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第24話:絶体絶命! ヴァルハリオン死す!?

 うっかり投稿し忘れていた箇所を補完いたします。

 すみません……


「遅いぞ、ヴァルハリオン」


 ズギャーン、ヴオオオオオオオ……


 変幻自在の曲芸飛行からの蹴り攻撃!

 そしてガトリングガンの絶え間ない弾幕が、この装甲に容赦なく食らいつく。


 俺は狙いを定めてロケットパンチ!!

 見事にコックピット周りを掴むことに成功した。



「もうやめろ!! これ以上、犠牲者を出しちゃ駄目だ! 今を未来へ繋げるために色々考えてきたんじゃないか!」


 多分そうだよね!?


「黙れ!! 貴様に何が解る!?」


 ガシッ――掴まれた俺は、真っ逆さまに叩き落とされる。


「うわあああ百万回は聞いたお決まりの返事どうもありがとぉおおおおおお!!!」


 くそ、姿勢をなんとかして直さないと!!

 真上から、垂直で降下しながらエプカがやってくる。


 よい、蹴り攻撃は見切った!

 脚を……掴む!!


「何ッ!?」

「確かに俺は、君の事はあまりよく知らないよ……でも! どこかで、優しさと、それに伴って、世界を滅ぼす事へのためらい(・・・・)があったんじゃないか?」

「何故、そんな推測ができる?」

「積極的に攻撃をしてこなかったじゃないか。その気になれば、王都を滅ぼした後は一瞬で世界を焦土に変えることだってできた筈だ。それは、君のどこかに優しさが残っていたからじゃないのか!?」



「――いや、全然違うからな」

「え?」


 虚を突く形で、首を掴まれる。

 あ、あの、一体、何を……?


「単純に、戦力増強に時間が掛かっただけだ。むやみに此方から出向けば、それこそ腕に止まったハエのように叩き潰されるだけだ」

「じゃあ……」

「貴様を楽に倒せたなら、いつでも倒していたよ……貴様は、私を敗北させた唯一の聖鉄だ。慎重を期すのは当然だろう?」


 つまり、俺を倒す準備をしていたからあまり姿を表さなかった、って事か!

 ロケットパンチで引き剥がそうとするけど、えらいタフだな、くっそ……!!


「あっ」

「死ね、ヴァルハリオン!」


 ギリ、ギリ、ブチン。

 俺の首が、捩じ切られた。


「勇者様ぁあああああああ――!!」

「貴様の首は世界中に晒し回ってやるぞ、ヴァルハリオン!! くくく、アッハハハハ!!」


 意識が、と、飛ぶ……!!

 せめて、みんなだけでも……!!




 コックピット、パージ準備開始――


 コックピット内の人員を、脱出パックに移動――!


「勇者様、何を! わたし達を、脱出させるのですか!? いけません、わたしはあなたと共に在りたいのに!!」

「姫様、駄目だ! 心中したらそれこそコイツが悲しむぞ!」

「いや、嫌ぁああああ!!」

「くっそ、火事場のクソ力か!? メリー、ハリー、手ぇ貸して!!」

「わかったニャ!」「ミャ!」


 ……ありがとう、レキリア。

 ごめんね、エールズ。

 後は頼んだよ、メリー、ハリー。




 ――バックパックユニット切除……パージ、完了。

 主翼・展開を確認。



 これで、生き延びて、くれ!!

 渾身の、目から拡散ビーム!!!!!!!!!!




「く! なんだ! 首だけになっても、最期まで足掻くか、忌々しい!!」


 前世じゃ何をやっても上手く行かなかった俺だけど、この世界ではみんなの役に立てたんだ。

 大好きな仲間を守る為には、全力を尽くすよ。


 あ、俺の胴体が逆さまのまま地面に刺さっちゃった……ポーズがまるで映画の“犬神家”みたいだ。


 首はここだけど。ああ、意識が、遠のく……




 ……


 …………



 ………………



 ――ガシッ



「“がし”とは」


 何かが俺の頭を掴んでいるようだけど、誰だろう?


「久しいね、聖鉄。いや……――勇者ヴァルハリオン、といったか。アタイを覚えているだろ」


 誰かと思えば、ペドフィローダーがいた森のエルフじゃないか!

 俺の頭は、巨大な鳥のクチバシにつままれているらしい。


「待ってろよ。一流の聖鉄鍛冶の一団を連れてきた。あんたを必ず生き延びさせてみせるからな!」



 頭だけになっているのにこれだけ長い間、命があるっていうのもすごいよね……。


「おのれ、貴様のようなエルフがいてたまるか!! 伝承の森の中で静かにしていろ!! トンガリお耳の因循姑息な停滞民族どもが!!」

「森を荒らす奴がいるなら、全力で反撃しに行くのがアタイらの流儀だ」

「おのれ!!」

「……それ、パス!!」


 放り投げられる感覚。


 ――ガィン


 衝撃と共に、コックピット内の映像が繋がった。

 エールズ達の乗るバックパックユニットの上に乗っかったらしい。


「勇者様!? うう、もっと優しく投げてくださいよ!」

「あはは! 悪い悪い! あんたの旦那さん、頑丈そうだったからさ!」

「旦那さんって……」


 ああ、エールズが顔を赤らめている……。

 可愛いなあ。




「ほら、姫様。高度落として。その間に、ウチが何とかする!!」

「はい!」

「ウィンチギミックを使って……カタパルト、射出、よし、座標を固定した!! 飛べ、勇者君!!」


 バシュゥウ――ゴロンゴロンゴロン……ガチャコン


「“ガチャコン”とは」


 何かに繋がったような気がするけど、一体、何に繋げたというのだろうか。

 正直、あまり想像したくない。


「待っててね、今、修理すっから……」


 ――ズビビッ


 奇妙な刺激が頭を駆け巡る。

 これは一体、何だ……!?



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