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はらつい・孕ませましたがなにか? ~勇者パーティ内で女性メンバー全員を口説いて回った最強チートの俺が、リーダーにばれて追放? だが、もう遅い~  作者: にわとりぶらま


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第27話 カズオの帰還とシュリの告白

「うぃ~ 今戻ったぞぉ~」


俺は馬車の扉を開けて、俺とカズオと途中で拾ったポチとで中に入っていく。


「主様! カズオ!」


「イチロー様とカズオだ!!」


ソファーで暗い顔をして座っていたロリ二人が俺達の元へかけてくる。


「カズオ! ほんに心配しておったのじゃぞ!」


「カズオが無事で良かった! ホノカとナギサも喜んでいる」


シュリはカズオの足元に縋りつき、骨メイドの二人は両手をあげて喜んでいる。


「恥ずかしながら戻ってまいりやした。シュリの姉さん。カローラ嬢、ホノカさんにナギサさん。心配かけてすまねぇでやす」


カズオは後頭部に手をあてて、頭を下げて礼を言う。


「再会を喜んでいるのはいいが、直ぐに出るぞ! 遅れを取り戻す!」


俺は皆に向かって告げる。


「今日は俺が御者をするから、カズオは誰かに手当してもらえ」


「いや、あっしはこの外套のお陰で、殆ど傷を負ってませんぜ」


 確かにあの痛がりのカズオが痛がっていないので、あの外套には何か魔法の効果があるのであろう。


「まぁいい、それなら、俺は腹が減ってんだ。何か御者しながらでも食えるものをつくってくれ。その後は休んでいてもいい」


「ありがとうごぜいやす。旦那!」


俺は連絡扉を潜り、御者台に乗って、すぐに馬車を走らせる。


「カローラと付き合ってゲームして徹夜して、その後、夕方近くまで寝ていたから、眠くなるまで走るか」


 俺は月明かりと星空の下、馬車を走らせる。よくよく考えると、昼間だとこの馬車目立つから夜の間は走って、昼間は何処かに隠れていた方が良いのではないかと今更思いつく。


 しばらく馬車を走らせていると、連絡扉が開き、中からシュリが、食べ物と飲み物を持って現れる。


「主様、遅くなったが晩飯と温かい飲み物じゃ」


シュリはそう言うと俺の隣にちょこんと座る。


「今はちょっと、夜道だし山道だ。街道に出るまではちょっと、手が離せんな」


「なら、わらわが食べさせてやろう。主様。あーんじゃ」


 俺は恥ずかしいので一瞬断わろうと思ったが、起きてからまともに食べ物を食っていないので、どうしようかと考えた。そういえば、あの酒場で酒以外に何か頼んでおけば良かったな…


「ほら、主様。あーん」


 そう言ってシュリは俺の前に具材を挟んだパンをちらつかせてくる。俺はイラっとするのと腹が減っているのもあって、餌に食いつく鮫の様にパンを食いちぎる。


「…なんか、わらわが想像しておったあーんとは異なるのう…」


俺の食い方に、シュリがちょっとした不平を漏らす。


「おっ 今日の飯はピリ辛でいいな」


 俺は食いちぎったパンを咀嚼していると、ピリ辛の味を感じて、食べ物を口の中に残したまま感想を述べる。


「あぁ、なので、辛い物が苦手なカローラがひぃーひぃーいっておったわ」


 俺はシュリの言葉にカローラがしなしなだった時のひぃーひぃーを思い出して吹き出しそうになる。


「ちょっ! 笑わせんな! シュリ!」


「ははは、すまんすまん。主様」


シュリは俺のとなりではははと笑う。


「それより、シュリ、次は飲み物をくれ」


「の、飲み物か…あ、主様…」


俺は前に集中しているから良く見えないが、シュリは頬を赤らめ、俯いているようだ。


「お前…なんで恥ずかしがってんだよ」


「だ、だって、あ、主様。あーんの次に飲み物と言えば…く、口移しであろう…」


シュリはそう言って、上目遣いに俺を見てもじもじする。


「おまっ! なんでお前までカズオみたいな発想してんだよ! 普通に口元にカップをもってきたらいいだろうが!」


「えぇぇぇ~… わ、わらわが…カズオと同じ発想じゃと?…」


シュリは愕然とした表情をする。


「そもそも、口移しなんてしたら、前が見えないだろうが」


「あぁ、言われれば確かにそうじゃな…」


シュリは、はははと乾いた笑いをする。


「分かったなら、飲み物をくれ、あったかい飲み物なんだろ? いいか、気をつけろよ! 絶対に俺の顔にかけんなよ! 振りじゃねぇぞ!」


「分かった分かった、主様よ、ではいくぞ」


 シュリはそう言って、カップを俺の前に近づけ、カップの一部を俺の唇につけた所で、ゆっくり慎重に傾けていく。


俺は少し啜ってぴちゃぴちゃと味と温度を確認した後、ずずっと啜っていく。


「おっ、コヒーか眠気覚ましにはいいな。味も美味いし」


「そうか、よかった主様」


シュリはそう言ってにっこり微笑む。


その後もシュリに手伝ってもらいながら晩飯と飲み物を完食する。


「すまねぇな、シュリ。ありがとよ」


「いいや、こちらこそありがとうじゃ主様」


シュリはいつもと異なる雰囲気で、手元の空になった器を見つめる。


「ん? カズオの事か? それならなんでもねぇよ」


「わらわにとってはなんでも良い事ではない、主様」


俺はチラリと横目でシュリの次の言葉を待つ。


「もし、カズオが死んでおったら… わらわの判断ミスでカズオが死んでおったらと思うと、胸が苦しくてたまらんのじゃ…」


「でも、生きて帰ってきたからいいじゃねぇか」


俺はシュリに慰めの言葉をかける。


「いや、わらわは再び同じ過ちを犯す所であったのでのう…」


「同じ過ちとは?」


「今、わらわが化けておる娘の事じゃ…」


確か前に、今の姿は生贄に捧げられた娘の姿だと言っていたな…その事か?


「あの時のわらわは、人の小娘たった一匹、腹の足しにもならん、ならペットとして飼ってやろうと考えた」


まぁ、ドラゴンのサイズで考えたら、人の娘など、おやつ程度にしかならんな…


「最初は気まぐれでペットして飼い始めたが、実際に飼い始めてみると、なんでも情がうつってしまうものじゃ…」


その言葉は俺にも刺さるな…でなければあんなキモイオークのカズオを助けようとは思わない。


「あの時はわらわは人間について何も知らなんだ…だから、食べる物も、寝る所も、着るものも、何一つ満足に与えてやる事ができなんだ… なので娘は病に伏せる様になってしもて、最後には…」


 あぁ、それは確かに辛いな… 俺も元の世界のガキの頃にザリガニや昆虫などを育てていたが碌に育てる事が出来ずに死なせていたな… それが意思疎通出来るものならなおさら辛いだろうな…


「だから、それ以来ずっと一人でおった… 娘との日々はそれなりに楽しかったが、それ以上に別れるのが辛かったのじゃ…」


シュリはそう言って顔を伏せる。今日の出来事でその事を思い出したのであろう。


俺は片手をシュリの頭の上に置いて、ワシワシと撫でてやる。


「大丈夫だ! 心配するなシュリ! 俺もカローラも十分強い! 簡単には死なん! カズオにしても、元々は人間より遥かに強いオークだ。あいつが本気になったら、そこらの人間には勝てんよ。だから、安心しろ、みんなとの日々を楽しめばいい」


俺は柄にでもない事を言って、シュリを励ます。


「ありがとう…主様… 主様は優しいのぅ… いつもそうであれば良いのじゃが…」


シュリはそう言って俺に寄りかかって身をゆだねる。


「いつもは余計だ…」


俺は小さく呟く。


その時、いきなり連絡扉がガバっと開く。


「イチロー様! 見て見て!」


「なんじゃ!カローラ!」


 カローラが目を輝かせながら、御者台の上ってきて、俺とシュリの間に割って入り、俺の前にカードを差し出す。


「なんじゃぁ!こりゃー!!」


俺はカードを見て驚きの声を上げる。


「カズオが買って来たカードパックの中に、今日発売の新段イアピース限定パックがあってその中に入っていたの」


 カローラが説明するカードには、邪悪な笑みを浮かべる俺のイラストが書いてあって、カード名は『淫乱魔剣士イチロー・アシヤ』と記されている。


「ちょっ! なんだよこれ! 今日発売ってイアピースの差し金か?にしては仕事早すぎるだろ! ちょっと待てよ…もしかしたら、ロアンか? どうでもいい! これは酷過ぎる! あれ? ん? ひょっとしてこのカード強くないか?」


俺は運転しながらカードのテキストをまじまじと見る。


「でしょ!でしょ! イチロー様! 『このカードの攻撃を受けた女性キャラクターは直ちに破壊されゲームから除外される』だって!」


「滅茶苦茶つえーじゃねぇか! ちょっと、後でこれ専用デッキ組んでみんぞ!」


「あのぅ~ 旦那ぁ。洗い物済ましちまうんで、空になった器もらえますか?」


女性もののかつらを被ったカズオが連絡扉から顔を覗かす。


「おまっ! 女装に本気をだしてるんじゃねぇよ!!」


こうして、イチロー一行の逃避行は続くのであった。



  


連絡先 ツイッター にわとりぶらま @silky_ukokkei

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