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持論:だからフィクションの人間を作れっての


 疑問:ウケる設定作っておけばいいんだろ? 



 「なろう」には小説のあらすじと共に、タグというその作品のキーワードを抽出したものが表示されます。

 その中を見ると「どんなキャラクターが出てくるか」を触れてる作品も多いです。

 人気タグだと『高校生』『美少女』『少年』『幼馴染』『勇者』『魔王』『騎士』『貴族』『中学生』『魔法使い/魔女』『姫』『天使』『ツンデレ』『王子』 この辺りがよく使われているようです。


 あと上の『ツンデレ』もそうですが、萌え要素とひとくくりにするキーワードも、ライトノベルではよく使われます。『猫耳』とか『巫女』とか『メイド』とか『巨乳』とか。

 ……ノクターン辺りで並んでそうな単語のような。


 それはさておき。

 キャラクターを作る場合は、そんなキーワード作りから始める人も少なくないでしょう。


 キャラクターを一言で言い表そうと思えば可能です。

 そして不思議なことに、たった一言のキーワードで、なんとなくキャラクター像は理解できるのです。


 『幼馴染』は主人公に対してほのかに恋心を抱く、優しくて気立てがいい女の子だとなんとなく思いませんか?

 『ツンデレ』だと言わずもがなでしょう。

 『王子』や『姫』や『騎士』だと高潔、『貴族』だと腐敗したイメージがありませんか?


 これは過去のあらゆる作品群によって作り出されたイメージがあるからです。他の言葉を使わなくても、読者の脳内にはそのキャラクターの魅力が出来上がっているのです。

 だからそのキーワードを持つキャラクターを作れば、その言葉が持つ魅力が上乗せされてしまうのです。


 だからキャラクター作成はキーワードひとつで充分?

 それは絶対に違うと断言します。

 この現象は過去の優秀な作品を読んだ読者に、「●●は魅力的である」という認識があるのが前提になっています。

 つまりその前提を持っていない読者に対しては、なんのプラスにもなりません。


 しかも「なろう」ではテンプレと揶揄されるように形骸化――ありふれています。

 要するに飽きが来て、キーワードだけ見れば「またか」と認識する人も少なくないのです。プラスどころかマイナスになりかねないのです。


 だから作者たちも工夫します。

 大抵の場合は、複数のキーワードを重ねて新たな組み合わせを作ろうする。


 『高校生』『勇者』となれば、異世界に召還された高校生が勇者として活躍するキャラクターになるわけです。

 『ツンデレ』『姫』なら、あまりお姫様らしくない言動をしそうないキャラクターになるわけです。

 『幼馴染』『魔法使い』ならそのままです。幼馴染が魔法使いです。説明不要です。

 『中学生』『貴族』でもそのままです。貴族の中学生です。説明不要です。

 『猫耳』『眼鏡』『メイド』『巨乳』でももうそのままです。欲望の塊です。


 そうやって新しいキャラクターを生み出そうとしたきたわけですが、ありとあらゆる人々が組み合わせを試してしまっていますから、小手先の技だけで読者の興味を惹くのは限界です。


 

 そんな状態でどうするか、という話になるのですが。

 ちょっと原点回帰してみましょう。

 既に小説を書いてらっしゃる作者さんは、一度自分の小説のキャラクターを見直しながらだと、考えやすいかと思います。


 キャラクターは小説の中で、そのキーワードに相応しい言動をしてるでしょうか?

 『勇者』と定めたキャラクターなら、勇者らしさを見せていますか?

 『幼馴染』と定めたキャラクターが、ただのクラスメイトでも困らないキャラクターになっていませんか?

 挙げたキーワード以外でも、優しい性格と定めたキャラクターは、優しいキャラクターとして描写されているでしょうか? バカっぽいキャラクターなら四六時中とは言わなくてもバカっぽい言動をしてますか?


 定めた設定通りに書くなんて当然のことですけど、意外とブレることが多いです。

 原因は当然、作者さんです。

 小説の世界観での価値観に生きるキャラクターが、二一世紀の現代社会に生きる一人の作者さんが持つ価値観に引きずられてしまうからです。

 作者さんが高校生だったことはあるでしょうが、勇者になった経験はないのです。誰かの幼馴染であったでしょうが、誰もが思い描く優しく家庭的な幼馴染だったかは不明です。

 小説を書くには、自分の経験以上のことを、限界ある想像力で書くしかないのです。

 その結果、想像力が追いつかなくなり、キャラクターを形作るキーワードが、ただの記号と化していくことが少なくないのです。



 ロボットアニメ全盛期では、巨大ロボットさえ出すだけでウケました。

 メイドや猫耳といった萌え要素があれば、それだけで魅力的なキャラになりました。

 しかしもう出尽くしてます。

 そしてキーワードに込められた、過去の誰かが作った魅力のみに頼ったキャラは、薄っぺらいのです。

 「ほれほれ、こんなキャラ出しておけばウケるだろ? こんなの好きなんだろ?」なんて簡単な気分だけで物語を書けば……あとはご想像にお任せします。


 そのキーワードを使うなと言うのは、現実的には無理です。それにたった一言が持つ魅力を使わないのはもったいないです。

 だけど言葉が持つその本質を出すのは難しい。

 キーワードが持つ魅力だけに頼るのではなく、キャラクターが物語の中で行動することで発せられる魅力を混ぜる。それらしく行動し、それらしく描写されることで、どこかで見たようなキャラの劣化コピーではなく、作者さんの物語で生きる人間になるのではないでしょうか。


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