった。

結局ここに来てから会話してない気がするんだけど。

うわぁ・・・これって行かないとダメなの? 超行きたくないんですけど・・・

今週の土日は徹夜でネトゲしながらネットの世界にダイブしようと思ってたのに。

はぁ・・・明日なんて来なければいいのに・・・

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけるととても嬉しいです。


木村大暴走。


次回もお楽しみに!

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