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はらつい・孕ませましたがなにか? ~勇者パーティ内で女性メンバー全員を口説いて回った最強チートの俺が、リーダーにばれて追放? だが、もう遅い~  作者: にわとりぶらま


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第110話 俺たちの汚部屋

 あの後、俺とサイリスは城壁の上で、今後の対応について話し合った。敵の襲来の鐘が鳴り響いただら、俺は尖塔の上の所で待機し、サイリスの指示に従い、劣勢の城壁の救援に駆け付ける事になる。ちなみに東西南北の城壁にはそれぞれの担当者がおり、あの会議に出席したものがそうであるらしい。北側の一番敵の襲来が来る場所には、サイリスの部下のサーコートの男、ジャクスが担当し、東の海側には上級衛兵の二コラ、楽な南側は太ったおっさんのオイス、そして、東の城壁と難民地区があのヤンキーのバルダということだ。


 俺はなんであんな若いヤンキーの様な奴が担当についているかと尋ねると、あの部署の担当者は次々と負傷や戦死し、他の部署から皆移動したがらないので、もともと軍属でいたヤンキーのバルダが担当になったらしい。バルダの配下の兵も、他の部署には行きたがらないので、難民の中から義勇兵を募り、難民キャンプを覆う城壁を増築しながら防衛しているそうだ。


 こんな非常事態に行きたくないがまかり通るのかと思ったが、危なくなった時には各部署から増援を送るらしい。最初から送ってやれよと言ったが、正規軍の北側の兵は城壁の野良仕事など嫌がり、西と南の軍は元々街の衛兵であり、難民の防衛など自分たちの仕事ではないという事だそうだ。なので、難民キャンプが襲われている内は救援に行かないが、城壁が危なくなったら救援に向かうそうだ。


 こんな時、こんな所でも差別意識というか地元民とよそ者、軍属と一般人の確執があるのだな… めんどくさい。だから、会議の場であのヤンキーが暴れたのか… なんだか理由が良く分かった。


 そういう事で、ここの現状と俺のやるべき事が分かったので、中央に戻る事になったのだが、やはり帰りも滑車を使った空中散歩での移動であった。ちなみに、行きは尖塔の一番上から城壁の上の移動であったが、城壁からは中央の二階への移動になるようだ。当然の如く、終着地点には干し草が置かれていたので、今度は草に埋もれないように、足を突き出しての着地を行った。


 その後、会議室に戻り、再びフィッツと合流し、俺はここでの俺の部屋に案内された。会議室の事があるので期待はしていなかったが、用意されていた部屋はやはり汚かった。フィッツがある程度、掃除をしてくれたようであるが、ベッドが汚くて、テーブルも汚くて、窓も汚かった。…これは、掃き掃除ぐらいしかしていないだろう。


「す、すみませんが、この部屋でよろしいですか?」


 フィッツはおどおどとしながら、上目づかいで聞いてくる。おそらく、この部屋が精一杯、用意できた部屋なのであろう。


「あぁ… いいぞ…」


嫌だと言ってもフィッツが困るだけなので、了承するしかあるまい。


「では、ちょっと仲間を連れてくるから、馬車の所に案内してもらえるか?」


 カズオたちとは正面玄関の所で分かれたので、今どこにいるのか分からない。これからこの部屋を掃除するにも人手が必要だ。


「はい! こちらです!」


 俺はフィッツに案内されて、建物の裏手の倉庫まで向かう。そこには俺たちの馬車と輸送隊の荷馬車があり、ここの人員と輸送隊の人員、そしてカズオも入って、バケツリレーの要領で、兵糧を倉庫の中に運び込んでいた。


「あっ、旦那ぁ、用事とか話しは終わりやしたか?」


「あぁ、終わった、部屋も貰ったが、カズオ、お前はそのまま荷下ろしの手伝いをしておいてくれ」


 カズオはこのまま手伝いをさせて、ここの人々に好感を持って覚えてもらう方が良いだろう。残るシュリとカローラ…カローラに掃除の手伝いはどうだろうか… まぁ、骨メイドがいるな、シュリと骨メイドと俺の三人がいれば掃除は出来るだろう。俺は馬車に向かいその中に入る。


「帰ったぞ~ シュリ、カローラ、骨メイド~ いるか?」


「わう!」


「おぉ、そういえば、ポチもいたな」


俺は駆け寄ってきたポチをワシワシしながら馬車の奥へと進む。


「おぉ、主様、帰って来たのか」


「イチロー様、おかえり~」


二人はソファーに座り、シュリは薬を身体に塗って、カローラは本を読んでいた。


「ここで滞在する部屋を貰ったから、そこへ移動するぞ。ちょっと掃除が必要だから、掃除用具を持ってこい」


「えっ? 私も?」


カローラが本から顔をあげる。


「いや…お前はなぁ… まぁ、とりあえず、場所を教えるから付いて来い」


 そして、俺はシュリとカローラ、骨メイド二人、ポチとフィッツを引き連れて、本部の部屋へと戻り、扉をあける。


「ここがそうだ」


「汚い部屋じゃのぅ…」


「どれどれ、そんなに汚いの?」


そう言って、後ろの方にいたカローラが部屋を覗こうとした瞬間、骨メイドの一人が、突然カローラを抱きかかえる。


「えっ? なに?」


戸惑うカローラを骨メイドの一人か抱えて、俺を引っ張る。


「ん? なんだよ」


首をかしげる俺に、骨メイドは抱えたカローラを差し出して抱かせてくる。


「だから、なんなんだよ?」


「えっ? いいの? うん、分かった」


意味がさっぱり分からない俺に対して、カローラは理解したように答える。


「一体、どういう事なんだ?」


「えぇっと、部屋の掃除は二人がするから、皆は時間を潰してきてくれって」


「わらわはどうするのじゃ?」


俺に事情を説明するカローラにシュリが尋ねる。


「シュリもいいって、なんでも部屋に虱やノミがいそうだから、人に手伝ってもらったら、飛び移るって」


「えぇぇ~ それはいやじゃのう… わらわはこれ以上、痒くなりたくないのう」


カローラの言葉にシュリは眉を顰める。


「じゃぁ… しゃーねぇーな、骨メイドの二人に任せるか… しかし、どうやって時間を潰そうか…」


 骨メイドは忠義を尽くすカローラに虱やノミがいる部屋に入らせたく無い様で、そのお蔭で、俺たちは掃除をしなくてもよくはなったが、状況的には、休日に家から叩き出される中年の親父の様な状態になってしまった。


「それなら主様! ハルヒ殿じゃ! ハルヒ殿を探しにいこう!」


「そう言えば、最初の目的はそのハルヒって人物を探す事だったな…」


 俺がイアピースの酒場で買った情報紙に、ここのハニバルに『初恋、はじめました』の著者のハルヒ・ニシゾノが避難していると言う記事を見たのが始まりだった。


「しかし、よくよく考えれば、この状況下で人探しってのも大変だな… 酒場やギルドはやっているのか?」


「なにか用事があるようですね。それなら私が案内しましょうか? 私はイチロー様の専属のお付ですので!」


フィッツが目をキラキラさせて申し出る。


「じゃあ、頼もうか…」


こうして、俺たちは街に繰り出すことになった。





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